新刊の大著『封鎖戦』は、都内の書店ですと、今日あたりから出回ります。

 ぶ厚くする気はなかったんですが、ぶ厚くなっちゃいました。
 「機雷」だけで1冊書くなんてことは二度とないでしょうから、まあ許して貰いませう。

 だいぶ前に韓国の警備艇のキールの下で北鮮の兵器が大爆発して瞬時に沈んだ事件……。あれはやっぱり、魚雷を改造した沈底機雷だったんじゃないかな――という気が、してなりません。

 次。
  Nectar Gan 記者による2020-8-1記事「China’s Three Gorges Dam is one of the largest ever created. Was it worth it?」。
    三峡ダムは1994に建設がスタートした。
 総工費は286億ドル。
 竣工は2006。

 ダム湖になってしまう地域の住民、140万人が立ち退きを強制された。先祖伝来の農地も水没したのである。
 2つの市、114の町、1680の村が、消滅した。

 ダムの高さは181m、スパンは2335mもある。
 発電所が完成したのは2012年である。22500メガワット。これは米国最大の水力発電所の3倍を超えている。
 ダム湖は、じつに上流660kmにまで及ぶ。ただし、蓄積水量では、世界で三番目。

 10月から5月までの乾期に、この貯水が役に立つ。
 発電所にとって理想的なダム水位175mは、乾期を通じて維持される。
 そして、6月の雨期スタート前には、徐々にダム水位を145mまで下げておくのである。

 大戦直後に蒋介石は、フーバーダムの設計者であるジョン・L・サヴェジを招聘してプロジェクトにとりかかろうと思った。だが、国共内戦でそれどころではなくなった。
 ※たしか江沢民は水力発電技術が専門で、トウ小平から買われた。その名前にしてもダムビルダーを意識していたのではないか?

 2003の最初の湛水で、いきなり地すべりが発生している。135mまで水嵩を増したところで。
 三峡ダムは、2つのメジャーな断層の近くにあるため、地震が来たらどうするのだという指摘が、前からなされている。

 長江が長し続けてきた土砂が三峡ダムで堰き止められることによって、ダム湖底にはシルト層がどんどん堆積するし、下流では土が来ないから土壌の侵食が加速される。
 2003年にダムをはじめて満水にした数日後、早くも80個の目立つヒビがコンクリート表面にできていた。

 米国の北西海岸地方では多くの古いダムが撤去されている。というのは鮭などが川を遡上できなくなり、結果として地域人口が減ってしまったから。
 米国南東部では、上流のダムのせいで土砂が河口から吐き出されなくなったことにより、海岸線が後退してしまうという現象が起きている。

 という次第で先進国では1980年代にダム・ブームは終わったのだが、中共だけがそれに逆行。特に2000年以降に爆発的に増え、2019年には、23841箇所の大規模ダム(堤の高さが15m以上あるもの)を擁するに至る。これは世界の41%である。

 次。
 VLADIMIR ISACHENKOV 記者による2020-8-27記事「US and Russia blame each other for military vehicle collision in Syria that injured four American troops」。
    8-26に北西シリアで、1両の米軍の軽装甲車に、側面から1台のロシアの車両が衝突。4人の米兵が負傷した。露軍のヘリコプター2機が現場上空にあり、1機は高度20mを威嚇フライパス。

 露軍の参謀総長ゲラシモフと、米統合参謀本部議長ミレイは、この件について電話で会談した。
 ロシアは、事故現場が、露軍憲兵隊コンヴォイのルートであることを前から通告していたと主張。
 にもかかわらず、米軍が露軍の車両を止めようとしたのだと。