政府推奨ワクチンの接種確認を最大限に合理化するには「免許証の裏面」を臨時に活用するのがいちばんいいと思うぞ。

 Cat Ferguson 記者による2021-1-30記事「What went wrong with America’s $44 million vaccine data system?」。
    CDCが4400万ドルも投じて導入した全米ワクチン配給管理システムが、各州当局から見放され、もはや相手にもされずに、完全に無駄になっている。

 ある人の例。職場のシステムにログインして注射を申し込んだ。3日後に某薬局に来れば射ってやるとのことだった。ところが翌日、Eメールでその予約がキャンセルされてしまった。

 そこで再度ログインして予約を試みる。システムは、近くの某病院で本日の午後から注射をすると案内した。そこで出かけてみると、病院の人から、そんな約束はしないよと言われた。注射はこの病院のスタッフにだけ行なわれるのだ、と。

 そこでまたオンライン予約をしようとしたら、この人はブロックされてしまった。というのもシステムが、すでにこの人は1回目のワクチン接種をどこかで1回受けたか、まさに受けつつあるところである、と看做しているのである。

 この人は70歳であり、しかもウエストヴァジニア州議会の上院スタッフである。その職務は、注射を優先的に受けられる「エッセンシャル・ワーカー」としてカウントされている。そしてこの州はすでに州民の10%に1回目のワクチン注射はしおわった、と自画自賛しているのだ。

 この人のようなイライラさせられる事例がいま、全米で無数にある。

 VAMSは、「ワクチン行政管理システム」の略だ。デロイト社が4400億円でCDCから受注し納品したシステム。
 サウスカロライナなどいくつかの州はこのVAMSを捨てて、独自にカネを払って民間企業に別システムの設計を依頼した。それほどバグだらけで役に立たない。

 VAMSはランダムに予約をキャンセルしてしまう。そして行政や病院のスタッフが入力記録を見ようとしても見られない。

 さいしょの70歳の人の場合、端末入力する人に頼んで、断られた病院での予約は最初からなかったことにしてもらおうとしたが、名前を削除しようとすると、システムが勝手にその人の名前をまた復活させてしまうのである。

 病院が期待した量よりも配給が少なくなるという最新の見通しにもとづいて、頻繁にマシーンによるキャンセルが発生し、登録者はキャンセルされる都度、面倒なサインアップを最初からやり直すか、それともアポなしで病院に押しかけて、偶然に廃棄の刻限が迫ったワクチンを、廃棄回避措置として臨時に射って貰うことを期待する行列の末尾にならぶか、どっちかを選ぶしかないのが現状。

 デロイト社の受注は、入札無しの1社指名契約であった。
 CDCいわく、この会社だけが、責任あるソースである、という理由で。

 ※これはもうダビデの星のような目印ワッペン(免許証サイズ)を、パンデミックが終わるまで、すべての接種済み住民に携帯してもらうよう「お願い」するしかないんじゃないか? 日本では。モデルナやファイザーを1回接種を受けたものはひとつ星。2回接種を受けたものは二重星。一度の接種で済むタイプのワクチンを接種された者は「暫く」模様(二重枡)がいいだろう。その模様を肌身離さず、携帯し続けてもらう。あるいは、免許証の裏面に、スタンプしてもらう。ワッペンの場合、その裏面に、固有識別コードを印刷しておく。その接種済み登記コードを、免許証やマイナンバーや生年月日に紐付ける。このようにすれば、物忘れの激しい老人に三重接種したりする事故は回避できるし、オンライン予約によらずに、いきなり病院に来てもらってどんどん接種を進めても、まずトラブルは起きないはず。《ドライブスルー接種》会場だって、設置可能になるだろう。



地獄のX島で米軍と戦い、あくまで持久する方法 (光人社NF文庫)