Angela Chen 記者による2019-12-20記事「This startup claims its deepfakes will protect your privacy」。
イスラエルのベンチャー企業「D-ID」社は、ユーザーの顔の動画映像を自動的に微修正し、他者による「顔認識ソフト」による追跡・同定を逃れることができる「アバター作製ソフト」を開発した。
たとえば眉毛が太くなったり、口鬚が追加されたりするのである。
動きやしゃべりはそのままである。
これをどう使うのか。
たとえば企業はじっさいの店頭で撮影された消費者たちの人物動画をこのソフトによって顔面加工し、「個人が特定されることがない、名無しのサンプル」とすることによって、堂々と、顧客の行動解析のためのビッグデータ素材として使うことができる。
ここまでしても、欧州域内では問題がある。
EUの「GDPR」(=個人情報扱い規則)は、個人に関するデータを分析することでその個人の「人種」を推断することも、当人にあらかじめハッキリと許可を求めて同意を得た上でなくば、プライバシー侵害であるので違法だとしているのだ。
GDPRに、欧州で商売している企業が違反すれば、その企業の売り上げ高の4%もしくは2000万ユーロのどちらか高い方が罰金として徴収されてしまう。
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Karen Hao 記者による記事「A US government study confirms most face recognition systems are racist」。
米国工業規格院NISTが、たくさん市販されている顔認識ソフトのアルゴリズムを調査したところ、米国において、警察から、犯人ではないのに犯人とされてしまう危険が最も高いのは、黒人女性であるとわかった。
また、アジア域で開発されたソフトと比べて、非アジア圏で開発された顔認識ソフトは、東洋人の顔識別を間違う率が10倍から100倍もあるとわかった。
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ストラテジーペイジの2019-12-20記事。
イラン軍は、艦艇から垂直に発進できる固定翼無人機を採用した。中共の「SD40」の模倣品。イランでは「ペリカン2」という名称をつけた。
「SD40」は最初から市販されている民生機ゆえ、欲しければ誰でも購入できる。
そして中共ではこれを軍があとから採用した。2019年に南シナ海で、駆逐艦のヘリ甲板から「SD40」が運用されていることが確認された。
このUAVは、自重40kgで、あきらかに最初から、小型警備艇上で運用することを売り物とするキャラクターだった。
※開発時には軍民共用のお墨付きはいただけなかったが、設計者としてはデュアルパーパスを狙っており、市販後にめでたくもデュアルユースになったという例か。
「SD40」は、クォッドコプターと、固定翼プロペラ機のハイブリッドである。
三胴形状。中心胴が大きく、左右胴は小さい。4つのローターは、左右胴に付いている。
離着艦時、クォッドコプターを駆動するエネルギーはバッテリー電池。
固定翼での水平飛行モードでは、ガソリンエンジンが中心胴のプッシャープロペラを回す。
全長3.7m。最大速度180km/時。巡行100km/時。ペイロード6kg。
滞空6時間可能。高度5000mまで上昇できる。通常は1000~3000m。
「ペリカン2」は「SD40」より小さいようだ。コンセプトは同じ。
いろいろな部品は、国内製ではなく、世界中から趣味用UAVを調達してバラしたもののようだ。
「SD40」類似のUAVは、じつは、もうすでに、世界各地で漁船が使いこなすまでになっている。魚群を空から見張るのである。
米海軍は、双胴の高速フェリーである『スピアヘッド』級輸送艦から運用できるUAVとして、自重37.3kg=82ポンドの「VBAT」をテストしている。全自動で、重さ3.6kg以下の小荷物を、指定したところへ往復して届けてくれる。
こちらは離着陸専用のローターは持たない。ガソリンもしくは灯油で駆動するプッシャー式のプロペラを収めたカウリングが、セグウェイのように絶妙に機体姿勢のバランスを保たせることで、垂直離陸→水平飛行→垂直着艦を実現する。
VBATは72kmまでならばビデオ画像をライブで電送できる。それ以遠のときは、画像をメモリーに録画して艦まで持ち帰る。
飛行距離は630kmである。
滞空時間は、時速80kmで巡行した場合、8時間(燃料には帰還時にさらに1時間分の安全余裕がある)。
VBATは全長2.4m×ウイングスパン2.74m。運搬時はコンテナに分解収納する。
海上に48km/時の風が吹いているときでも、離着艦は可能。
メーカーのマーティンUAV社は、ペイロードを45kgに増強した拡大型もすぐに造れると豪語している。その場合、自重は310kgになるという。