もしAIが人並みな「感覚」を持つに至ったら、自分用に「電気麻薬」を発明して浸る。働いたら負け、と気付くだろ。

  Matthew Cox 記者による2019-1-12記事「Smith & Wesson Unveils New Customized .38 Snub-Nosed Revolver」。
    今月22日~25日、ベガスで開催されるショットショーにS&W社が、ハンマー包摂型フレームの.38スペシャル×5連スナブノーズリボルバーを出展する。
 「モデル442」という。
 前からあるスタイルなのだが、各部を一層洗練し、素材も良くした。
 常に拳銃を目立たぬように身につけている必要のある人たちのための、軽量な商品だ。市販単価742ドル予定。
 同様の需要者向けに、グロック社も、1列弾倉で全体をスリムにまとめたオートマチックをお披露目する。
 ※これは自衛隊向きかもしれない。SIGの後継たり得る。
 次。
  Mark Thompson 記者による2019-1-10記事「The U.S. Navy’s Titanium “Tin Can”」。
    しばしばペンタゴンは、ある計画が「止めるにはもう遅すぎる」段階を過ぎてしまうまでは、破綻含みの計画や評価と見通しを「語るには早すぎる」と言い続ける。
 ふつう、新型艦には、3つか4つの新技術を盛り込む。ところがDDG-1000=ズムウォルト級の場合、一挙に11の新技術を詰め込む計画であった。
 レーガン政権は600隻海軍をめざすとした。じっさい、ピーク時の1987には594隻にもなった。それが2015年には271隻に減ってしまった。その背景のひとつは、ズムウォルト級計画の惨憺たる大失敗にある。
 米海軍は毎年、180億ドル以上を、艦艇の調達に使っている。
 そしてペンタゴンの最新の価格算定。ズムウォルト級は、1隻の単価が、78億3083万3333ドル強である。これがぜんぶ、無駄だったら? トランプの訴える355隻体制なんか、できるわけがない。
 ズムウォルトに搭載する口径155ミリの艦砲は「AGS」といい、当初、射程が100海里(185.2km)あると宣伝された。その大砲部分だけでも重さ200トン。
 ところが2007年になると、海軍は、AGSの射程は83海里だと言うようになった。そして今では、63海里(116.6km)に下方修正されている。
 AGSから発射するタマの単価については、2004年時点ではロックマート社は、3万5000ドルだと言っていた。
 それが今では1発100万ドルに近づいている。トマホークミサイルより短射程なのに、トマホークミサイルと同じくらいの値段なのだ。
 ズムウォルト級が艦内に搭載するこの弾薬の定数も、当初計画は750発としていたが、現実には300発になっているようだ。
 「LRLAP」と呼ばれる特殊な155ミリ砲弾は、長さが7.3フィート、重さは225ポンド。そして、陸上でモスボールされている。つまり、ズムウォルトには1発も搭載されていない。
 LELAP以外のタマも搭載されていない。つまりズムウォルト級の3隻は、玉無しの状態である。米軍の戦力外なのだ。
 ズムウォルトのレーダー反射は漁船並といわれる。
 ズムウォルト級は、注水操作により、乾舷を臨機に3フィートだけ減らすことができる。ただでさえタンブルホーム型なので、この「沈み込み」によってますますレーダー反射は少なくなる。
 しかし老練な船乗りから見て、タンブルホーム型の船首形状はおそろしい。外洋では、頻繁に、おびただしい海水を、甲板や艦橋に浴びることになるはずだから。 ※いや舷側からも艦尾からも波をかぶるだろう! 落水不可避じゃないか。
 もし艦尾から追い波がきているとき、艦首が沈んで艦尾が水面上に浮き上がった瞬間、タンブルホーム型の軍艦は、前後軸に対する横方向の安定性を喪失し、転覆するおそれすらある。 ※回航中の『畝傍』の沈没原因じゃないかと考えられている現象だね。ところで『畝傍』の残骸はいつになったら見つかるんだ? 場所はスプラトリーの浅海面だぞ。
 ズムウォルト級の上構(4階建て構造)は、それだけで1000トンの重量がある。
 当初計画では、赤外線輻射とレーダー反射を減らすために、鈑金ではなく、厚さ2~3インチの、バルサ材をカーボンファイバーでサンドウィッチしたものを使う予定だった。しかしこの案は2013に放棄され、スチール製上構に改まった。結果、船体の各所で重さ減らしの肉抜きをやらねばならず、トップヘヴィーにもなってしまった。 ※複合素材ではとても激浪の打撃を堪えられない。スチールですら曲がるのだから。
 ズムウォルト級は、電動スクリューとすることで、プロペラシャフトを廃止し、メンテナンスの手間を省こうとした。
 だがなぜかシャフトその他からの漏水が絶えない。
 ズムウォルト級は、アーレイバーク級よりも100人(25%)、乗員数を減らすことが目標にされていた。
 軍艦にとって、人件費がどれほどデカいか。1998年に米海軍制服ナンバー2のピリング提督が証言している。もし駆逐艦の乗員を95名、削減することができたとすると、その駆逐艦のライフサイクルコストは、70%も減ることになる、と。
 いま、ズムウォルト級には175人が乗艦している。これは当初計画の倍に近いが、それでもバーク級の半分だ。
 米海軍では、艦の指揮に任ずる将校連を「黒靴」と呼ぶ。海軍飛行兵は「茶靴」である。潜水艦乗りは「泡頭」と呼ばれる。これは着物からではなく、潜航時のあぶくが印象的なので。
 レーザー高角砲は、飛来する敵のミサイルに、連続2~5秒、当て続けないと破壊できない。超音速ミサイルだと、その時間で3.5海里(6.5km)、接近する。
 より強力なレーザー砲ができれば、飛来する敵のミサイルを、艦から18海里(33.3km)離れた場所で撃墜できるだろう。 ※というか、それ以遠では水平線の下になるから、理論的に撃墜できない。これは理論上の最大値だ。
 すでに2009年の時点で指摘されていたこと。
 電化が進んだ軍艦は、もし主電源喪失すると、水の冷却ができなくなる。冷却ができなくなると、コンピュータ用の電源が確保されていても、コンピュータは数秒内でシャットダウンされる。というのも、過熱で自己破壊するのを防ぐために。
 この状態から短時間に回復することはできない。そのフネは死んだも同じ状態で漂流するほかないのだ。
 ※昨年の北海道ブラックアウトでは、風力発電タワーも何の役にも立たず、シャットダウンされた。そしてなんと、それら風力発電を再開するためにも、外部電力が必要だと判明した。もうね、アホかと……。