新君主論!

 Megan Eckstein 記者による2019-4-23記事「Marines Folding F-35B into New Pacific Island-Hopping Concept」。
       沖縄の海兵隊が、F-35Bを「飛び石作戦」に組み込む訓練を先月中旬から始めた。F-35Bの着陸訓練施設のある伊江島を使って。
 伊江島での訓練シナリオ。まず先行偵察チームが空挺降下して最前線の小島に着陸スペースを確保する。ついで、弾薬や燃料容器〔記事中の海兵隊員は燃料嚢と呼んでいるが、この給油装置の外見はゴム袋のようなものではない〕を機内に複数積み込んだCH-53Eが飛来する。そこがF-35BのためのFARP=前線燃弾補給点 となる。
 ※シースタリオンの機内荷室に置いた2400ガロン・タンクから陸上にてシーコブラへ加圧給油してやる Rapid ground refueling の技法については、拙著『日韓戦争を自衛隊はどう戦うか』の第3章で解説しているから、参照されたい。今回海兵隊は、それをそっくりF-35Bに適用しているのである。 わが国は群島国家ゆえ、 rapid ground refueling を前提とするなら、海自の空母などは要らないことになると考えるのは合理的で、だからこそ防衛省はこの技法が昔から海兵隊にあったことを宣伝しないように気をつけていたかもしれぬ。しかし、沖縄左翼が中共の手先となって島を乗っ取った場合には、島の陸地に依拠しない主権奪回オプションも必要になるだろう。
 この着陸間給油用増加タンク装置はMV-22Bの荷室にも積載できる。しかし沖縄海兵隊では、CH-53Eに積載するのが一番良いと結論している。
 E型の次のK型(キングスタリオン)が配備されれば、もちろんその方が良くなる。
 F-35Bに給油をしている間に、兵装も取り付けてしまう。
 海兵隊が土地を借りている伊江島の西部には、強襲揚陸艦の飛行甲板に模した施設もある。シースタリオンはそこから離陸し、FARP訓練区画に着陸して、燃弾補給を演練する。すなわち、洋上から島へ、のシミュレーション。
 また、沖縄海兵隊は、加農砲搭載型のLAV(装輪戦車)複数を『LHD-1 ワスプ』の飛行甲板に繋止し、その火力によって敵と交戦するという訓練も実施した。そのさい、海軍の艦長が、海兵隊の火砲を統制的に指揮したのである。
 ※間違いなく自衛隊でも同じことをやってみるつもりだろう。『いずも』を改装するときに、昔の『赤城』のように多段デッキにして、邪魔にならぬように中層甲板から装輪戦車が射撃するようになったら、「舷側砲」の復活じゃ。
 LAVの火砲にはジャイロ・スタビライザーがついているので、艦のピッチングやローリングには関係なく、正確な射弾を標的へ送り込むことができたという。
 今年の予定だが、台風シーズン後に沖縄海兵隊の一部はテニアン島へ出張し、建設作業を支援する。
 比島で行なわれるハマンダグ演習には、米海兵隊だけでなく、日本の新設の水陸両用急速展開旅団も加わる予定。
 そのさい陸自部隊はAAV-7で上陸もする。
 防衛省は、表向き、医療チームをAAV-7で送り届ける、という公報をするはず。すなわち人道支援・災害救恤の一環である、と。
 自衛隊の課題は、陸自ユニットとそれを運ぶ海自艦隊との融合がぜんぜんできてないこと。
 ※ジョイント主義ではけっきょく縄張り争いになって何ひとつ望ましい成果が生じない。クロスドメインで行くしかないのである。陸が海空の領域に出張する。海も陸の領域へ出張する。それでいいだろう。
 『ワスプ』にはすでに自衛官が乗って、飛行甲板での作業手順を学んでいる。
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 Scott Padgett 記者による記事「The Art of Digital Deception ? Getting Left of Bang on Deep Fakes」。
      スペイン語で「トロイの馬」のことを キャバロ・デ・トロヤ という。この言葉は、スペイン語圏人の耳には、とてもイメージ喚起力が強いのである。
 それをよく知っているロシア人は、サンクトペテルブルグのトロール工場、正式略称IRAをして、「アメリカからの人道支援はすべてトロイの馬だ」というディープフェイク投稿をAI技術で量産せしめ、ベネズエラ中心にSNSに大量投下させた。大成功。
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 APの2019-4-24記事「Texas soldier who stole and resold shell casings to buy food truck gets prison」。
     米陸軍予備隊のバンクヘッド一等軍曹、57歳。
 こやつは2017から翌年にかけ、偽の文書を作製した上で、サンアントニオのキャンプブリスで使用済みの空薬莢を、トン単位で民間の金属回収業者へ売り払い、その代金11万8000ドルを着服。
 そのカネで、バーベキュー屋台のトラックを購入して副業に励んでいた。
 判決。懲役33ヵ月。プラス、着服金の全額返納。