ストラテジーペイジの2019-12-19記事。
露軍は年末までに20両のT-14戦車(量産型)と、4両の戦車回収車BREMを受領する。
ようやく、量産に移行したわけだ。
いままで、電子系の完成度が低くて、試行錯誤が続いていたという。なにしろ乗員は車体の低いところにおしこめられるため、カメラなどの電子器材に頼らずしては車外監視ができないのだ。それには絶えず給電も必要である。
乗員はけっきょく3名になった。そして乗員だけを防護するカプセルの内部に、トイレが設けられた。
まだ大量生産にはほど遠い。2021年末でも総計40両ではないかという。
初期ロットの生産ペースを低調にしておき、発見された不良箇所の改善を並行して進めるのだろう。
開発したメーカーであるクルガンマシュザヴォド社は2016年にいったん倒産したゾンビ企業である。いまは巨大農機メーカーCTPの傘下にとりこまれている。
ク社はもともと1950年創立のクレーン・メーカーであった。
それが、砲兵牽引トラクターに手を広げた。
1960年代には、BMPの筆頭生産工場に。
2014にウクライナ侵略をやらかしたロシアは西側から貿易ボイコットを喰らった。冷戦終了とともに業績不振だったク社の先行きは非常に危くなった。そこで社運をかけてみたのが、T-14とT-15(歩兵戦闘車)の自主開発だった。
ロシア政府も金欠でク社に大量発注など無理だった。しかしロシアは依然として軍事先進国であるという対外宣伝には恰好の材料なので、T-14計画を潰さない程度に政府がつなぎ資金を貸し出すことに……。これでク社とCTPの負債が甚だしく膨脹したのは無論である。