生きているうちに「無人機母艦」の実現が見られるとは……。

 自分の手柄だと言うつもりはないが、昔から主唱し続けてきた「無人機母艦」が、ついに実現しそうで嬉しい。
 現代の艦上機としては、プロペラ機は有害なのだ。どうしてもプロペラは、甲板の水兵を殺傷する原因になってしまい、危険だからだ。
 それに従来のプレデター/リーパーには、翼端折り畳みの構造もなかった。それでは格納デッキと飛行甲板の間でエレベーターを使って移動させる作業に困ってしまう。
 アヴェンジャー/プレデターC ならば、ターボファンなのでプロペラがない。これは艦上機として運用する場合の、絶大なメリットなのである。たとえば、薄暗くて混雑している格納甲板内で暖機運転したって、ちっとも危なくはない。
 そして、ジェネラルアトミクス社は、米海軍にこれを提案したときに、翼端折り畳み機構を既に試製している。ということは、テイルフックのような着艦に必要な諸装備も、とっくに考案済みであろう。万歳!
 この二つの絶大なる長所ゆえに、リーパーの滞空能力より劣るというデメリットは、わが国軍においてのみ、帳消しになる。
 なぜならわが国は電波法や航空法の規制がありすぎて、陸上基地から好きなように中型無人機を運用するわけにいかない。
 特に爆装の無人機を、随時に好適な基地から飛ばし、また回収するといった運用は、事実上、わが国では不可能だった。
 しかし公海上(たぶんフィリピン海になる)で海自が空母から運用するならば、電波法も航空法も、ほとんど関係なくなるのだ。
 海自はこれを好きなように運用できる。いつでも、好きなだけ訓練できる。万歳。
 2018-1には、GA社は、ER(エクステンデドレンジ)型を飛ばして、連続23.4時間の滞空力を実証している。海自が買いたいのは、こっちであろう。
 公表されている航続距離2900kmだと、ほぼ、中共軍の「翼龍2」と互角。しかしスピードは2倍以上、上回る。
 プロペラ機である米軍リーパーの巡航速力が 200ノット/h=300km/時。得られそうなエンジンからして、シナ製リーパー(翼竜2)がこれを上回ることはあり得ず、したがって、アヴェンジャーとは、速力において、おそらく3倍以上の差をつけられるであろう。
 この発表がこのタイミングでなされたのは、もちろん、珠海航空ショーの開催期間(11/6~11/11)にぶつけたのである。会場で解放軍空軍への就役が発表された「翼竜2」は、いっぺんで色褪せた。国内版SNSしか閲覧できない低学歴シナ軍人たちも、このニュースが次第に海外から浸透して、少しは正気を取り戻すだろう。防衛省もすごい「政治心理戦」ができるようになったものだ。平時こそ、こういう作戦を続ける価値がある。
 アヴェンジャーは、一回だけ、実戦飛行しているという。それはシリアでリーフレットを撒くミッションだったという。2016-10にGAの副社長が公表した。
 2009年に初飛行している「プレデターC」(アヴェンジャー)は、今なら単価は1500万ドル(ただしドンガラだけ)という。センサーが同額になるとしても、これは魅力的である。
 次。
 Victor J. Kamenir 記者による2018-11-7記事「Naval Mines in the Baltic Sea」。
    WWII中のバルト海での機雷戦は、機雷がコスパ高く、弱国側の味方になることを立証した。
 ドイツとフィンランドの海軍力はバルト海域ではソ連側に比べ劣勢だったが、機雷のおかげで、ソ連の数的優越を帳消しにした。
 ソ連側も繋維機雷は使用した。
 フィンランド湾を中心に、3ヵ国がWWII中に敷設した機雷は総計8万個以上である。
 水深の浅い Juminda 機雷原では、ソ連側のかなり小型の艦艇も、繋維機雷に触雷した。
 繋維索を曳航カッターによって切断するソ連の掃海法に対しては、独機雷は、繋維索中に鎖を編みこむことによって対抗した。
 ドイツは Cape Juminda の前の海に機雷原を設け、ソ連のバルト艦隊を有効に妨害した。
 英国からソ連に軍需品を援助する船団をドイツは途中で沈めようとしたが、悪天候時にはルフトヴァッフェは活動できない。そんなときでも、機雷ならば、船団の阻止に貢献してくれた。