ダイソーの「珪藻土バスマット」に感心。コロコロをかけられるところが良い。……で、これ、潜水艦内でもイケるんじゃね?

 Sebastien Roblin 記者による2019-7-5記事「Stealth Suprise: Is Japan’s New Submarine a Game Changer?」。
         2019-6に三菱重工が、3000トンの次世代潜水艦『29SS』についてプレゼン。すぐにツイッターでもシェアされた。
 同型の設計は2025年から始め、就役は2031年を見込むという。
 1番艦は予算760億円と見積もり。
 現状の海自の潜水艦隊は、現役艦が22隻、試験専用が1隻、訓練用が2隻である。
 『そうりゅう』級(改)は今年川重で竣工した1隻を含めてあと4隻増えるだろう。
 『29SS』はセイルの丈を低くする。
 潜舵は、セイルにではなく、船体前方に取り付ける。
 機械室等の床は船殻に固定せず、浮かせた構造とすることで、震動が船外に漏れないようにする。
 推進はどうやら、プロペラを廃してポンプジェットにするらしい。
 1ソースいわく。13枚ブレードのポンプジェットは、7枚プロペラの『そうりゅう』級よりも、20デシベル静粛化するはずであると。
 これまで、ポンプジェットは、高速巡航可能な原潜向きであると考えられていた。バッテリー式潜水艦では、高速を出せばバッテリーはすぐになくなってしまう。
 つまり三菱は『29SS』で、バッテリー式ながらもある程度の高速巡航を狙いたいようなのである。
 『29SS』のサイドアレイ聴音器は、光ファイバー・ソナーであるという。これは音圧を感じ取るのではなく、光の干渉を利用して測音する。音だけでなく、電磁波の発信源も探知可能だという。
 曳航アレイ聴音器ももちろん有する。
 複数種のソナーが集めた情報は、AIが統合解析し、CICルームのディスプレイ上に、立体的動画として表示される。これによって、敵潜の動静その他が、可視化される。
 魚雷発射管はすくなくも6本。
 日本は「89式魚雷」の後継魚雷「G-RX 6」を2012年から開発している。有線誘導式。内燃機関は水素と酸素を燃焼してタービンを回す。敵艦のタイプに応じて爆発尖の起爆タイミングを変更できる。
 ※たしかAESA技術を実用頭部ソナーに応用してデコイも見破るとかいう話ではなかったか?
 新魚雷は2030年に実戦供用予定。
 ※有人艦に酸素魚雷なんて、被弾時にどうかと思うが、リチウム電池そのものが爆発物みたいなもんだし、もう毒を喰らわば皿までってか?
 VLSの有無に関する情報は一切ない。
 「潜水艦問題」というブログに一マニアが投稿したところでは、おそらく『29SS』は10日間連続で水中を巡航できる。もちろんシュノーケルなど出さずに。
 しかしリチウムバッテリーが切れたら、充電(ディーゼルエンジン回し)のためにシュノーケルを出すしかない。ここが問題だ。
 旧来のAIP方式だったならば、シュノーケルを出す前に数週間、潜りっぱなしが可能だったからだ。もちろん速度を微速に抑えての話だが。
 ※つまり海自は、後期そうりゅう型以降は、連続潜航日数よりも、水中速力を選好しているのか。理由は、全速力で通峡しようと図るシナ原潜の先回りをするため? シュノーケルを露頂しても相手がシナ軍なら見つかりはしないという自信の表われ? あるいは、連続十日以上も宮古海峡に沈底させられるような退屈な任務には乗員の成り手がないのでもうお断りしたいという話か。それなら納得だ。
 後期『そうりゅう』型は、リチウムイオンバッテリーにチャージするのに、ディーゼルエンジンを100分間、回せばよいという。
 おそらく『29SS』は、100分以上はかけないつもりだろう。
 なぜ日本は、リチウム電池とAIPを組合わすことを考えないのだろう?
 日本は、燃料電池AIPもいちおう研究したようだ。(前期型『そうりゅう』のAIPはスターリング機関であって、燃料電池AIPではない。)
 しかし防衛省は、燃料電池AIPの開発にはカネと時間がかかりすぎると判断して、これを断念した。
 『29SS』の主機は、川重の「12V25/31S」ディーゼルになるだろう。発電能力は今までの25%増しになるという。
 だが、シュノーケル深度で運転するこのディーゼルは、決して静かなものではない。スーパーチャージャー付きだし……。
 こんなものを10日ごとに海面で回していたら、必ず探知される。
 非核動力の潜水艦には、静かな内燃機関が必要なはずなのだ。
 次。
 Mandy Mayfield 記者による2019-7-2記事「JUST IN: Navy Chief Anticipates 3D-Printed Nuclear Weapons」。
     米海軍作戦部長ジョン・リチャードソン大将いわく。某国は、3Dプリンターで核兵器をこしらえるだろう、と。
 次。
 ストラテジーペイジの2019-7-6記事。
   5月9日にトライデントミサイルは連続172回目となる試射を成功させた。凄すぎる信頼性だ。
 ロシアのブラヴァは、陸上のトポルMよりちょっとだけ短い。だからレンジも8000kmに届かない。今のところブラヴァは、1基に1発の500キロトン弾頭とデコイ複数を載せている。
 その再突入体はEMPに対してシールドされているから、近傍で核爆発があっても、機能する。
 ※米国と北鮮とは、核地雷や170km弱ミサイルを認める合意が可能だろうという話は『空母を持って自衛隊は何をするのか』の第3章に書いてあるから、興味ある人は参照して欲しい。結局あそこで書いたとおりになる。イランについては、次の次の本あたりで書かずばなるまい……。その前に、和弓と矢の実験じゃ!
 次。
 Karen Hao記者によるMITニュース記事「A new way to use the AI behind deepfakes could improve cancer diagnosis」。
    AIすなわちディープラーニング技術は、MRI画像診断――特に癌の発見――にも使えるはずなのだが、ひとつ問題がある。すべての患者たちのプライバシーを守る必要があるために、厖大な数のリアル撮像データをAIに読み込ませてやることが、病院倫理的にそもそもできないのだ。
 そこで役に立つのがディープフェイク技術。ホンモノそっくりの癌の3Dイメージを人工的にこしらえてやって、それをたくさんAIに覚えさせればいい。
 次。
 Charlotte Jee 記者による2019-7-4記事「London police’s face recognition system gets it wrong 81% of the time」。
   ロンドン警察は2016年から日本のNEC製の「ネオフェイス」という顔認識技術を導入している。
 このたびエセックス大学に委嘱し、そのマシンの性能評価テストが実施されたところ、誤答率は81%であった。すなわちAIは42人が「マッチする」と回答したのに、じっさいには、そのうちの8人だけが当たっていたのである。