キツネの足は4本あるのに、足跡は必ず1條に収斂す。氷結湖上にこの條痕が描く模様の面白さ。

 Geoff Ziezulewicz 記者による記事「Worse than you thought: inside the secret Fitzgerald probe the Navy doesn’t want you to read」。
      ブライアン・フォート海軍少将が、事故調査のため『フィッツジェラルド』のCICルームに入ると、そこはゴミが散乱し、小便の臭いが鼻をついた。
 床には、筋力鍛錬器具のケトルベル(鋳鉄ボールに薬缶状の取っ手がついたもの)や、小便入りのボトルが散乱していた。
 いくつかのレーダー管制装置は動いておらず、あきらかに、乗員はその操作方法そのものを知らなかったらしい。
 VMS=航海マネージ・システムは、悪い状態だった。
 ほんらい、紙の海図なしで航路が自動算出される便利なコンピュータだが、艦長の席近くのその機械は壊れており、カニバリズム修理が試みられていた。
 2015年いらい『フィッツジェラルド』には操舵員の兵曹長が欠員で、航海を安全にするために水兵たちを教導すべき者が不在だった。
 フォート少将の総括。『フィッツ』は将校たちが無能であり、上下とも規律が弛緩してしまっており、任務に忙しすぎて、乗員がまともに訓練される時間も、機械類の修繕をしてもらう時間も、与えられていなかった。
 『フィッツ』の将校たちは、ライフセイヴィングの講習にも無関心だった。事故の6週間前に佐世保の近海で『クリスタル』の衝突事故があったのに。
 『マケイン』の事故調査の詳細は、まだ関係文書が非公開扱いとなっている。
 『フィッツ』のCICルームの長は、中尉のナタリー・コームズであった。彼女の机上には山のようなペーパーワークが……。おそらく、「海軍作戦部」のための報告書作りに忙殺され、『フィッツ』衝突前3時間半のワッチには集中はできていなかっただろう。
 前の艦長のロバート・シュー(Shu)中佐のときからの悪習。艦橋当直の中尉が、周囲に民間船舶が多すぎて混乱しているような夜間にも、艦橋にはいないですぐに自室に引っ込もうとする。
 これでニアミス事案(対馬海峡のすぐ東)も起きていたが、反省は活かされなかった。
 『フィッツ』では、混雑した海域を夜間に航行するときも、艦長/副長がブリッヂにいないことが常態化していた。
 ベンソン艦長は、艦長になって相模湾より外洋へ出たのは初めてだった。
 にもかかわらず、艦長も副長も、夜間に民間船だらけの横須賀海峡を通過するときですらも、ブリッジにはいなかった。どうかしている。
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 SETH ROBSON 記者による2019-1-14記事「Pair of Chinese firms eye Subic Bay shipyard, causing alarm in the Philippines」。
     比島のスビック湾内にある巨大造船所。いまは韓国のHanjinグループが所有しているが、これを中共の2つの会社が買収しようと交渉中。
 「Hanjin Philippines」社は、4億1200万米ドルの債務不履行をやらかした。同社には韓国人たちが9億ドルを貸し込んでいるが、さいきん、破産を宣告された。
 中共のメーカーがこの比島の大造船所を支配するためには、比島の資本とパートナーにならなければならない。
 たぶん、ドゥテルテの息のかかった企業が組むことになろう。
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 ストラテジーペイジの2019-1-14記事。
  このたびのF-35大量発注は、日本が国産の「X-2」などは諦め、F-2もまたF-35でリプレイスしてしまう決心を下したことを意味する。
 米海兵隊の調達価格だと、F-35Bは、1億3500万ドル也。