日本がブロケイドに参加しておけば、将来の対支・対韓戦の予行演習になる。

 DAM TAYLOR AND JAMES MCAULEY 記者による2019-7-24記事「US and Europe pursuing sharply different plans for patrols in the Persian Gulf」。
    インド洋連合艦隊についての米国の構想は、《その国の旗を掲げているタンカーは、その国の軍艦が守れ。ただし、洋上ISRには米国が関与してやるぜ》というもの。
 これを称して「オペレーション・センチネル」だそうだ。
 エスパーはすでに6月のNATO会議でこの案を欧州諸国に提示している。
 ダンフォード統幕議長によれば米国案はすっかり固まっており、同盟諸国が果たすべき役割はもうじき知られるだろうとのこと。
 7-19に米国は六十数ヵ国を呼び集めて、国務省と国防総省とが合同で、プランを説明済み。
 しかし英国外相は7-19に、欧州主導の別プランについて語った。
 何が米国と異なるのかと言うと、米国の狙いはイランに対する最大限の圧力〔要するにインド洋西部の全海面でイランを見張り、事実上の対イラン海上封鎖にもっていき、その過程で、IRGCに先に手を出させて開戦させる気〕だが、欧州はイランが核合意の枠組み内に留まり続けることを重視するので、ホルムズの「自由航行」の担保だけを連合艦隊の目的として限定すべきだと信ずる。
 オバマ時代の国務省で対イランに関係していたジャレット・ブランクいわく。米国は、米海軍ではなくてあくまで与国の海軍をして対イランの最前線を担当せしめると同時に、米国がその連合艦隊を背後から指揮して、対イラン圧力を高めたい。だが英国等は、米国の目的が《対イラン戦争への与国をまきこんだエスカレーション》でしかないのではないかと疑うのである。
 7-22にドイツの外相は、ドイツが英国案を支持することを表明した。フランスも23日に英国案を支持。欧州諸国はまだ対イラン合意協定から脱退していないからだ。
 かたやボルトンを迎えた直後の韓国は24日に、米国案を支持するかのようなリップサービスをしている。
 今回、ブレグジットの行方とは無関係に、英仏独は重要外交案件で団結できることが、はからずも示された。
 ロイズの広報媒体『ロイズ リスト』によると、24日にホルムズを英国の巨大商船が通航したさい、英軍艦『モントローズ』が直掩したと。
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 David Hasemyer 記者による2019-7-23記事「Military fights a deadly enemy: Heat」。
      華氏90度=摂氏32.2度になると、米陸軍の訓練場では「黒旗」を出す。
 熱中症リスクが高いぞ、という警告である。
 訓練指揮官は、1時間ごとに40分の休憩を挟まなくてはならないことになっているが、そんな既定に留意しない者も多くて、救急車の出動となる。
 2008年いらい、米軍の訓練中に熱中症で死んだ将兵は17人以上いる。そのなかには、ウェストポイントに入ったばかりの18歳の生徒、レンジャー教程初日の21歳、6マイル行軍したばかりの22歳の海兵隊員なども含まれているから、いくら若かろうとも、安心はできない。
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 Roger McDermott 記者による2019-7-24記事「Russia’s Military Leaders Exploit Lessons From Experiments in Syria」。
       ロシア軍の戦場研究報告によると、ミル24は、超低高度を飛べば、MANPADSを避けられるという。
 その機序は、自機が輻射する光学スペクトラムが、地面に反射して、その反射源にSAMの光学シーカーが惑わされるからだ、と。
 ※疑わしい。近年の光学シーカーは波長のウィンドウを細分し、紫外線やイメージとも照合する。いつの時代のSA-7だよ?
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 Dzirhan Mahadzir 記者による2019-7-23記事「Schultz: Coast Guard Expanding Western Pacific Operations」。
      米沿岸警備隊は、サモアなど西太平洋の米領諸島および豪州近海でのプレゼンスをこれから増強する計画である。
 豪州、NZ、日本のコーストガードとは密接に共同して行く。
 米沿岸警備艇のおさがりを西太平洋諸国に贈与し、警備能力構築を手伝う。
  ※GCCの資金で、米海軍のモスボール軍艦(浮かべる赤錆城)のでかいやつを数十隻買わせ、それをGCC諸国(ただしカタールは除く)に分配し、ホルムズの南半分を低速で常続的にパトロールさせるのがいいだろう。低速だから、IRGC(イラン革命防衛隊)は、ついつい、それを攻撃したり、乗っ取ってやろうという誘惑に駆られる。GCCの国旗を掲げる公船が襲撃されたとなれば、トランプは軍事膺懲の口実が得られる。めでたしめでたしではないのか? エンジン再生の難しい旧艦は、主機を敢えて再生せず、航洋曳船やプッシャー・バージによって移動させる、ステーション型の監視プラットフォーム(高速ボートマザーシップ)にするのがよかろう。これはイエメン主要港の沖合いに点々と投錨させ、それによってイランからの密輸船がフーシに武器弾薬を供給することを防ぐのだ。ボルトンが来たときにすぐにこういう提案ができなくちゃね。