『米中「AI大戦」』の予言が当たりすぎて怖いよ。

 Shahryar Pasandideh 記者による2019-9-25記事「Under the Radar, Iran’s Cruise Missile Capabilities Advance」。
        2001年、イランはウクライナの闇業者から、「Kh-55」巡航ミサイルを12発購入した。これはソ連爆撃機が運用する空対地巡航ミサイルであった。
 2012年9月、イランは、「もうじき《メシュカト》という長射程巡航ミサイルができあがる」と広報した。
 米政府機関は2013年にメシュカトについて、それは対地攻撃ミサイルであって、航空機からでも船舶からでも車両からでも発射できる。弾頭は通常炸薬で、レンジは不明、と発表した。
 2015年3月、イランは「ソウマー」という巡航ミサイルを公表した。
 外見はKh-55の小改造品と見えた。
 だが機体はモロパクのようでも、エンジンの取り付けが明らかに別。
 Kh-55は、航空機から発射後にエンジンが「ドロップダウン」してくる仕組みなのだが、イラン製の巡航ミサイルは、最初から胴体下に吊り下げ固定された状態なのである。
 かつまた「ソウマー」は地上発射式に変更されている。そのためのブースターと、格子状の空力フィン〔恐らく燃焼後のブースターを確実に分離させるためのエアブレーキ〕も、イランのオリジナルだ。
 Kh-55のターボファンの性能をイラン人がコピーできたとは信じられない。必然的に、Kh-55のレンジである2500kmより、「ソウマー」はずっと短射程であろう。
 2019年2月にイランは「ホヴェイゼー」巡航ミサイルを公表した。「ソウマー」の改良型のようだった。レンジは1350kmだと報じられた。
 しかるにイランの高官は、レンジは700kmだと語った。
 それはエンジンがターボジェットであることを示唆するだろう。イランには「トロウエ」というターボジェットのシリーズがある。フランス製のミクロチュルボTRI-60のコピーなのだが。
 しかし実際にサウジ攻撃に使用された巡航ミサイルはもっと長く飛んだ。それには、Kh-55の「R95」ターボファンエンジンそのもの、もしくはその模倣品を取り付けたのではないかと疑える。
 2014年にハメネイがエキシビジョンに臨場。そこで「ヤ・アリ」という巡航ミサイルが展示されていた。
 これは中共製の「C-602」にクリソツであった。
 700km飛ぶとかいうのだが、どうだか……。
 「ヤ・アリ」以前だと、イランにはレンジ300kmの対艦ミサイルしかなかった。
 「ヤ・アリ」を今イラン軍が使っているのかどうかは、不明である。
 イエメン・ゲリラが2019-6にサウジの空港を空襲した巡航ミサイル「クッズ1」は、残骸だけをみると、「ソウマー」を思わせる。「ヤ・アリ」ならエンジンはすっかり胴体内に納まっている。
 サウジと国連の調査団によれば「クッズ1」にはチェコ設計の「TJ100」ターボジェットが搭載されていたと。
 2019にイラン製のターボジェットエンジンは公開展示されている。
 ある専門家いわく。「クッズ1」のTJ100エンジンは直径が34センチ。ソウマーとホヴェイゼーのエンジンは51.4センチで、別物だと。
 TJ100は、TRI-60の劣化コピーなので、性能も悪いはずだ。
 もちろん「クッズ1」ミサイルはイラン製であり、イエメン製などではない。
 イランの対艦ミサイルの「ヌール」シリーズは、中共の「C-802」のコピー系列である。レンジは170km。
 このミサイルは「アブ・ヌサ」島にも配備されており、UAEの大都市を直接に脅威している。
 このミサイルの発展型の「クァディール」はレンジが300kmに伸びたと宣伝されている。
 イランは、その本土南岸から対艦ミサイルを発射することによって、たとえばカタールのLNG積み出し港であるラス・ラファンを破壊できる。サウジのラス・タヌラ港も同様に。