橋Run。

  WILL MORRIS 記者による2018-10-3記事「Robotic wheelchair promises vets a better ride」。
    ピッツバーグ大の研究者が、ロボティック車椅子を開発した。MEBotと称する。
 車輪を前に伸ばしたり後ろに伸ばしたりできる。これはカーブを曲がりやすくするという。
 椅子の傾斜角も前後左右に自在に変化させられる。
 これは椅子からの転落事故を予防するためにとても役立つ。車椅子生活者が救急車を呼ぶ羽目になる原因の筆頭は、転落なのだ。
 この開発は、退役軍人庁、ウォルター・リード国立軍医学センターとのJVである。
 単価3万ドルで、5年以内に買えるようにしたい。
 これとは別に、圧搾空気で駆動する車椅子も開発が続けられている。電気を用いなければ、プールの中に入っても安全だから。
 現在、脊椎損傷等のため車椅子生活している元米兵は10万人いる。
 ※この技術が進歩すると、ずぼらな健常者たちが日常生活で自走車椅子を使って何が悪いという話になってくる。マイカーならぬ、マイクルマの時代が来る。さらにその先にはもっとすごいことがある。しかしその話は小説仕立てにしないと書けない。書かせてくれる出版社があれば、書く。
 Will Knight 記者による2018-10-2記事「The US is hastening its own decline in AI, says a top Chinese investor」。
       カーネギーメロンで80年代にマシンラーニングを学び、90年代に中共内でマイクロソフトの研究所を仕切り、2000年代にはグーグルの中共進出を手助けした男、カイフー・リ。
 今は富豪となり、北京にシノヴェイションというAI系に特化したインキュベイター会社を運営する。
 近著に『AIスーパーパワーズ』あり。米支のAIブームを解説している。
 リにいわせれば、アメリカが心配した方がいいのは、中共に追い抜かれることなんかじゃない。AIの基礎分野への投資がどんどん減っていることだ。
 これは巨人企業たちが悪い。最優秀の人材をぜんぶ引き抜いてしまった上で、彼らに基礎分野でのブレークスルーは狙わせない。
 大学研究機関は基礎分野を攻めている。しかし財力は乏しいので、良い人材は高給で以って民間企業に奪われてしまう。安月給で研究所内に残る研究者は、有能ではない。
 米国は、既存の技法では解決できない新にデカい挑戦に本腰を入れなきゃダメだ。
 「ディープラーニングを超えてくれ」ってことなんだ。
 既存のディープラーニング/ニューラルネットワークは、やたらでかいデータを必要とし、且つ、狭い分野にしか役立てられない。
 しかし、ディープラーニングじゃないアプローチを考えるなんてことは、商売を度外視した研究だから、既存の大企業には期待ができないのだ。
 一般に、企業がでかくなるほど、チャレンジは難しくなるね。
 米国が中共に負けたくない? だったら、米国内の大学でAIを開発している教授たちの年俸を連邦政府として助成するだけでいい。給料を2倍にしてやれば、企業に引き抜かれることがなくなる。彼らが、基礎分野でのブレークスルーをなしとげてくれる。ディープラーニングを超えてくれる。それには大した税金はかからない。
 他方で、米政府は、グーグルやフェイスブックが持っているのと互角以上のデータセンターを建てて、それを大学の研究者たちに使わせてやるようにしなければダメだ。超高性能のグラフィック・チップが巨大建物をぎっしり満たしているような、そういうGPUファーム。現状では巨人企業だけがそんな施設を持っている。
 ディープラーニングのモデルは、そういう装置で実験しないと、先へ進められん。
 AIに関して中共と米国(および西側諸国)は、パラレル宇宙になっている。
 2系統のAI技術によって、両陣営は世界を2分割するであろう。新しい世界新秩序だ。
 両陣営で後進国市場を狙っている。グーグル、アマゾン、マイクロソフト、フェイスブックに匹敵する中共の代表格企業は、アリババ、テンセント、百度。それに新興のセンスタイム。
 たとえば顔認証技術。中共系と米国系の2つの商品群があり、第三世界に売り込まれている。世界は、中共系AI商品を使うか、米国系AI商品を使うかの、どちらかを選ぶ。「技術的殖民地」を世界規模で分割する競争が、米支間で闘われることになるのだ。
 ※ロボット運転自動車技術も同じことになる。とうぜん、米国メーカーがシナ領土内で製造するなんてことは将来はもう許されなくなる。だからトランプ政権は早めに手を打ち、今から関税をやたらに引上げて、米国メーカーが早く中共領内から撤退して来るように仕向けているのだ。
 次。
 Ben Werner 記者による2018-10-2記事「Declining Commercial Nuclear Industry Creates Risk for Navy Carriers, Subs」。
        今日、米海軍は、全米の商業原発よりも多数の原子炉を運転中である。
 空母と原潜、あわせて101ものリアクターが、稼動中なのだ。
 大問題がある。北米で採掘される天然ガスが値下がりしているため、全米の電力会社は、原発よりコストがかからない、火力発電所にシフトしつつある。このため、原子炉や周辺機材を製造しているメーカーの陣容もどんどん手薄になっているのだ。
 いま、米国内で運転中の商用炉は98基。これが漸減する。
 ある専門家の試算では、もう15年後には、米国内で稼動している商用原発がゼロになっているかも……という。
 かたやロシアと中共は、トルコやパキスタン向けを手始めに、商用原発を世界中に輸出して行くつもりだ。
 ※北海道の家庭で一般的な石油ストーブは、ファンヒーター式ではなくとも、外部100V電灯線が停電すると、ホームタンクから灯油を吸入できなくなる。この問題の対策として「ぜんまい式バイパス・ポンプ」をストーブの基部に最初からビルトインしておく方法を提案したい。もちろんそのバイパス路と、電動モーターポンプを通る主管路とは、完全に切り替えられなければまずいだろう。