1000人の海兵隊員が到着したもののノルウェー政府は新コロ理由に合同演習を辞退。

 JOHN VANDIVER 記者による2021-1-27記事「Teachers in Stuttgart awaiting coronavirus vaccines as DODEA considers reopening」。
   シュトゥットガルトの米軍コミュニティではモデルナワクチンの接種がぜんぜん間に合っていない。
 未接種の学校教員たちが、来週、授業を再開することになるだろう。

 軍の接種優先順位では、シールズやグリーンベレー隊員も上位にある。米軍家族用学校の先生とどっちを先にすべきかという悩ましい問題。同基地にはアフリコムも置かれているから、いつ特殊部隊が僻地に出動するかもしれんし……。

 同じドイツでも、ラムステイン空軍基地やカイゼルトラウテルン基地では、ほとんどの米軍関係者が接種を済ませている。

 シュツットガルトでも、第一線ヘルスケア要員と救急隊員だけは、すでに接種は了えた。その次の順位が問題なのだ。

 モデルナワクチンも、インターバル4週間を置いて二度射ちしなければならない。
 一発目の接種で防護力は80%になり、二発目の接種で防護力は96%に上がるのだ。

 次。
 Cat Ferguson & Karen Hao 記者による2021-1-27記事「This is how America gets its vaccines」。
    バイデン政権は最初の100日間でアメリカ人1億人に対してワクチンを射ってしまうと言っている。
 「ワープスピード大作戦」と称す。

 トップダウンの計画力と調整力が問われるだろう。
 米国内に供給される武漢肺炎ワクチンは保管条件がきわめてシビアであるため、地方の末端病院に届けられたアンプルの数が、すぐにそこに来院した人の数より多ければ、余った大量のアンプルは無駄に廃棄せねばならず、高額の防疫資源が次々とゴミ箱行きになってしまうのだ。

 連邦は、ワクチンの供給と需要を、二つのコアシステムで整合させるつもりだ。
 ひとつは「Tiberius」といい、厚生保健省HHSはそのソフトウェアを使ってワクチンを配給する計画を決める。
 もうひとつはCDC局が提供するシステムで「VTrckS」というポータルサイト(情報を得たい人が最初に見るべきウェブサイト)。末端病院からワクチンを発注したいとき、これを頼らせる。

 連邦や州の保健行政担当係が、互いに齟齬した複数の需要見通し数字を参照していては混乱するから、「ティベリウス」が、その需要数値を一本化する。
 そして地方の末端施設側からは、「VTrckS」を使ってオンライン発注してもらおうというわけ。

 ティベリウスは2020夏に開発された最新システム。
 ヴィートラックスの方は10年前から普及している枯れたシステムだ。

 HHSは、ファイザー社およびモデルナ社から、日々、生産数量報告を受けている。量産数の予報値も報告されている。この予報値が、Tiberius に入力されて行く。

 メッセンジャーRNAから作られる二種類の新式ワクチンは、超低温保管していないと不活化してゴミになってしまう。モデルナは摂氏マイナス25度から15度の範囲で。ファイザーだとマイナス80度から60度の範囲でなくてはいけない。

 それで2020秋にはハッキリした。初期に公表された、この2つの新型ワクチンの量産&配給見通しは、甘すぎると。
 正確な量産速度予測は不可能であるというのが現実的な実情。

 そして、毎週430万アンプルなら配給できそうだということが、だんだん読めてきた。

 ティベリウスはAIではない。マシンラーニングなどやっていない。このシステムは住民統計にもとづいた単純な「算数」をしているだけである、と開発者。

 基本は、あるローカルに18歳以上の住民が何人いるのかの現況。住民票データがティベリウスに入力されていれば、では65歳以上は何名か、とかも、すぐにわかる。バイデン政権はこれに基づいてアンプルの配給計画を立てる。

 HHSのティベリウスの統計把握値を、こんどはCDCが共有する。
 「VTrckS」を簡単に言うと、オンライン商店である。アマゾンでポチるように、病院からオンラインでワクチンが発注できるのだ。
 しかしCDCは、「この地域からはこの数量以上のワクチン発注はゆるさない」という上限値を「VTrckS」で設定できる。ティベリウスの住民統計把握値がその根拠だ。
 これによって、ワクチンがローカルで余ってしまって無駄に大量廃棄されるという事態を予防することができる。

 CDCは、郵便番号と「貧乏指数」を紐付けたデータを持っている。これがなぜ必要かというと、スラム地区では物資の配達もスムースにはいかないので、その遅れをあらかじめ見込んでおかなければ、やはり貴重なワクチンが接種されぬまま不活化して大量に無駄にゴミにされてしまうからだ。

 ローカルの病院のうち超低温冷凍庫があるところはどこか。地域の住民の何名がすでにワクチン接種を受けたのか。こうしたデータが、大量接種管理ソフトウェアには、逐次に入力されなくてはならない。

 モデルナとファイザーでは要求される冷凍庫の低温性能が違う。そのため、モデルナなら保管できるが、ファイザーは保管できないということに後になって気づく齟齬が生じ得る。その場合、すぐに2種のワクチンを病院間、または地域間でスワップできるように調整する。
 これも、接種管理ソフトウェアには求められている機能だ。民間の「不用品売買サイト」の機能が、ワクチン行政用のソフトウェア設計にも役立つ。

 米本土では、ファイザー製のアンプルは、CDCから直接にFedEx社とUPSに対して各州への運送を依頼する。モデルナ製のアンプルは、マッケソン社にCDCが頼むことになっている。そしてマッケソンからフェデックスとUPSに対してさらに依頼される。

 この輸送状況はティベリウス・ソフトがPOS式に把握するので、それをHHSもいつでも監視できる。

 大薬局や病院にアンプルが届けられたあと、それをどうやって住民に注射するか。
 この段階に、大困難が見込まれている。というのも65歳以上の老人が、オンラインを使いこなしてくれるわけがないからである。だから行政がオンラインに頼っていたら、肝心の65歳以上の老人がいつまでも接種されないことになるだろう。
 オンラインではない方法で、なんとかしなければならない。

 すでに誰が接種を済ませたか、これを把握するのには、昔からある、子どもに対する基本的な予防接種の管理ソフトが、使える。つまり対象者を子どもから老人に拡げるわけ。その努力が、今、ローカルではなされているところである。

 次。
 WYATT OLSON 記者による2021-1-26記事「US fighter jets will operate out of a ‘no-kidding remote’ airstrip in upcoming Guam exercise」。
   こんどのコープノース演習。三沢からF-35も参加するが、グァム島のジャングル内に急設した滑走路を使う。平時にはC-130しか降りられないようなところだ。

 ハブ&スポーク という考え方。シナ製ミサイルが届かない、はるか後方の大きな航空基地から、無数の前線の急造飛行場へ戦闘機が分散進出する。これが、これからの対支戦争の流儀となる。

 「スポーク」飛行場は、テニアン島、サイパン島、パラオ諸島にも設定されるだろう。実戦では。パラオのアンガウル飛行場は昨年、拡張工事が済んだ。



なぜ私は核武装論をやめたか (Voice S)