アフガンに駐留している300人のウガンダ兵部隊の過半が新コロ陽性となるクラスター発生

  Dermot Rooney 記者による2020-8-18記事「The psychology of artillery effectiveness」。
       WWIとWWII、どちらも、砲兵は最後に認めた。戦場における砲兵隊火力の貢献とは、大なり小なり、心理的な効果なのであると。だが残った問題がある。敵に与えた心理面の影響は、これをけっして定量的には評価がし難いことだった。
 だから、なかなか科学に昇格しない。科学的に無駄の無い砲撃を考えたいのに。

 今日では砲兵隊も精密誘導弾を持っている。しかし、2017のモスル攻略に果たした我が砲撃の心理効果は、1941のカーン攻略に果たした米軍砲兵隊の貢献と同様に、数値的解析を拒んでいるのだ。

 敵を降服しようという気にさせた要素は何だったのか(弾種、弾量、落下点、時間、等々)が、たとえば、知りたい要素である。
 いっぱんの戦闘詳報では大雑把すぎて、掬えるデータは得られない。
 しかしスワン報告書とその元になったデータ(部隊日誌)は、宝庫である。
 英国陸軍のマイケル・スワン中佐は、もともと動物学者であった。
 彼はWWIIの最後の数ヶ月に貴重な仕事をしてくれた。

 1944-11-18からの「クリッパー作戦」における4個砲兵大隊のデータ、および、1945-2-8からの「ヴェリタブル作戦」における12個砲兵大隊のデータ、などを彼なりにまとめているのだ。

 放たれた砲弾の弾重、数量、各砲兵大隊が標的としたドイツ軍部隊の抵抗レベルが、比較された。

 ヴェリタブル作戦の火力支援計画は、WWII中でも屈指の集中度であった。1852門の火砲が幅10kmの戦線に投入されたのだ。小は40ミリ・ボフォースから、大は24センチ攻城砲まで動員されている。

 最初の14時間で70万発が発射された。
 ちょっと有名なエルアラメインの砲撃プランは、1000門の火砲が100万発を放ったものだが、それは1週間以上をかけたタイムスパンであり、しかも前線幅は32kmであった。ヴェリタブルの方が、はるかに濃密なのだ。

 ヴェリタブルの砲撃計画は、まず準備砲撃が5時間。これで敵火砲や特火点を潰す。戦車砲、対戦車砲、高射砲は、ときおり間接照準射撃に駆り出された。煙幕も展張された。

 続いて弾幕射撃。幅4500m、深さ450mのグリッドに、6500発が落下するようにした。
 幕は1分間に25mずつ、奧へ移動させた。

 その移動弾幕に膚接して、英軍とカナダ軍の400両のAFV(チャーチル歩兵支援戦車、シャーマン地雷啓開車など)が前進。

 その日の終わりまでに、英加軍は7km前進できた。
 守っていた独軍84個歩兵師団は崩れ、4個歩兵大隊が壊滅し、1100名が捕虜になった。
 あきらかに、この砲撃計画は心理的に成功した。独兵の捕虜数は、独兵の死傷者数の20倍に近かったからである。
 なお、両軍ともにこの攻防戦では、部隊死傷率は5%未満だった。

 スワン報告とその元のデータからは、この砲撃は砲弾の無駄遣いであったと結論することもできる。もっと少ない砲弾数で砲撃を終わらせて、すぐにこっちの戦車と歩兵を前進させた方が効果的であったと。しかし逆に、敵の心理的なダメージと、こちらが放った砲弾数は、単純に、比例するという主張も可能なのだ。

 スワンはおちついて研究していられなかった。味方の12個砲兵大隊は、ライン渡河点のヴェーゼルに向かって前進中であった。次に直面すべき敵の強固な防禦拠点もあきらかにせねばならず、味方の刻々の損害状況も把握せねばならなかった。

 味方前進部隊の死傷者の大半が、じつは《味方撃ち》が原因であったという事実を、スワンは排除する必要もあった。

 英軍の25ポンド砲は、物理的な威力としては今日の60ミリ迫撃砲ていどでしかない。しかし砲兵と歩兵が高度に連繋できた場合、攻撃は成功する。

 ※この記者は軍事心理学者だそうだが、肝心な前提をスルーしている。WWIで英国指導層は、味方戦死者のほとんどが無駄死にだったという深刻な反省を、戦間期に胸に刻んだのだ。その繰り返しだけはやらないぞという心の中の誓いを、WWIIの英国指導層は共有していた。もし、大量の砲弾を消費することで味方死傷を減らせる可能性が少しでもあるのなら、それを実行するのが当然であった。