今年も一年サヴァイヴしましたね。

 Joseph Trevithick 記者による2019-12-27記事「Navy Confirms Boat Swarm Seen Alongside Carrier Group In This Satellite Image Was Iranian」。
         IRGC(イラン革命防衛隊)がホルムズ海峡でどんなイヤガラセをやっているかについて米軍は写真を公表していない。ところが、民間衛星写真サービス会社「Planet Labs」が偶然写した1枚にすごいシーンが捉えられていた。18隻の小型高速ボートが、米空母『エイブラハムリンカーン』とその艦隊に並走している。撮影日は12月4日であった。

 現場海域は、オマーンのマサンダム半島から20マイル北西。イラン領のケシュム島からは30マイル強。

 艦隊の先頭は駆逐艦『ファラガット』。空母の後ろには巡洋艦『レイテガルフ』。

 イラン艇のいちばん近いものはこの縦隊から1000フィートまで近づいていた。

 イランの高速艇は「ペイカープ」級という。対艦巡行ミサイルを装備していることは間違いない。

 IRGC(イラン革命防衛隊)は、機雷敷設能力のある半没艇も保有している。

 米海軍も、敵の高速艇スウォームによるイヤガラセに対応できるように、「マーク6」型の高速警備艇で空母をエスコートさせるようになった。

 「マーク6」は小型ながら750海里を航走できるので、ホルムズ海峡からオマーン湾までの往復には十分に追従できる。

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 John Spencer 記者による2019-12-30記事「The Return of the Tunnel Bomb: A Medieval Tactic on the Modern Battlefield」。
      坑道爆破の歴史。南北戦争中の1863年、ミシシッピ州ヴィックスバーグで。次に1864年、ヴァジニア州ピーターズバーグで。いずれも攻囲していた北軍が実施。

 ピータースバーグでは、攻め手のバーンサイド少将が、5週間をかけて長さ511フィートの坑道を掘り、8000ポンドの黒色火薬を充填して点火した。地上の塹壕陣地に籠もっていた南軍将兵、数百人が吹き飛ばされた。

 WWIでは、ソンムで1916年に、ヴィミーリッヂで1917年に坑道発破。

 ベルギー戦線では英軍が、2年をかけて、22本の坑道を独軍塹壕の下まで到達させ、1917-6-7に一斉点火した。22本のうち19本が正しく起爆した。その火薬総量は100万ポンド(45万3600トン)弱で、これは原爆以前の最大規模の爆発だった。瞬時に、1万人の独兵が即死したという。

 ※20キロトンはTNT2万トンだから、イールドでは長崎級を凌いだわけ。この前例をふまえるならば、北鮮が、ありもしない「核弾頭」を、硝安肥料爆薬の地下発破で偽装することも決して無理ではなかったことが分かるだろう。

 シリアでは2014-5-8に、反政府ゲリラが33日間をかけて手掘りで開けた長さ350フィートのトンネル内で大爆発。アレッポ市内にあった政府軍司令部のホテルがやられた。数十人が死んだ。

 その6日後、イドリブ県の検問所の真下まで3000フィートも掘られた地下壕内で60トンの炸薬が点火され、シリア政府軍兵士20人を吹き飛ばした。トンネル掘削に要した日数はわずか15日だったという。

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 ストラテジーペイジの2019-12-30記事。
    IHIが機雷探知ロボットをつくった。

 全長5mの魚雷型だが、4枚の舵は頭部近くに付いている。
 ゆっくり航走して、サイドスキャンソナーで海底地図をまず作る。
 最高速力は7km/時でしかない。しかし24時間連続作業できる。水深は3000mまで対応。

 あやしい物体があったら、次に、マルチビーム・ソナーと、ビデオカメラで確認する。

 米国は2010年代に、ほとんどGPS並の精度を出せるINS(ジャイロを使う慣性航法システム)の開発に成功し、今はそのコストを下げる研究を勧めているが、まだGPSより10倍、高額。