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 ストラテジーペイジの2019-12-29記事。
   2019年の前半、中共は、通常型空母×4隻の次は、核動力空母だとフカしていた。
 ところが2019年末、この計画が消えたことがアナウンスされた。

 理由の最大のものは、米国の関税制裁措置によって、米支間貿易がシュリンクしたこと。
 対米輸出は23%減少した。しかし元の対ドル・レートの下がり巾から分かることは、米国から中共へ流れ込むドルは30%近くも減少している。

 それがどうして空母軍拡と関係するのか? 石油コストである。

 空母1隻を就役させると、その護衛には新たに10隻の水上艦船が必要となる。それら護衛艦船は核動力ではないので石油を消費する。だから10隻のうちの半分近くは、艦隊が消費する軽油を運搬する補給用の艦船。その補給艦船もまた、軽油を消費し続ける。その維持費を捻出できなくなると見通された。

 元の価値が下がって行くということは、輸入する原油がどんどん値上がりするのと同じことなのである。中共はいまや、世界最大の原油輸入国なのだ。

 ※空母を核動力にしても搭載機は灯油を消費する。その灯油を補給する艦も随行しなければならない。

 第二番目の理由は、技術の未成熟。パクリ模倣の限界が、空母を構成する要素のあらゆるレベルで痛感されている。

 第三番目の理由は、南シナ海の砂盛島の維持コストが馬鹿高いことに、中共の幹部がようやく気づいた。
 そこに砂盛島が造れるということは、そこは非常な浅海面なのである。
 砂盛島に軍隊を駐留させたら、巨大補給船によって物資を定期的に送り届け続けねばならない。
 しかし、浅い海面の上を巨船が通航するためには、不断の浚渫が欠かせない。この浚渫は永久に続けねばならず、コストには際限がない。コストの主なものは、これまた、船舶用の燃料油である。しかし輸入石油は、元安により、値が上がった。

 これまで行なってきた浚渫工事の継続維持のために今まで以上の予算(燃料費)をとられてしまうことから、新たな浚渫工事=砂盛工事などはできなくなり、計画がキャンセルされている。人工島を、増やせなくなったのである。

 ※悩ましいのが燃料タンクだろう。ふつうは地下に建設するものだが、いきなり海面下になってしまうので、敢えて工事するとなったら工費が天文学的。旧帝国海軍のトラック島では地上タンクの容量が足りず、油槽船を洋上タンクとして繋留していたのが、いっぺんの空襲で全部沈められてしまった。

 第四番目の理由は、若年人材の確保難。新たな軍艦に配乗させる、使えるレベルの若者を、シナ海軍はもう集められなくなった。
 一人っ子政策が撤廃されても、人口増の伸び巾は減り続けている。

 ※水面が浅いということは、沈底機雷=クイックストライクが大いに有効になるということ。砂盛島基地は、有事には、海上からの補給がまったく途絶えてしまうわけだ。