吸着機雷の不発弾が物証として押さえられた。これでイランと戦争だ。

 JON GAMBRELL 記者による2019-6-13記事。
 この報道の段階では、2隻のタンカーがどんな兵器によって攻撃されたのか、不明。
 5月に米国は、イランが吸着機雷を使って4隻のオイルタンカーをUAEのフジャイラ港沖で攻撃したと非難していた。
 イラン外相は、もちろん木曜日のタンカー攻撃への関与を否定し、このタイミングが疑わしいと言った。日本の首相がイランの最高アヤトラとテヘランで面談したのが同じ日なのである。
 1987年から88年まで、イランとイラクは「タンカー戦争」を続けた。そのさいイランは機雷を撒いている。米海軍はその折、危険海域でタンカーのエスコートを実施した。
 一報に反応し、原油市場価格のベンチマークである「ブレント」は4%、値が上がった。※ここひと月ほど、ペルシャ湾で「米 vs.イラン」の戦争が始まるのではないかと懸念されていたので。
 攻撃は現地の「夜明け」の時刻に起きた。イラン南岸からは25マイル離れている。
 ※吸着機雷は、破壊対象艦船が港湾に停泊中に、フロッグマンによって吃水線下に仕掛けるものである。タンカーが動き出すと水流によってミニプロペラが回って安全装置が解除され、港を出たはるか後で轟爆する。したがって爆発原因が何なのか、すぐにはわからないのである。犯人も特定し難くなる。しかし一般に、炸薬量は、フロッグマンがなんとかできる重さにすぎないので、大型タンカーを撃沈するほどの力は無い。とはいえ今回、1隻に複数個を吸着させていることがハッキリした。数が多くなれば、最悪、沈没もあり得る。
 1隻はノルウェーのタンカー『Altair』で、UAEからナフサを積み取って台湾へ向けて航海中。
 この船から救難要請無線が発せられた直後、こんどはサウジとカタールからメタノールを積み取ってシンガポールへ向かって航海中の日本の『国華カレジアス』からも救難要請無線が。
 米第五艦隊の駆逐艦『ベインブリッジ』が現場に向かっている。
 ノルウェー・タンカーを運航している会社「フロントライン」によると、タンカーの乗組員は、ロシア人、フィリピン人、ジョージア人など23人。全員、付近にいた『ヒュンダイ・ドゥバイ』という船に移乗した。
 『コクカ』の運航会社であるBSMシップマネジメント社によると、乗っていた21人のフィリピン人たちは全員、『べインブリッジ』に移乗した。
 ところがイラン国営テレビは米セントラルコマンドがそれを発表するより先に、44人の水夫たちがイラン南部ホルモズガーン港に移されたと報道し、話が食い違っている。
 APが、世界の船主で作っている大きな協会「BIMCO」の安全担当の人に尋ねたら、攻撃に使われた兵器は機雷ではないかと。
 魚雷ではないだろう。魚雷ならもっと破壊的だから。ボートで運搬したIEDかもしれないし、吸着機雷かもしれない――と。
 一人の米政府オフィシャルいわく。『Kokuka』を損傷させた兵器はイランの機雷だ。先月にUAE沖でタンカー複数を攻撃したのと同じだ。
 イラン、オマーン、UAEに接する海面はとても広く、夜間は月光しか照明は無い。小型舟艇は夜間であれば、気づかれることなく、簡単に大型貨物船に接近することができるのだ。
 港にも平時から漁船やプレジャーボートも含めて大小無数の船舶が右往左往しているので、その1隻ごとにいちいち監視などしていられない。
 イランは重水も製造しているが、米国の経済制裁により、それを輸出することはできない。
 日本の経済産業大臣は、タンカーは2隻とも日本と関係がある荷を積んでいたと語った。その詳細説明は無し。
 水曜にロウハニ首相と会談したあと安倍は、ワシントンとテヘランの間で緊張が高まっている中、偶発的紛争は防がなくてはならないと語った。そのメッセージの数時間前(夜明け前)に、イランが後援するイエメンゲリラのフーシがサウジアラビアの空港に地対地ミサイルを命中させ、到着ゲートで26人を負傷させた。
 ハメネイのウェブサイトによるとハメネイは安倍にこう言った。もし我々が核兵器を製造しようと計画していたら、米国は何もできなかっただろう。
 次。
 ビジネスインサイダー Ryan Pickrell 記者による2019-6-13記事。
   米海軍は、『Kokuka カレジアス』から、未発の吸着機雷を発見した。
 発見者は駆逐艦『ベインブリッジ』(アーレイバーク級)のダイバー。
 先月イランは4隻のタンカーにこれと同じリムペットマインを仕掛けて爆破している。
 ポンペオの声明。あの周辺にいるゲリラ風情に〔ハイテク機材である〕吸着機雷は使えない。※つまり、犯人はイランである。