海保船艇に目立たずに搭載できる重武装として、対水上用の「マイクロ魚雷」を開発すべきである。

 炸薬威力は随意可変式とし、小は武装ゴムボートから、大は1万トン級の公船まで、対応可能にすることだ。これがあるとないとでは、1隻の海保船艇の存在圧力に霄壤の違いがあるだろう。
 有視界の睨み合いの状況の中で使用するものなので、レンジも短くていいし、駛走スピードも低速のみでいい。もちろん有線。これなら、驚くほどマイクロ化できるし、同時に多数艦も相手にできる。
 ちょっと外して起爆させて機雷原があるのかと錯覚させることも容易だろう。
 アンダーキールで抑制されたイールドの爆発を起こせば、浸水は緩徐なので、乗員は退船の余裕を得られる。つまり、これぐらい人道的な武器はない。まさに海保用にオススメだ。
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 Marcus Weisgerber 記者による2019-9-11記事「US Lawmaker Threatens to Give the Next Attack Plane to the Army」。
      ライトアタック機の導入を米空軍が一向に進める気がなさそうなので、下院議院のマイケル・ウォルツ(フロリダ州選挙区、共和党員)は、SOCOMがライトアタックを選定できるように法制化しする音頭をとった。
 そして今、彼は、ライトアタックの主管を、空軍ではなく陸軍にさせてしまおうとも唱え始めた。
 ※そいつはオレかよ!
 ウォルツの演説はミッチェル研究所のイベント会場でなされた。
 下院はすでにSOCOMにライトアタックの購入権限を授与している。
 ウォルツは、同じ予算上の権限を陸軍にも与えてやれ、と言い出したのだ。
 過去12年間、空軍はライトアタックの採用に抵抗してきた。高性能防空システムによって簡単に撃墜されてしまうというのだ。
 元グリーンベレーであるウォルツの問題意識は違う。
 アフリカ、中東、南アジア、南アメリカでは今後も低烈度紛争が絶えることはなく、米軍には、同盟国の地上部隊を、空から支援してやる責務がある。対露戦ばかり考えてちゃダメだ。
 購入授権は、2020国防予算権限法によってなされる。これには現在、下院バージョンと上院バージョンがあるので、最終的には調整が必要である。ウォルツは下院バージョンにライトアタック条項を押し込むのに最も尽力した。
 2013年に空軍は、自軍ではもう使わないと判断したC-27Jスパルタン輸送機複数を、陸軍の特殊部隊のために気前よく、くれてやったことがある。
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 DAN LAMOTHE 記者による2019-9-12記事「Defense Department clears retired Navy officer’s book about former Pentagon chief Mattis after facing lawsuit」。
    2018-8に海軍をコモドアの階級で退役し、マティス長官のスピーチライターを17ヶ月にわたって勤めてきた男。それが、ガイ・スノッドグラスだ。
 彼はこのたび『Holding the Line』という内幕暴露本を出す。これは規則に則り、部外秘の情報がないかどうか、出版の前にペンタゴンで何ヶ月も検閲作業していた。
 スノッドグラスと彼の弁護士マーク・ザイードによれば、国防総省から彼は降等処分の脅しを受けたという。
 秘密保護法的には問題なくとも、公には知らせない方がよい情報がある。たとえば、政府や軍から派遣された使節が宿泊したホテルの名前である。検閲官は、そういうのは削除してくれと要請した。
 著者が、マティスが辞任してから3ヵ月後にマティスに出版の話をしたら、マティスからは難詰のEメールが来た。いわく。何かが決定される前の幕僚間のディスカッションについては公けにはされないというのが私のスタッフの暗黙ルールであった。なぜならこの暗黙ルール無しには誰も自由に意見を言えないだろう。
 マティスは辞任後もノンポリの立場を堅持している。これはジャーナリストたちには不満である。マティスは出版パーティの場で冗談を言った。《よーし、ホワイトハウスを焼き討ちしてやるぞ――という行動を私が取らないことに、皆さん方はご不満のようだね》。
 ※この暴露本はたぶんマティスの回顧録の何倍も売れることになるだろう。
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 ストラテジーペイジの2019-9-12記事を元に、まとめた。
 最新の北鮮の短距離ミサイルと長距離ロケット弾のラインナップを整理すると、こうなる。
 まず射程700km弱のKN-23という弾道ミサイル。これは韓国がロシア人から買ってそのまま北鮮へ漏洩させたイスカンデルの設計図をもとにしたもので、満洲国境近くから発射したとしても、緊張時に米空軍が避退する光州の航空基地を先制破壊できる。それどころか、米海兵隊の岩国航空基地もやられてしまう。
 
 その下位の打撃手段が、径600ミリの「KN-25」。9月9日に試射されている。
 終末誘導がGPS電波によってなされる。
 4連装なのだが、9日には、なぜか、3発しか発射されなかった。
 330km飛んだ。ということはDMZ近くから発射すれば、光州の航空基地まで届く。ただし弾道が単純なので、ペトリで迎撃されてしまうだろう。
 KN-25は、米国が韓国に1998に売り、それを韓国が勝手にコピーしたATACMSにクリソツなので、これも南から北への設計図の流出なのだろう。ちなみにATACMSは径610ミリ。
 その下位の打撃手段が、径300ミリの6連装ロケット弾だ。射程は100km超というところ。DMZから発射すれば烏山の米空軍基地までギリギリ届く。清州の韓国軍F-35までは届かない。もちろん群山の米空軍基地には届かぬ。
 射台トラックは中共製の「ZZ2257M5857A」という6×6である。中共はこれは民用だと強弁して堂々と輸出し続けている。終末GPS誘導システムも、まったく中共製だと思われる。
 オマケ情報。現在、米陸軍が欧州に展開している155ミリ砲熕砲兵の射程は20マイル未満である。