終戦体験談でいちばん印象的なのは、相沢忠洋氏のもの。

 日本に旧石器時代なんてねえ と思われていた戦前、それを昭和24年に岩宿で発見した、非大卒の離散家庭出の労働青年。黒曜石の槍の穂の周囲から土器が出てこない。だから縄文以前だと結論した。日本の考古学会ぜんぶを出し抜いた快挙。
 本職は浅草の履物屋の小僧。しかし昭和19年5月に武山海兵団に入り、筑波航空隊を経て、年末に横須賀で『蔦』の擬装員になった。この擬装員時代の見聞もまた貴重。最後の整備が終わると、民間工員たちは、貴重な金槌やねじまわしを、艦に置いていった。兵隊以上に、艦の武運長久を願って。
 最後はマルロク=回天の搭載艦になっていた。原爆の雲も目撃。玉音放送は甲板に総員集合して聞いた。
 『蔦』は山口県で対空偽装接岸していたのだが、すぐに根拠地呉に集結命令。
 夕刻。呉港の周辺の山腹に、灯火管制をかなぐりすてた、電燈がまたたいていた。港内のすべての艦船からも、あかあかと灯が漏れていた。そして隣の大型潜水艦からは、帰郷上陸前の最後の酒宴らしい歌声が……。生きて帰れると分かったとたんに、艦長の新品の半長靴はじめ、衣類なども消えてしまう。ガメられたのだ。それから数日、主のいなくなった吊り床だけが、白い棒となって室の隅に立てかけられていた。これが18歳か19歳の体験。
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 MATTHEW M. BURKE 記者による2019-8-15記事「Intruder shot, security forces member stabbed during incident at Andersen Air Force Base on Guam」。
   アンダーセン基地で、DoD雇いの民間警備員が15日朝に刺された。グァム警察から逃げようとしていた侵入犯人の逮捕に協力しようとして。
 逃亡犯人は銃弾を浴び、民間病院に担ぎ込まれた。
 犯人は前日の水曜日の朝、警察から車で逃走していたのだが、基地の緊急バリアに激突。そこで車を捨てた。
 この騒ぎで基地は全ゲートが閉鎖され、敷地内に逃亡犯が潜んでいないか、捜索された。翌15日午前2時までに「オール・クリア」が宣言された。
 ところが15日の朝6時35分にその犯人が敷地内で発見されたため、再びメインゲートが閉じられた。
 この男を基地内で逮捕しようとする過程において犯人は攻撃的に反応し、民間雇い警備員を刺した。
 ※どうもグァム基地の空軍スポークスマンは、アプリヘンド=逮捕する の名詞がアプリヘンションだと思っているみたいだが、アプリへンションは「憂慮」である。正しくはアプリへンディングではないのか?
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 JOSEPH MARKS 記者による2019-8-14記事「Hackers just found serious vulnerabilities in F-15 fighter jet」。
    米空軍は民間から7人のハッカーを招き、2日にわたって、F-15の情報ダウンロードステーションTADS(飛行中のF-15から動画のデータを受信する)に敵が割り込める脆弱性があるかどうか、検分してもらった。その結果、脆弱性が発見された。有能な敵ならば、このステーションをシャットダウンさせられると判明した。
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 Richard E. Caroll 記者による2019-8-14記事「Lend-Lease and Chinese Containment」。
    米国は、加州北部にもやっているモスボール艦隊を、対支のアジア友邦諸国に「対支版レンドリース」として進呈するべきだ。それによって対支の「封じ込め」体制をつくるべきだ。
 たとえばインドネシアはナツナ諸島とその北部EEZを中共から防衛するために、『タラワ』級の軽空母(強襲揚陸艦)は必要としておらず、そのかわりLHA(ヘリ空母)を必要としている。
 ※「拡大しらね型」でいいんだよ。
 また、インドネシアのGDPは1兆ドルなので、『ペリー』級フリゲート艦隊を維持するのに不足はない。
 日本には中古『タラワ』級2隻と、それを護衛させるための中古『ペリー』級6隻を、改修整備して運用する資金力があるだろう。日本のFY2018GDPは4兆9000億ドルもあったのだから。
 露支両国と対峙する日本には、F-22も与えるべきである。輸出禁止措置は再考されるべきだ。
 ※ちょっと待てよ。ここまで中古装備のレンドリースの話をしていたのに、F-22はモスボール機じゃないだろう? 生産ラインもとっくに消滅しているし、米空軍の現役機であるF-22をタダで貸してやれとでも主張するのか? おまえはいったい何を言っているんだ?
 インドは国産空母艦隊を増強しようとしているが、そのペースは支那に負けている。このスピードギャップを埋めるため、「新レンドリース法」を活用して、中古空母『キティホーク』も『ジョンFケネディ』もインド海軍に引き渡すがよい。『タラワ』級強襲揚陸艦も加えていいだろう。
 護衛用には『ペリー』級を4隻、リースしてやってもいいだろう。
 インドの2018GDPは2兆7000億円である。
 米国は旧装備の改装費用を負担し、インドはその運用コストを負担するのだ。
 ※中古艦を現役復帰させる改修工事にいくら必要になるのかこの記者は調べてもいないのか? 大型ドックを1年も2年も占有して、要部を新品に取り替えねばならず、その間の工員の人件費だってぜんぶかかってくるんだぞ? 間違いなくトランプ大統領が一蹴する案件だろう。
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 NANCY MONTGOMERY 記者による2019-8-6記事「Army halts boat auctions, suspends plans for getting rid of maritime fleet」。
  写真によると、LCU2010というのが那覇にはあるらしい。
 国防予算法は7月に連邦下院を通過したが、そのさい下院は、陸軍の海上輸送部隊の処分に関する予算を否決。9月末まで保留。つまり来年度に持ち越し。
 先月、米政府は130隻ある古い陸軍の輸送艇の半分近くをオークションにかけるとネットで公示していたが、これはキャンセルされた。
 すくなくも18隻のLCUが競売されるところであった。
 ※この記事をストラテジーペイジで補うと以下の如し。
 米陸軍は6000トンのLSVをオークションで売り払うなどして陸軍舟艇輸送部隊を人員とともに大整理するつもりだったが、議会の利権屋が反対して、凍結されてしまった。
 『LSV-7』は2006年に2600万ドルで竣工した。
 第二次大戦中のLSTのような外見である。
 米陸軍は、18隻のLCUと、36隻のLCMも持っている。タグボート20隻、クレーンバージ×2隻も。
 ※韓国がなぜ英文反日宣伝工作が得意なのかというと、その秘密はKATUSAにある。男子の一流大学生が徴兵されると、大概、ここに志願する。志願できる条件は、すでにTOEIC780点以上を得ていること。すなわち、すでに語学エリートだ(昭和62年にオレが受けてみたときは755点だった)。その上に18ヶ月も「米兵」として生活するのだ。英語の達人にならない方がおかしい。卒業後、米国留学するのも簡単になる。そんな人材プールが何千人(かつては1万人以上)も毎年、強制的に養成されている。その中からほんのひとにぎりが、米英メディアに就職すればいい。そして米英メディアの内部で、反日記事を量産しまくればいいのだ。