自動車輸出税を取り立てて「メキシコ国境壁建設ファンド」に充てるともちかければ数量規制はかかるまい。

 Rod Nordland and Thomas Gibbons-Neff 記者による2019-5-15記事「Spies, Stealth and Threats: How Militants Infiltrated a Vital Army Base」。
        タリバンのゲリラがアフガニスタン政府軍基地に潜入する方法。下水搬出用の水槽車のタンクの中に潜んでゲートを通過。あまりに臭いので内部が仔細にチェックされることはない。そして基地内の無人倉庫内に隠れ住む。
 二重のフェンスで囲われている場所も、1つの梯子でどちらも乗り越えられてしまう。中間無人帯を見張るはずの監視塔の哨兵は、夜は舟を漕いでいる。
 大概は基地内部に中佐とか軍曹級の友人がいて、警備のどこに隙があるかを教えてくれる。
 ヘルムランド州にあるキャンプ・バスチョンは、もうタリバンに三回も基地内への侵入を許している。最近のは3月1日で、基地内の23人が殺された。米軍がかけつけてCASの掩護も受けつつ奪回したのが20時間後。すなわち米軍がいなかったらこの基地は乗っ取られていた。
 アフガン政府軍兵士は、タリバン・ゲリラの200倍も居るのに、自分たちでは始末ができない。
 キャンプバスチョンを襲ったゲリラは20名から30名と見られる。
 ゲリラはまず基地内のアフガン政府軍兵士を捕えて案内を強制し、基地の奧にある指揮センターをめざした。そこには米軍顧問が詰めているからである。
 3月1日にはほぼ同時に、40マイル離れたサンギン地区の米海兵隊基地、キャンプノライもゲリラに襲われた。こっちはすぐに海兵隊が撃退した。
 キャンプバスチョンの中にも米海兵隊の狭い居住区(約300人)があり、そこは、基地内でインサイダーアタックを受けても持ちこたえられるような要塞式縄張りになっている。赤外線カメラで、ゲリラの動きはよく見えたという。
 このゲリラ攻撃、米軍は、事前兆候の偵知に全く失敗していた。
 また、襲撃開始直後の数時間は、天候が悪く、CASを頼めなかった。
 キャンプバスチョンはそもそもWWII直後に英軍によって建設された。
 現在、基地の広さは12平方マイルもあり、3万人が起居し、アフガン人将兵に訓練を施し、アフガン西部方面での作戦の指揮所でもあり、長さ2マイルの滑走路×1からは連日600ソーティが送り出されている。
 2012-3に爆薬満載のSUVが外柵をブチ破って突入し、自爆。居合わせた米軍と英軍の将官たちは危ういところだった。その数分後、パネッタ国防長官が基地に飛行機で着陸したのだ。
 ついで2012-9、タリバンの挺進隊が鉄線鋏を使って潜入し、米海兵隊所属のAV-8Bハリアーを6機破壊。残りの2機も小破させ、ハリアーの1個飛行中隊を一夜にして全滅させた。
 飛行隊長のレイブル中佐も戦死。事後の調査で、2名の海兵隊将官が懈怠ありとされクビになった。
 米軍はこの基地を2014にアフガニスタン政府に引渡し、そのさいキャンプショラブと改名されている。
 2015に同基地司令官は馘になった。基地内に所在せぬ数千名のアフガン将兵の給与を政府に請求してネコババしていたので。
 どうしようもないのでまた米軍が戻ってきた。数百人の特殊部隊の教官たちと、300人の海兵隊である。
 2017年3月にはアフガン政府軍司令官のファキール将軍が逮捕された。糧食・弾薬費をネコババしていたことがバレた。
 のみならずこやつは暗視ゴーグルやレーザー照準器を闇市場に流していて、それをタリバンが買って夜間作戦能力を向上させていた。
 ファキールは現在、懲役5年に服しているところ。
 前の基地司令のアリシャンガイ大佐は優秀で、任期の4年間にゲリラ襲撃事件はひとつもなかった。
 その後任のサラジはなんと、軍曹である。軍曹なのに基地司令官。彼はアフガニスタン政府の高官たちと太いコネクションがあるために、抜擢してもらえたのだと。
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 Kayla Kibbe記者による2019-5-16記事「Teens Are Buying Burner Phones to Dupe Their Parents」。
     バーナー・フォン(burner phone)は、米国の女子高校生が簡単に買えるプリペイド携帯電話である。
 たとえば夜8時以降は子供にスマホを使わせないという親は米国にも多い。その約束を破ればスマホを何日か取り上げてしまう。そうなると高校生の娘はどうするか。学校に行けば、バーナー・フォンを売ってくれる友達がいるのだ。
 ロッカーの中に「商品」を在庫させて、いつでも注文に応じられる「売人」生徒が、ほぼすべての高校に存在するのだ。
 ※この記事は『WSJ』記事の要約らしいが、今WSJはフリーアクセス閲読はできないので、ネットでバーナー・フォンについて調べてみた。バーンとは、プリペイドフォンを(通話記録を訴追証拠とされない用心として)1週間ぐらいで捨てる、その行為のことを言う。よって「バーン・フォン」でも通じる。もともと米国の麻薬ディーラーがこうしたプリペイドフォンの使い方をよくしていた。しかるに加州のベンチャー「Ad Hog Labs」社は2012~2013年、iOSやアンドロイドのアプリとして、「バーナー・フォン」というアプリを一般人向けに発売開始したのだ。これを購入すれば、北米内であれば、本来所持している自分のスマホとは別に、使い捨ての(誰も知らない任意の新規番号の)携帯電話機が使えるようになる。イメージファイルも送受できるし、合成音声メッセージもやりとりできる。そんなところが犯罪者にも愛される由縁か。ただしメーカーでは、正規の令状があれば警察に通話記録は開示すると標榜している。……面白過ぎるので是非月刊『BAN』で特集して欲しい。今米国で起きていることなら数年後に日本で起きるだろう。
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 ストラテジーペイジの2019-5-16記事。
    ベトナムでの対米交渉が無成果に終わったと分かったとたんに、海外で複数の北鮮高官が亡命をしたらしい。詳細は今のところ秘密が保たれている。
 3月以降、満洲駐在の北鮮公安幹部7人が亡命。
 最初に3人が逃亡。
 それを捕殺するためのチームが送り込まれたので、ビビった残りが逃亡。
 いずれも海外での金儲け事業を担当していた連中で、それなりに私腹を肥やしていたのだ。
 北鮮政府は現在、1982年いらいの少雨だと公表している。
 これが意味することは、旱魃、飢饉だけではない。
 水力発電所が機能しなくなるということなのだ。今年の北鮮は、今まで以上に真っ暗な夏を迎えるはずだ。
 すでに北鮮内の一部地域では、1日にたった1時間しか、電力が送られて来なくなった。
 ガソリンの小売り価格は、1ガロンあたり30ドルを越えているようである。 ※おぼつかないが、リッター725円以上ってこと?
 電力が得られず、燃料も高いということは、石炭の掘り出しが不可能ということ。したがって外貨も得られない。
 ※対北鮮戦争では「ダム破壊」がいちばん有効だということか。そうとわかったら、ダム破壊専用の巡航ミサイルも開発しておいた方がいいだろう。渇水期を狙えば人道法にも違反しない。
 この4月に、北鮮軍の兵営で新兵150人が食中毒。市場に出せないような汚染された素材が糧食として軍営内で供されていた。
 5月14日、ソウル上空を米軍のRC-135が飛行。
 北鮮の1万7000トンの貨物船はサモア沖の公海上で拿捕された。サモアの一部は米領である。
 米国の解釈ではこの公海上の拿捕は合法なのだという。
 北鮮では、臨検・摘発はされても拿捕まではされまいと高をくくっていた。だから太平洋のどまんなかを航海させていたのだ。
 平壌で4-30に贅沢品百貨店が新規オープン。内部は自由撮影できる。すなわち、国連制裁なんて効いてないよという宣伝。
 4-13にイスラエル空軍は、シリア西部ハマ州の、イラン製ミサイル貯蔵庫を爆撃した。
 噂によればこの施設はただの倉庫ではない。北鮮人とロシア人がイラン人と共にそこで核兵器システムのリサーチをしているのだという。
 爆撃で北鮮人技師も死亡した可能性がある。
 ※兵頭が『日本の武器で滅びる中華人民共和国』で「S520」ベースの対艦弾道弾(ソリッド弾頭)をこしらえろと主張したのが、2017-1下旬。前後して雑誌にも寄稿した。韓国はそれに反応してたちどころに「パーシングII」もどきの「玄武2C」を実験しているのだから、スピード感が中共並になってきた。