米国は比軍のために2900万ドル分の武器を贈与する。狙撃銃や、再生した中古のC-130も含む。

 比島軍はブラジル製の6×6装甲車を28両欲しているのだが、予算4700万ドルが手当てされそうにない。将来有望な武器市場として、比島は各国の草刈場になっているようだ。

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 Alex Hollings 記者による2020-12-8記事「SECDEF: Everything you need to know about Lloyd Austin」。
  オースティン氏は、4年前に退役したばかりなので、7年規則を満たしていない。

 彼は歩兵小隊長から全陸軍の参謀次長まで出世した。その間、すべての規模の部隊を指揮した経験がある。
 准将として2003年にイラクに派遣されたときには、拳銃ではなくM4小銃を携行した。予備弾倉も目一杯添えていた。オースティンは巨漢なので、手に持ったカービンがオモチャのように見えた。

 アラバマ州モービル市生まれ。高校を卒業するとき、奨学金(スポーツではなく学業の)優待をノートルダム大学から提示されたが、父親のたっての頼みで、ウェストポイントへ進んだ。
 ※この部分だけでもバイデンを泣かせるに十分だ。バイデンの個人的ピックアップに違いない。

 士官学校ではラグビーとトラック競技に励んだ。
 少尉任官が1975年。まずドイツで小隊長。

 2003年のイラク侵攻作戦では、第10山岳師団(NY州フォートドラム)を率いた。
 そこからアフガニスタンに転勤となり、さらに2005年にはセントコムの参謀長に就いた。
 2008年と09年にはイラクの多国籍軍の司令官。

 2010年にはイラク駐留米軍の総司令官。5万人に膨らんだ米兵を帰国させる仕事だった。このとき、当時のバイデン副大統領と協働している。オースティンは今のバイデンから、アフガン撤収事業の推進を期待されていると思われる。

 米陸軍の参謀次長を短期間務めた後、大将職であるセントコムの司令官。そのポストを最後に、退官した。

 ペンタゴン内部を知り尽くしている人物だからバイデンとしては安心して頼れる。
 ※これは重要なところで、「7年ルール」などを守っていたら、ペンタゴン内部の様子が変わってしまって、元軍人はすべて浦島太郎になる。年季のめぐりあわせなので仕方がないが、オースティンのような人材を、もしトランプ政権のスタート時に起用できたなら、アフガニスタンやドイツからの撤収が、相当に進んだのではないか? マティスは対イラン戦争も始めず、さりとて出口戦略にも役立たず、人気につながる何の成果も出してくれず、むしろ政権の短命化に貢献した。いや、だからこそ上院民主党もマティスを無条件に支持したのか? いずれにせよあれも、選んだ陣営が必要な人物の所在を知らず、「マッドドッグ」などという虚名に誘惑された、自業自得。

 1947年に国家安全保障法が成立し、「国防総省」が設置された。このとき明確に法文で規定された。軍の現役将校として10年を超えた履歴のある者は国防長官の候補者として大統領から指名されるべきではない、と。

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 CAITLIN M. KENNEY 記者による2020-12-9記事「Pentagon wants troops to volunteer for coronavirus vaccine」。
   米国の最初のワクチンの実験台として、現役の兵隊が志願するように求められている。

 ※そんなに危ないのかよ!



近代未満の軍人たち―兵頭二十八軍学塾