国務長官が診察室に入ると、ヤケに背の小さい看護婦が言った。「あっちょんブリンケン」

 Norman M. Haller & Peter Pry 記者による2021-2-4記事「The Air Force Should Assure Defenses Against Nuclear EMP Threats As It Seeks Electromagnetic Spectrum Superiority」。
   高度30kmよりも高い空間での核爆発は、いかなる種類のものでも、EMP加害源となる。
 高空EMP=HEMP。

 露軍のドクトリンではHEMP使用は広義の情報戦だととらえられている。彼らはそれをやる気満々である。

 米軍は耐EMPの閾の性能として「5万ボルト/メーター」に耐えられることを基準としている。しかし露軍は「10万ボルト/メーター」のEMPで攻撃するつもりである。

 そのスーパーHEMP弾頭を炸裂させる理想的な高度は地上から50km~100kmなので、ちょうど、ハイパーソニック兵器との相性が好い。もちろん第一撃で使わないと意味はない。

 宇宙条約で禁止されている、水爆搭載の周回衛星も、連中なら平気で使うだろう。

 中共もサイバー戦争の一環としてHEMPの運用を考えている。

 ※中共体制はスマホと監視カメラとデータベースによる人民統制社会なので、EMPで広範囲にチップが焼損することになれば、体制そのものをもう維持できなくなる恐れが大。だから少将以下クラスの軽量級の書き手にはオープンソース上でEMP兵器使用のフカシをさせるけれども、じっさいには米軍との本格戦争が始まる前にそれを使うことはないだろうと私は疑う。ロシアはもちろん、中共と戦争するときには初手からHEMPを使ってきますよ。だって敵が自信満々の「デジタル元」こそが敵の最大の弱点なんだから。電子マネーなんかに未来があると思っている阿呆どもはEMPのことをよく勉強してみてくれ。

 次。
 Clive Thompson 記者による2019-4記事「The Myth of Fingerprints」。
   30年も前からTVコップショーの『CSI』シリーズは、DNA捜査というものがあることを茶の間に教えてくれている。

 今日の米国の警察署には「ラピッドDNAマシン」という機械があって、比較的に簡単に、現場で採取したDNAを照会できる。もちろん、過去の犯罪者のDNAがデータベースに揃っていることが前提である。

 DNAデータは警察署にあるだけではない。民間のDNA調査機関(じぶんの先祖や親戚を知りたいとか、これから生れる我が子の病気を予知したいという人のための有料サービス)も、捜査機関から頼まれれば、データ照会に応ずる。

 指紋が任意の二人の人物の間で一致することはない、との論文が発表されたのは1788年だった。

 19世紀に入ると、大都市に群棲している有象無象の個人の「同定」=ID特定 が、公的機関としては、しばしば必要となってきた。大悪党や小悪党の「なりすまし」「偽名」を見破らねばならないのだ。
 そこで指紋が注目されるようになった。

 エドガー・アラン・ポーが『群集の男』で活写したような、匿名の大都市生活者。その中から1人の人物が犯罪者だと証明しなければならない。
 街から街をわたりあるき、そのたびに偽名を変えているような小悪党が初犯なのか累犯なのかを確かめたい。

 1870年に日本に滞在していたスコットランド人ヘンリー・フォールズは、古い陶器の破片を見ていて、昔の陶工のものらしい指紋がありありと残されていることに気がついた。

 彼は帰国後指紋の研究を続け、それを指の皮から擦り取ってもまた復活すること、子どもの指紋が成長してもほぼ同じであること、などを確信できたので、1880年までに警察捜査の手段として指紋を使うことを提言した。

 次の課題はどうやって指紋のマッチングを早くするのかだが、これはインド人のアズィズル・ハクが考案した。
 指紋はいくつかのサブ・グループに分類できる、と彼は発見した。
 インドで洗練されたその犯罪捜査術が、1901年、スコットランドヤードに移植された。

 普及はあっという間だった。
 1910年の米国の刑事裁判法廷では、早くも、採集された指紋がフォレンジック証拠として採用されている。

 ただし、指紋のあやふやな一致を証拠とされて、無実の人間が刑務所送りになるケースも、それからは著増することになってしまった。
 1980年代の米国では特に酷かった。

 DNA鑑定術は1984年に登場する。
 これが指紋マッチングの不正確さを一掃すると期待された。
 2005年の段階では、DNAがフォレンジック証拠の王となっていた。

 ※日本ではまだまだですよね? どうしてだろう?