兵頭二十八先生からの御下問

(2003年頃に旧兵頭二十八ファンサイト『資料庫』へUPされたものです)

 じつはわが地元の某市役所の職員の人から「自衛隊の護衛艦や潜水艦が入出港するときに、商船のトン数と排水量の測り方が違っているため、毎年の統計がつくりにくい。護衛艦のトン数を商船と同じ表し方に換算する表のようなモンはないですかいのう」との質問を個人的に受けたのである。
 要は、護衛艦の「重量トン」表示を、商船の「容積トン」表示に直した一覧表はどこかにあるのかということだろう。
 誰かこの答えを兵頭に教えてくれませんか?


 かような御下問が当サイトに届けられたのがさる平成15年1月13日である。掲示板でデータを集めておくれ、とそういう主旨である。その場で即レスが出きれば一番良いのだろうが、管理人が無能なので掲示板にそのまま掲載した所、現在1月18日まで掲示板に書き込まれている方々から複数のデータが寄せられたが、「換算表はここにある!」という情報は無かった。
 私、管理人も色々探してはみたのだがやっぱり、発見できない。防衛庁にメールで問い合わせれば早いのかもしれないが、それはそれで面白くないじゃないか。
 そんな折、「某海軍関係者」と名乗る御方からメールが届いた。


 海上自衛隊の艦船が海上自衛隊の専用岸壁に入港する場合以外は、一般の船舶と同様に当該港湾を管轄する「港長」に「入港届け」を提出することが「港則法」という法律によって義務づけられており、この中に「総トン数」の記載欄があります。
 このため、海自艦船や外国軍艦の場合には問題が出てくるので、海上保安庁との取り決めによって「換算表」が作られています。
 港に入港する海自艦船等はその都度この換算表によるものを総トン数として記載した「入港届け」を提出していますので、海上保安部に確認されれば入港実績の統計として整理されたデータがあると思います。
 なお、海自の規則類集の中にある当該部分を添付します。
(アドビ社の「アクロバット」というソフトの「PDF」というファイル形式で、こ のファイルを読むために「アクロバット・リーダー」というソフトが必要ですが、これはインターネット上でタダで配布されていますし、色々なソフトにも添付されていますので、簡単に手に入ると思います。)

 なお、ファイル中で「写送付先:館内全般」となっていますが、これはディジタル化した時のミスで「部内全般」の誤植です。


上記のメールに添付されてpdfファイルを頂いたのだが、それをそのまま公開するのも──あんまり見やすくないし、重いので、やめた。というか、そのままのカタチで公開していいのかどうか私にはわかりません。
 しかし、海上自衛隊のサイトも見てみたのですが、御教授頂いた後ですら、一体何処にあるのかわからない(笑)尚、掲示板に投稿されたものとこの回答を兵頭先生に御送りした所──兵頭先生が掲示板を見る事は無いので ──下記の深い感謝の御言葉が届けられました。


(掲示板の)皆様のご教示もたいへん参考になり、改めて勉強をさせていただきました。また、さらに一層精進せねばと思っております。
 このたびはどうもありがとうございました。


私(管理人)も、掲示板の方々には本当に感謝しております。ありがとうございました。そして「某海軍関係者」様、本当にありがとうございました。それではお待ちかね、一般人にはまず役に立つ事の無い(笑)「換算表」です。

第9類 自衛隊の船舶に対する港則法の適用について(通知)