Will Knight 記者による2018-11-9記事「This is fake news! China’s ‘AI news anchor’ isn’t intelligent at all」。
北京のAI会社「ソゴウ」は国営新華社と組んで、ディープフェイク技術をTVのニュースアンカーに応用した。
実際にはしゃべっていない「アナウンサー」に、任意のデジタルテキストを読み上げさせることができる画像&音声技術。そのさい、口もちゃんと動いているように見える。英語バージョンと北京語バージョンとあり。
会社によれば、この「アナウンサー」は24時間無休で365日働いてくれるし、喋り方はプロ並に自然。これでニュース番組の制作費用は大幅にコストカットできるはずだという。
とうとうリアルのアナウンサーは必要がなくなり、デジタル・パペット(あやつり人形)が、その職にとってかわる時代が来たのだ。
この技術はやがて、他国の公人や政敵の名を汚すブラック・プロパガンダに応用もされるだろう。当人のデジタル・クローンをこしらえ、ビデオ画面上でなんでも喋らせることができてしまうのだから。
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同じ記者による2018-11-8記事「At the White House, the idea of digital fakery is eroding the truth」。
CNN所属の大統領番記者ジム・アコスタは、ホワイトハウス・インターン生の手をどのように振り払ったのか?
さっそく、オリジナルの報道フッテージをデジタル細工して、アコスタ記者の動きが実際よりも乱暴に(接触的に)見えるように変造した、フェイク・GIFクリップが、ネットにUpされている。
そしてなんとホワイトハウスのプレス担当官サラ・サンダースは、この加工動画の方を根拠にして、アコスタの記者証剥奪を正当化するツイートを書き込んだ。
いよいよ、現実とフェイクの境目がなくなる事態が、リアルタイムで進行中である。
※ヘンな写真や旗のデザインをあしらったTシャツを濡れ衣のように着せられてしまう奴も続出するわけか。
一専門家氏いわく。これ以後、人々は誰でも「このビデオはフェイクだ」と否定できるようになる。それは、素人が簡単にフェイク・フッテージをこしらえられること以上に、世界を悪くするかもしれない。
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John Spencer 記者による2018-11-8記事「Why Militaries Must Destroy Cities to Save Them」。
記者は退役した陸軍歩兵少佐。軍歴25年。
完全に破壊されたモスル市を含む県。その再建には420億ドルかかると見積もられている。電気、上下水道、ゴミ収集も復旧させねばならんから。
とにかくゲリラが籠もってしまった都市は、一回、更地になるまで破壊し尽さねば、解決せんようになっている。最近。
直しも含めて、コストかかり過ぎ。
昔はこうではなかった。
都市を破壊せずにゲリラだけ追い出したかったら、火炎放射器と催涙ガスを使えば簡単なのである。
これは1968のフエの戦いで証明されている。ちなみに、火炎放射戦車の仇名は「ズィッポー」だった。
しかし、すべて禁止されてしまった。
米国防総省は1978年に、火炎放射器の戦術的使用を止めさせた。部内通達で。
また米軍は、催涙ガスの使用を、作戦要務令の上では、1997年から禁止している。
これは1993の化学兵器禁止条約を上院が承認したことに伴う。
しかし米国内の市警察が都市暴動鎮圧のために催涙ガスを使うのは、お構いなしなのだ。
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2018-11-7記事「China’s new J-20 stealth fighter engine a no-show at Zhuhai air show after it fails reliability tests」。
珠海の航空宇宙エキスポ2018(11月6日~11月11日)。
最初に6分間飛んでみせたJ-20は、ロシアのAL-31エンジンを搭載した型であった。
WS-15のための単結晶のタービンブレードはようやくこの年末から量産できるとアナウンスされているものの、けっきょくロシアに土下座してAL-31を量産しなければ間に合わないのではないかとの観測あり。
エンジン展示してあるのは、WS-10Bである。WS-15ではない。
隔年開催の珠海エアショーは、毎回規模が大きくなる趨勢だったが、対米貿易摩擦で懐が苦しくなるのが見込まれ、今回は規模が小さくなった。
予定では韓国も今年から40機のF-35を受領しはじめることになっていた。それもあってシナ空軍は焦っていた。つまりJ-20を量産開始したぞという国内向けの宣伝がこの会場でできないと、解放軍将兵の士気が下がってしまうので。
※他方、「翼竜2」=リーパーもどき の方は、ついに今年から中共軍の一線装備になったと会場で発表された。作戦半径1500kmだから、尖閣まで楽々と飛んできて、ヘルファイアもどきを発射できるわけである。その実力のほどは、輸出予定先であるUAEやサウジが、イエメン戦線で証明してくれるであろう。
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Arthur M. Smith 記者による2018-11-1記事「Lack of Medical Readiness Is a War Stopper」。
グレナダ作戦のとき、ヘリ空母『グァム』(LPH-9)や、ドック内蔵揚陸艦『トレントン』(LPD-14)が野戦病院代わりとなり、第82空挺師団を助けた。
米兵は123人が死傷。うち死亡者は18名。
陸軍は大胆にも野戦病院の準備をなにもせず、その支援は海軍に任せきりだった。しかし海軍もまったく指示は受けていなかったので、トリアージの専門家を2艦に配していなかった。
野戦医療のための陸海軍間の連絡網もなにもなし。『トレントン』と『グァム』の軍医/衛生兵がすべて独断専行するしかなかった。
陸軍のヘリパイは、どっちの艦のデッキが降り易いかだけを見て、患者を送り届けてきた。
外科処置設備や血液貯蔵は『グァム』の方が充実していたので、重傷者はこっちに送られるべきだった。ところが『グァム』の方が着艦しやすかったので、軽症者までもがどんどん『グァム』に集められてしまい、大混雑。その結果、こんどは、手術室もない『トレントン』に重傷者が送り込まれて軍医が困ったりした。
1983のベイルート爆弾テロ事件のときは、死者241名、負傷者112名だった。負傷者のうち62名は、沖合いの『イオージマ』へ運ばれた。手術室は完備していたが、海兵隊1人死亡。
他の負傷者は、キプロス島の英軍病院、ドイツ、イタリアの軍病院へ空輸された。ドイツまでの飛行は4時間もかかる。その間に死人も出ている。すぐ隣のイスラエルへ搬送しなかったのは、政治的な配慮からであった。