チアトレーダー

 Joseph Trevithick 記者による2019-8-9記事「Russia Admits Mysterious Missile Engine Explosion Involved A Nuclear ‘Isotope Power Source’」。
     8日のロシアのミサイル爆発事故は、核アイソトープ・エンジンを搭載した巡航ミサイルの試験中であった。だから放射能が検出されたのだ。
 国営ロスアトム社は、実験チームが「放射性同位体動力源」のテスト中であったことを認めた。5人が死亡。3人が火傷。
 2018-3にプーチンが、「ブレヴェストニク」と称する核動力巡航ミサイルの存在を、アルハンゲリスクに近いニョノクサ村でのスピーチで公表していた。NATOコードは「SSC-X-9 スカイフォール」である。
 この村が、今回の事故現場である。
 ここでは、弾道ミサイルも巡航ミサイルも実験される。しかしブレウェストニクのテストがそこでされていた事実は今回、初めて確認された。
 匿名の米高官は以前から語っていた。遅くとも2017年には核実験場のあるノヴァヤゼムリャで試験飛行させていたと。
 ロスアトムのステイメントによると、放射性同位体を熱源とする「液体推進システム」であったという。
 原子力のラムジェットエンジンとはどういうものかと想像すると、まず普通のロケットで超音速まで加速させ、ついで、発熱体の廻りに前方から空気を流入させる。そこで熱膨張した空気が後方から噴出する――という仕組みなのではないかと。
 事故現場の近くには、核燃料棒運搬船『セレブリャンカ』もちょうど所在していた。
 この船は昨年は、北極海に墜落したブレヴェストニクの残骸回収に出動していたという。
 現在、同船は、白海のドゥヴィナ湾内に留め置かれている。同海域の一切の艦船の出入はロシア政府によって禁止された。
 液体燃料とはどういう意味か? ラムジェット起動に必要な最初のスピードを与えるためのロケットブースターが液燃なのか。
 はたまた、原子炉の燃料が液体状であるのか。
 まったく不明だが、開発目的はわかる。
 超音速巡航ミサイルの射程を無限化できるエンジン。あるいは、巡航ミサイルを半永久的に在空させられるようなエンジンを、ロシアは開発中なのだ。
 このミサイルは、成功しようが失敗しようが、放射能を振り撒く。命中しても放射能。墜落しても放射能。飛んでいるだけでも放射能。
 ニョノクサ村の東にあるセヴェロドゥヴィンスク市。そこには民間防衛用の自動放射能センサーがあり、その2箇所の計器目盛りが、最高20ミリシーヴェルト/時 の短時間のスパイクを見せた。
 ちなみに平常時のバックグラウンド放射能は、同地においては、0.11ミリシーヴェルト/時である由。
 付近住民が自発的に沃素を購入する動きがある、と。
 ※韓国は竹島にアイソトープ発電所を置くかもしれない。そのメリットは、上空を飛行禁止とする有力な口実がひとつ増え、ロシア機が接近したときに、撃墜しやすくなる。
 次。
 Loren Thompson 記者による2019-8-9記事「Why China Can’t Target U.S. Aircraft Carriers」。
           米空母が日本の商船のために南シナ海のシーレーン防衛に乗り出すとしたら、作戦は第一列島線より外側から為される。米空母が南シナ海に入るわけではないのだ。
 核空母が35ノットを出すと、中共の本土から発射されたミサイルが到達する30分後には、700海里四方のどこかへ移動してしまう。
 その移動先を見つけ出す能力が中共軍には無い。
 90分後であれば、必要な捜索海面は6000海里四方以上。
 中共軍はまず米空母を見つけなければならない。
 ついで、その動静を追い続けなければならない。触接が必要である。
 攻撃したら、その戦果を見届けて評価もしなくてはならない。
 これらをひっくるめて米海軍では「キル・チェイン」という。※韓国軍が使っている用語はぜんぜん原義とかけ離れていて米軍人には意味不明となっていることが分かる。
 中共はすくなくも2箇所、短波の電離層反射を利用するOTHレーダーを有しているが、これは探知したものが米空母なのかどうか知るすべがない。そしてまた、施設が巨大なので、その施設そのものを米軍の攻撃で破壊されやすい。※給電を止められるだけでアウト。したがって巡航ミサイルで機能停止させることはたやすい。
 衛星による敵艦艇監視は、高度660マイルのLEO衛星を使わなくてはならない。LEO軌道では衛星じたいが時速1万6000マイルで動き続けており、すぐに水平線の向こうに行ってしまう。ふたたび元の海面に戻って来られるのは、早くとも1時間後だ。
  米海軍の試算では、中共の沿岸部を常続的に衛星で監視したければ、中共は、3線の監視帯を地球の南北方向に設定して、それぞれの帯に常時、数十機の極軌道のLEOの監視衛星が通過するよう、衛星を充満させる必要がある。
 この多量の衛星からのデータを地上局で統合することが難しい。だからいままで試されていない。
 ※まさにAIの出番じゃね?