米国でチャフのメーカーがどんどん撤退して空軍ピーンチ。そりゃ やってられねえよな。

 John Ismay 記者による2018-11-13記事「The U.S. Army Is Trying to Develop New Land Mines ? Ones That Don’t Harm Civilians」。
    90年代前半のクリントン政権時代は、地雷原の清掃が、世界で流行のテーマになった。冷戦終了直後のこととて。
 国家指導者として最初によびかけたのがクリントンであった。しかしアメリカは対人地雷禁止条約への参加は拒否した。
 陸軍ピカティニー造兵廠は、兵隊が視認しながら発火管制できる新型地雷の開発に取り組んでいる。
 2016から取り組んでいる。「ゲイター更新用地雷」と称する。
 埋設式でなく、地表に置かれる。管制は遠隔的になされる。点ではなく、地域を制圧できる。
 2016には、対戦車/対人だと言っていたが、2018-10には、対車両用だけだと陸軍は訂正した。プロトタイプはいまだに公表されていない。
 新地雷は無線ネットにつながれ、操作兵はセンサー画像をモニターしながら発火をコマンドする。
 車両が近づくと、センサーがオペレーターに警報を伝える。
 発火させるかしないかを、オペレーターが画面を見て決める。
 自壊〔自爆?〕機能もあり、それも無線でコマンドできる。
 敷設は、航空機から地面にバラ撒く方法にするつもり。それも落下傘なしで。
 センサーは、磁場の変化を察知するものである。
 しかしそれだけだと純然民間人の車両を区別できない。
 だからオペレーターが画像で確認する手順を噛ませるようなのだが、詳細はさっぱり伝えられてこない。
 ※それだけ安定した無線リンクが確立できるのなら、「スイッチブレード」のような小型特攻無人機を飛ばした方がずっと気が利いている。最初に最小限のセンサーだけ地面に置いとくようにすれば、戦後の戦場掃除の必要もない。どこの組織にもダメな案のダメな所以に即座にピンと来ず、死ぬまでこだわり抜いて開発資源を無駄にする「半教養秀才」が、いるのだろうな。
 1991年、米軍はクウェートとイラクの沙漠に、1314発の「ゲイター」クラスター爆弾を投下。その中から9万個の対戦車地雷と27500個の対人地雷が飛び出し、撒布された。設計上、すべて、ある時間が過ぎると自爆するようになっていた。
 「ゲイター」クラスター爆弾は単価が3万9000ドル。他の投下爆弾型クラスター兵器の三倍の価格だった。
 休戦の少し後で、クウェートの戦地を調査した契約民間業者によると、ゲイターから撒かれた対戦車型が205発、対人型が841発、まだ自爆していない姿で発見されている。つまり、ハイテク地雷の自壊機能とやらは、まったく信用ができない。
 ※地雷外殻には必ず炸薬まで通ずる小孔を最初から穿ち、出荷状態では薄い有機フィルムで塞いでおき、敷設して半年でそこから湿気や昆虫が容易に中に入るようにしておくのが根本解決になる。炸薬には昆虫が好む成分を混ぜる。雷管回りの伝爆薬には、アンフォ爆薬のように、吸水すると固化して着火しなくなる成分を意図的に用いる。乾燥地の住民は、地面を耕す前に散水すれば、この地雷は不活性化する。場所が分からなくても、蟻の行列が教えてくれることもあるだろう。シナ人の工場主さん、読んでくれたかな?
 1991-1-30に第11海兵連隊の第5砲兵大隊は、155ミリ榴弾砲×3門を使い、サウジ国境に点在する味方哨所と哨所の空隙に、850発の地雷を撒布した。
 米軍が大砲を使って地雷原を構成した、これまで唯一の実例。
 国務省によれば、湾岸戦争以降、米軍が地雷を使ったのは2002年のアフガニスタンにおいて、たった一度(=1個だけ!)しかないという。
 米軍は1950年代開発のクレイモア地雷を多量にストックしている。これはトリップワイヤーにも結び付けられるし(獲物作動式)、視発式(手動作動式)にもできる。国防総省は、できるだけ視発式にするように指導している。
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 ストラテジーペイジの2018-11-14記事。
   珠海で発表。直10ヘリコプターに、グラフェン装甲が貼り付けられました。
 詳細発表なにもなし。硬くて軽い、というのみ。
 グラフェン装甲は、まだ英国企業の「グラフェン・コンポジッツ」社しか実用化はできていない技術である。
 GC社は、ジェルにグラフェンシートを浸潤させ、それを5枚重ねにすることにより、0.357インチマグナム弾をストップできる超軽量素材を完成した。
 その素材をさらに重ねていけば、ライフル弾も止められる理屈。
 シナ企業はジェルではなく、セラミクスでシート1枚づつ包み込んだようである。この技法は、チョバム・アーマーからヒントを得たのであろう。
 直10は失敗作である。南アやロシアからの技術窃盗にまず失敗。14年以上、自力開発に苦しみ、2013から量産に移ったとアナウンスされたものの、シナ陸軍が118機注文したうち、現在まで、引き渡されているのは10機のみ。1個スコードロン(12機)にも足りていない。
 しょうがないのでシナ陸軍は、軽量な直9型偵察ヘリに無理に武装させた直19を整備している。4.5トンしかないヘリだ。
 シナ軍は、アパッチの対抗機が欲しかった。アパッチの総重量は10トンだ。
 直10は7トンだが、なんとか対抗できると期待された。
 グラフェン+セラミクスの問題は、1発被弾すると、必ず割れてしまうこと。だから、防弾ベストのインナー材なら、交換すればいいだけだが、車両や航空機の防弾板としては、困る。
 シナ企業は直10をパキスタン陸軍に売り込んだ。テストしたパキ軍はこりゃダメだと悟って、イタリア設計・トルコ製造の「T-129」を買うことに決めている。
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 Charlotte Jee 記者による2018-11-14記事「Google’s decision to absorb DeepMind’s health division has sparked privacy fears」。
    ロンドンのAI企業「ディープマインド」社をグーグルは2014年に5億ドルで買収した。
 「ディープマインド」は2016に「アルファ碁」で人間との勝負に勝ったメーカーである。
 同社はその後、「遠隔診断AI」の開発に乗り出していた。グーグルがそうさせているのだ。
 モバイル端末用の「ストリームズ」というアプリケーション。医師や看護士が、患者のリアルタイムデータを読み取らせると、AIが助言してくれる。
 ディープマインドは、親会社にはそのデータは提供しないと言っているが、人々は疑う。グーグルは、とうとう人々のカラダの中味までも、地図のように把握するであろう、と。
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 David Hambling 記者による2018-11-14記事「The US military is testing stratospheric balloons that ride the wind so they never have to come down」。
   DARPAが考えている成層圏静止気球。高度1万8300mまで昇騰できる。
 じつは高空では、高度によって風向が違うから、エンジンがついていなくても、巧みに高度を変えてやれば、地上の特定点の真上に、ずっと静止し続けられるはずだ。
 マシンラーニングするAIにより、それは実現する。
 機載の、高性能長距離風向メーターにより、下層や上層の諸高度の風向を正確に自律観測。同じ水平座標にとどまるためはどの高度に移るのがよいか、昇降戦略を自律計算してそこへ行く。
 風向計はNASAが開発したもので、パルスレーザーを使う。
 その反射光には、風由来のドップラー効果が作用している。だから遠くの風向と風速を読み取れる。
 実験では、14km先の空間の風速を、秒速1m以下の誤差で測定ができた。