AH-1の導入そのものが、どうかしていた。

 近頃、これほどショッキングな発見は、ないです。
 AHについて調べれば調べるほど、このウェポンシステムは、わが国の地政学環境と最初から整合していなかったことが知られる。
 露探の内部工作員にまんまとしてやられた我が外務省が「国後島ヘリボーン奪回作戦」を5Dの解体によってありえなくした時点で、コブラの「唯一絶大だった効能」も、消失したといえるでしょう。
 「防禦」の効能は無かった。それはイスラエルもシリアも実証していました。「アタック・ヘリコプター」とは言い得て妙だったのです。
 尖閣を含め、離島を「防禦」したくば、AHはカネの無駄です。そして北海道じたいが「離島」でした。
 いままでAHを関心外に置いていたため、こんな重大問題に、気づかずに過ごしてしまいました。申し訳ないです。
 あっと驚くAH-1の最適任務は、1機または2機1組で敵地へ飛び、ピンチにある味方将兵を1人(米軍の実例)~4人(イスラエル軍の実例)、ピックアップして飛び戻ること(スキッドに乗せて、機体側面にしがみつかせる)であるように見えます。この意外に役立つ用途が残るゆえ、今ある分を急いで全部捨ててしまうには及びません。
 次。
 ストラテジーペイジの2019-1-19記事。
   潜水艦の魚雷発射管から円筒カプセルを放出し、それが海面まで浮いたところで中から対艦ミサイルのハープーンが飛び出す、この装備をENCAPという。
 発射位置がバレバレになることと、ソ連海軍が消滅したことから、米海軍は1997にモスボールしてしまっていたこの装備を、あらためて対支用にリファービッシュして2018に久々に潜水艦から発射する試験を米海軍は行ない、それは機能した。
 ENCAPが廃止されようとした理由のひとつに、「もうじき対艦用トマホークができるから」、もあったのだが、対艦用トマホーク計画も中止になっていた。
 最新のハープーンである「ブロック2+ER」は、レンジが300kmもある。
 ※これを地対艦ミサイルとして導入したら、宮古海峡273kmは閉塞できるか? ハープーンの飛翔速度が800km/hだとすると、沖縄本島南端から発射して宮古島の北岸まで21分で到達する。しかし支那艦艇は30ノットを出せばその21分間のうちに56km移動できる。まあそれで駆逐艦の燃料は尽き果てるだろうが、とりあえず巡航ミサイルは逃れられるかもしれないわけ。低速で飛翔する地対艦巡航ミサイルは、レンジが1500kmくらいもなければ、じつはコスパが悪いのだ。したがって、列島線の突破は絶対に無理じゃと敵をして信じさせたくば、我がほうが超音速の「対艦弾道弾」を持つか、「オムニプレゼンス航空機+空対艦兵装」の組み合わせで事実上の無限レンジを実現せぬことには、チト間に合わぬ次第也。その安価フレキシブルな航空機として、わたしはスーパーツカノを推す。同機は1パイロンに最大351kgしか吊るせないので短魚雷も無理だが、310kg弱のマヴェリックなら可能だろう。A-29はA-10代用なんだし。
 米海軍はこの2月に、17隻目のヴァジニア級SSNを就役させる。
 ようやく建造スピードがあがってきて、これからは毎年1~2隻のペースで旧ロサンゼルス級を更新できる見込み。
 ロサンゼルス級はまだ32隻が現役。