薬莢が自動的に回収されて現場に証拠を残さないオートマチック拳銃が、専制主義国内で開発されないのは、不思議である。

 JOHN VANDIVER 記者による2019-12-18記事「Turkey breaches airspace of Greece 40 times in a day, triggering mock dogfights between the NATO allies」。
     トルコとギリシャはエーゲ海の領土境界をめぐって対立があり、恒常的に領空侵犯機とスクランブル機との間の擬似空戦が発生している。ギリシャが実効支配しているエリアをトルコが承認していない。
 ※韓国は《第二のトルコ》なので、米国が双方にどのように関与しているかを観察していると、いろいろためになるだろう。

 次。
 Charlotte Jee 記者による2019-12-18記事「How one city hopes language monitoring can help it defeat hate」。
     チャタヌーガはテネシー州で四番目に人口が多い都市。ざっと18万人。

 2015-7-26に24歳のイスラム教徒が米軍基地内で銃を乱射し、4人の海兵隊員が死亡した。この犯人はアルカイダのオンラインプロパガンダによってそそのかされていた。

 アンチイスラムの宗教的ヘイトクライムがそれから急増し、チャタヌガ市はその種の犯罪件数が全米第9位になった。テネシー州内では、2017年以降、1位。

 そこで先月、市当局は、ヘイトスピーチを見聞した市民はそのことを当局にタレこんでくれ、というキャンペーンを始めた。

 カナダのトロント市には「Hatebase」というNPOがある。世界最大のヘイト語データベースが構築されている。特定集団の名誉を貶める言説が、網羅的に収集され、単語は、その差別度に関する註釈付きでソートされている。

 地方行政当局がこのデータベースを利用するのは無料である。

 チャヌヌガ市は、市民の間である用語が多数使われるようになることと、ヘイト暴力が実際に行なわれることとの間の相関に、関心がある。
 すなわち、特定集団を人間扱いしない表現の発信量の趨勢から、殺人などの暴力犯罪が次に現実化しそうな地区を統計学的に絞り込めると期待する。

 互いの部族が武装していて、その部族間の殺しあいがよく起きる、ケニア、ウガンダ、ビルマ、イラクでも、言論ビッグデータのモニターを通じたこの予測法が有効で、当局にとっては早期警報の代わりになる。