これは、味方の空中給油機の盾となり、かつ、敵のS-400や長射程AAMを無駄に射耗させてしまう役に立つ。
長大SAMであるS-400の無駄射ちは、貧乏露軍にも金満シナ軍にもコタえるはずだ。
敵の「S-400」の1発よりも囮機が安く量産できるならば、どちらに歩があるのかは自明だ。
この囮機は、堂々と対米輸出ができるだろう。コスパがよければ、日本企業がペンタゴンから表彰される。
ただし、あらかじめ敵に知られている囮は、ライブラリ化されて、AIで弾かれてしまう。だから、囮は、実戦のときまで、近場の演習で飛ばしてはならない。
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Anthony Patrick 記者による2018-12-26記事「Options for Countering the Rise of Chinese Private Military Contractors」。
※記者は現役海兵隊将校。
中共版のPMCの著しい特徴は、ほぼ全員が、元軍人か武警だということ。
中共がそのPMCをどう用いるつもりなのかは不明なれど、おそらくシリアでロシアがしている流儀をモデルとするであろう。
※人民解放軍の退職者の間で、年金の不満がこれから強くなるはず。習近平はそれを宥めねばならない。そのためにPMCが受け皿として利用されるだろうと思う。軍に対しては腐敗の温床たる副業を厳禁する一方で、PMCには副業を公認してやれば、国家予算はかからない。ただし、長期的、結果的に、中共圏内には「軍閥」が用意されるだろう。
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VLADIMIR ISACHENKOV 記者による2018-12-26記事「Putin crows as he oversees Russian hypersonic weapons test」。
26日にウラル山地南部に位置するドムバロフスキィ・ミサイル基地。そこからアヴァンガルドという車両システムから新型ミサイルが発射されて、カムチャツカのクラ射爆場に着弾した。飛距離は6000km。
プーチンは現場に臨場せずモスクワの国防省内でモニターしたのみ。
プーチンの声明。誰にも迎撃できないこの核兵器を来年、戦略ミサイル軍に実戦配備する、と。
ことし3月の説明では、このミサイルの飛距離は大陸間規格に相当すると。
※すなわち5500km以上あればINF条約とは関係がなくなる。それをこのたび、証明せしめた。
またプーチンによる説明。アヴァンガルド・ミサイルは、大気圏内を〔マッハ20で〕飛行中、摂氏2000度に耐える、と。
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2018-12-24記事「Satellite images reveal Beijing’s new weapon installed in South China Sea」。
民間衛星写真で判明。パラセル諸島上に中共軍が新型センサーを設備した。
「ボムベイ・リーフ」北岸に、レドームとソーラーパネルが確認できる。
監視団体によるとレドームは「オーシャン Eステーション」と呼ばれるものらしく、これらは中共が南シナ海全域を網羅させるつもりの「ブルー・オーシャン・情報ネットワーク」のパーツである。
建設は4月から6月の間になされたと推定できる。
このレーダーのメーカーは中共国営のCETC社である。すでに他に2箇所、建設済み。
ボムベイ・リーフは、スプラトリーとパラセルの間の航路帯を見張るのに屈強のロケーションにある。レドーム内にはシギントとエリントのパッシヴ機材がある筈。
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ストラテジーペイジの2018-12-26記事。
ことし発表された中共メーカーの「QN-506/ZPT99」火力支援車。
T-59戦車のシャシを利用し、無人砲塔を搭載。
乗員は3名に削減。ドライバー、車長、センサー操作員。
武装は30ミリ機関砲以下、いろいろ選べる。
「S570」という、プロペラ駆動の小型無人ミサイルは、4連装で、垂直に放出され、10km先まで飛翔しつつ10分間滞空でき、偵察情報を電送し、最後に目標に突入する。
ZPT99の総重量は30トンに抑制されている。
市街地での対ゲリラ戦に使うことを想定している。
ZPT99は、ロシアの「BMPT 72」にインスパイアされたものだ。ただしこちらはT-72戦車のシャシを使い、乗員は5名。総重量48トンもある。本格的な重対戦車ミサイルのプラットフォームなので、専用誘導員が必要で、しかも同時に機関砲やMGや自衛用30ミリ自動擲弾発射機等にも人を張り付けて常に全周を警戒させておく必要があるためだ。
「BMPT 72」は2016年にシリアへ送られている。2010年から輸出されており、カザフスタンやアルジェリアが買っている。
もともとロシアはこの車両を戦車部隊の護衛用だと位置づけていた。
かたや中共は、単独で市街地暴動鎮圧に使えると考えたわけ。
※アルマタの発想は「BMPT」から派生したのか。