ロシアメーカーも自爆型無人機を商品化したと宣伝している。

 JOHN VANDIVER 記者による2019-7-23記事「Turkey hints at pulling access to Incirlik and Kurecik if US acts over Russian weapons purchase」。
   トルコのクレシクの山頂には米軍が運用する早期警戒レーダーがあって、NATOのBMDの要となっている。
 トルコ政府は、トランプが対トルコの制裁を決めれば、ここと、インシルリクを、米軍に対して閉鎖すると脅している。
 米軍がイラクに侵攻した2003年にも、トルコは自国内の基地の使用を米軍に対して禁止した。
 2017年にはドイツ軍が、トルコ政府からの要求に嫌気がさして、インシルリクから部隊を引き上げ、ヨルダンへ移している。
 ヨルダンのムワファク・サルティ空軍基地には過去2年間ほど、米国が1億5000万ドルを投じて、常駐米軍の数を増やしつつあり。もしインシルリクから出て行くことになった場合、この基地か、もしくはギリシャに引っ越すのだという。
 ※ギリシャは無いだろう。というのもトルコの仇敵なので、却ってトルコ人を余計に刺激するだけ。ただし可能性としてほのめかすことで、トルコ政府を牽制する意図があるのか。交渉テクニックとして。
 次。
 ストラテジーペイジの2019-7-22記事。
  トルコは今日、ロシアやイランやカタールと仲が良く、他のすべてのアラブ諸国とは敵対的である。特にエジプト、サウジ、UAEとはよくない。
 トルコはリビア内戦にも介入中。リビア国内では、トルコ対UAEの代理戦争が進展中である。
 1550年代から1910年まで、リビアはオスマン帝国の支配域であった。
 こんなに長く統治していると、最初は本国から派遣されていたトルコ人の官僚たちも土着してすっかり地元の豪族となり、自分たちで自治をするようになるのは必然だった。
 ここに弱点があると見たイタリアは1911にリビアに侵攻。翌年、リビアをトルコから奪った。
 1943年に北アフリカの独伊軍が降服するまで、リビアはイタリアの殖民地として、それなりに産業革命も進んでいた。
 リビアを占領した連合軍は1951にリビアを独立させてやった。宗教指導者を王様に据えて。
 1960年代に南奥地の砂漠で油田が発見された。とつじょ、リビアは金持ちになった。1969年、近代主義集団の軍が宗教家から権力を奪い、2011年までカダフィ体制だった。
 イスラム王政リビアとトルコの関係は良かった。だが社会主義カダフィとトルコの関係は疎遠であった。
 そのカダフィが消えたので、トルコは大喜びでリビア内のイスラム武装ゲリラを後援し始めた。
 1951年当時のリビアの人口は100万人ぽっちであった。それが石油のおかげで労務者の流入を呼び、2011年には600万人。
 リビア人は外国の介入も嫌うので、国内が紛擾しても国連は介入しにくい。
 国連ができることは、トリポリの無力な正統政府を声援するぐらいである。そのトリポリですら反政府ゲリラが面積の大半を占拠している有様なのだが。
 ハリファ・ヒフターの一派(LNA)は、リビア東部から興り、漸次、リビア南部と西部をも支配せんとす。
 同勢力に軍事援助しているのは、エジプトとUAEだ。
 かたや、トルコが後援しているのはムスリム兄弟団。より原理主義的な一派だ。
 エルドアンが進んでいる方向は「トルコをもういちど偉大にしよう」路線。そのために諸地域のイスラム原理主義信仰を利用することを躊躇しない。
 エルドアンは旧領土の回復にも野心がある。しかしエルドアンを支援しているトルコ内のグループは、イスラム世界に対するトルコの指導力の回復の方を重視していて、旧領土はどうでもいい。
 エルドアンは2016にシリアにトルコ軍を送った。これは国内でのエルドアンの支持率を下げた。
 エルドアンはリビア国内に軍需品だけでなく、トルコ人の軍事アドバイザーも送り届けている。
 2015前半、リビア内で反トルコ感情が高まったので、トルコ政府はトルコ人がリビア国外に出るように警告した。
 LNAの強みは、油田とその輸出ルートを押さえていること。
 7月21日、トルコ空軍は自国産の「アンカ」というUAVを使って、リビア国内でLNAを空爆した。見た目はプレデター級である。ペイロードは200kgにとどまる。
 LNAが、トルコ製UAVを撃墜したこともある。
 トルコに対抗するUAEは、リビア国内で、シナ製の「翼竜」を2016から飛ばしている。
 次。
  Jeff Jeong 記者による記事「South Korea to build ship for short-takeoff-and-vertical-landing aircraft」。
   ※韓国系記者による英文の宣伝ニュースとはどんなものか、ご参考に。
       韓国は『いずも』級に対抗して2万7000トン以上の空母を建造する。2020年代後半に就役させる。
 ※F-35Bを買う気になったのは真似しん坊の宿痾だが、その調達過程をトランプに対する外交賄賂としても使おうと、この頃は考えているはずだ。
 『いずも』級2隻は2023年までにSTOVL運用艦にコンバートされる予定である。
 中共は、ソ連式空母の系列の充実とは別に、『075』型と呼ぶ、強襲揚陸ヘリ空母の建造も進めているところである。
 韓国は新空母のために20機のF-35Bを買うのだという。
 そのさい、これまで計画していたF-35Aの調達数を減らすのかどうかは、韓国内で検討中。
 韓国型新空母は、F-35Bを16機、海兵隊員を3000人、AFVを20両搭載する。公式には「LPH(ヘリコプター揚陸艦)-2」級と呼び、飛行甲板はスキージャンプ構造にする。
 韓国のヘリコプター揚陸艦は、1番艦がフランスのタレス社製のSMA三次元レーダーをとりつけていた。V-22は1機を運用できる。
 2番艦ではイスラエルのエルタ社製のフェイズドアレイレーダーとし、V-22を同時に2機、発着させられる。
 ※V-22を買っているとは言っていない。持っていないのに、すでに持っているように印象させる。それで何を主張したいのか?
 既存の韓国製LPHの速力は最大で41km/時である。
 ※LPH-2のネックは中共空母と同様に、主機となるだろう。輸入するしかなかろう。
 既存LPHはウェルデッキを有し、上陸艇を2隻収容する。格納デッキには、2機のV-22を含むヘリコプター15機を収容しつつ、飛行甲板上に回転翼機×5を置くこともできる。
 ※トランプの怒りが将来増す事態があれば、V-22の新規購入を「宥めのカード」として切る準備が、韓国にはあるのかもしれない。こんなに強調するところを見ると。