ポーキング博士に訊け。

 Harriet Hall 記者による2021-2-23記事「Stupid Videos Meet Penis Growth Scams」。
  ※記者は米空軍の女医だった人で退職したときの階級は大佐。

 詐欺まがい広告はいろいろあるが、中でもとんでもないのが、「○ニス増大薬」。21世紀の米国で、こんなものが堂々とネット通販されているのである。DMが、ランダムに電子メールで送られてくる。
 そのリンク先には、宣伝ビデオが……。あまりにもくだらなく且つ面白いので、私も無視することができなくなってしもうた。

 アフリカの某部族が、○ニス増大儀式で使っている土着混合サプリメントであると、それらの広告は謳う。14種類くらいのいろいろなモノが混ぜられている由。

 アフリカの某所に島があり、そこの男たちは12インチから18インチの○ニスを持っているという。
 実在の部族名を使っているが、彼らは島になんぞ住んでいないことはウィキペディアで確認ができるだろう。

 ともあれ、彼らの巨根の理由は、秘密の○ニス増大儀式のおかげであり、それに使われているサプリメントがあるのだと。

 誰でもこのサプリメントを服用すれば○ニスの全長が48%伸びる、と。
 あなたもこの丸薬を飲めば、3週間で最低4インチ、息子が伸びるのである、と。

 ビデオで語る人物は、生涯を「おそろしい短小症候群」の克服法発見のために捧げているそうである。
 もちろんそんな症候群は、実在せんのである。

 その人物いわく、女性は最低長さ8インチ、周囲5インチの○ニスを欲しているのであり、それ以下では不満なんである、と。

 彼の再現薬の被験者は全員、○ニスが3インチ以上伸び、しかも、30分以上勃起が持続するようになった、という。

 では彼はなぜこの大発見を大手製薬会社に売らないのか。
 大手製薬会社は悪徳だからである。大手製薬会社は、オリジナルの天然成分をすべて有害な合成成分に置換してしまい、それは副作用を伴うものになるだろう。

 だから、このクスリの申し込みは急いでほしい。集めた原材料はすぐに底をつくからだ。もういちど集めるのには相当の時間がかかってしまうだろう。

 しかも、ぐずぐずしているうちに、巨大製薬会社が、この新薬の特許を取り、最強の法律事務所を動員して、類似品を扱う者たちを皆告訴して、業務を差し止め、この新薬の秘密を闇に葬ってしまう。
 だから、この通販でクスリを買えるチャンスは、今を逃したらもう、なくなるのだ。

 ポルノ男優たちやイカサマ薬商人たちも、彼のこの魔法の生薬の存在を憎んでいる。さまざまな妨害をしてくるだろう…………。

 常識をひとつ、呈示しよう。
 平均的なvaginaの深さは3インチから7インチである。
 もし18インチの○ニスがあっても、持て余すしかないであろう。

 フェミニストがこう言っている。魚が自転車を必要とするように、女は男を必要としている、と。その意味を、男どもはよく考えたらいいだろう。

 もうひとつの、常識の数値。平均の○ニスの長さは、弛緩状態で3.61インチ。励起状態で5.17インチである。

 6インチ以上の男根を有する人物など、滅多に居るものじゃない。

 しかし、今回とりあげた宣伝ビデオは、8インチ未満は異常なのだと不安を煽るわけである。悪質である。

 ※パンデミックは終焉に向かうのだから、人々がリモート環境の得難い経験を忘れぬうちに、国営の「通信制大学」を正真正銘、1文の学費もかからない日本独自の制度に充実させる関係法改正の議論を始めるべきだ。基本的にスクーリングは無用とするのだ。子どもの学費がかからないようになれば、《親の失業=世界の終わり》ではなくなるだろう。ほんとうは、トヨタのような民間会社が主唱して実践もしてしまうのが、いちばん健全なのだが……。日本の大企業の社会改造企画のトンチンカンさが、とても残念だ。

 ※地政学講話#6は先日、スカイプを使って試してみましたが、やっぱり双方向の同時会話には難がありますね。なおこの企画はとうぶんのあいだ、ローカル限定で試行錯誤を続けて参ります。



次回の「地政学講話」は Lineグループ とやらで視聴できるようになる見込み。

 しくみはよくわかりません。
 ラップトップの前で独演会するらしい。
 とりあえず1月25日(月曜日)の午後七時半からを予定しております。

 次。
 PAIGE ST. JOHN 記者による2021-1-8記事「Ashli Babbitt’s path from the Air Force to Trump, QAnon and a deadly insurrection at the Capitol」。
    米連邦議会議事堂で射殺されたアシュリー・バビット(前夫の姓はマケンティー)は加州の住民で、不法移民、ホームレス、麻薬の氾濫に2018から激しく憤っていた。

 射殺されたときは35歳であった。元・空軍所属の軍人。
 その勤務地はアラスカのエイルソン基地で、前夫のマケンティーはそこの同僚だった。

 空軍と、空軍州兵に所属していた期間を通じ、すくなくも8回、イラクなど海外に派遣されている。
 過去に犯歴は無い。

 しかしバビットのソーシャルメディア発信は、熱烈なトランプ支持の表明だけにとどまっておらず、不穏な内容だった。チャイナウイルス蔓延に対する諸規制に激しく反対。中央メディアへの攻撃。QAnonの陰謀説を片端から信用。たとえばディズニーはペドフィリアに拠点を提供しており数千人の児童が行方不明になっている……といったもの。ツイッターでは黒人を犯罪集団として描写。

 バビットは、アトランタの検事であるL.リン・ウッドのフォロアーでもあった。ウッドは説く。「我に自由を与えよ、さもなくば死を与えよ」。

 2012年時点ではバビットは違った。フェイスブック上で、ロン・ポール候補を支持していた。リバタリアン政党からの大統領選出馬者であった。

 しかし2018年には、あらゆる銃器規制に反対している。押し寄せる移民が町を犯罪で満たしていると考えるようになっていた。
 地元サンディエゴ郡にあふれている移民のスラムでは児童が放置されており、どう考えてもマトモな未来は連中からはもたらされないと確信したのである。

 だから加州のニューソン知事を引きずり降ろせという運動も、彼女は支援をしていた。

 この運動の支持者のひとり、ステファニー・メルヴィンさんいわく。家賃を払わない店子を追い出すことが難しくなっている。新コロ事態のおかげで。州はマスク着装命令を出したが、州知事は、マスクを外してめっちゃ高額なディナーをロビイストたちと満喫している。もう許せん、と。

 次。
 Jack Nicas 記者による2021-1-9記事「Parler Pitched Itself as Twitter Without Rules. Not Anymore, Apple and Google Said.」。
   グーグル社とアップル社は、米国の極右に人気のSNSアプリである「Parler」に対し、ユーザーの暴走を規制できないなら、アップストアーから追い出す、と警告を与えた。

 「パーラー」はすでに世界で数百万人のユーザーがいる。
 人気の秘密は、政治的な利用に関して、いっさい、口を挟まず放置するという、運営会社のポリシーにある。
 ツイッターとフェイスブックから締め出しを喰ったトランプは、いよいよ「パーラー」に河岸を変えるのではないかと人々は考えている。

 金曜日、アップル社は、「パーラー」の運営会社が、その投稿内容を規制するように求めた。応じないなら「アイホン」には「パーラー」アプリをダウンロードさせないぞ、と。
 その数時間後、グーグル社も、プレイストアーでの「パーラー」の扱いを、同様の要求とともに、凍結した。プレイストアーは、アンドロイド系のスマホにアプリをダウンロードするための、最大の経路である。運営会社が投稿内容の規制をしない限り、取扱いは再開しないと。

 「パーラー」はほぼ、「ツイッター」の模造品だ。
 アップル社によれば、水曜日の議事堂突入をけしかけ合う論議が、「パーラー」上で公然となされていた、という苦情が殺到したとのこと。
 不法な行為をけしかけたり、ユーザーの健康と安全に深刻な危険をひきおこすコンテンツは、運営会社が責任をもって削除しなければならない。このアップル社が課しているルールを、「パーラー」は守っていないとアップル社では判断した。

 「パーラー」の社長であるジョン・マッツいわく。われわれが提供しているのは中立な「町の空き地」である。これは純然合法的である。

 アップル社はパーラーに対して、修正のための24時間の時間を与えた。それで改善されなければアップストアーからは、そのアプリを排除する。

 グーグル社のほうは、猶予をあたえず、すでにアプリの取引を停止させた。グーグルが何度よびかけてもパーラーは投稿内容規制をしなかったら。
 アップストアーから「パーラー」が放逐されると、アイホンとアイパッドには、新規に「パーラー」をダウンロードすることはできなくなる。既に入れている人も、アップル社がアイホンのOSを次にアップデートした段階で、「パーラー」を使えなくされる。というのも、アプリのアップデートが受け付けられないためだ。

 アンドロイド系スマホの場合、アプリ販売場は「プレイストアー」の独占ではないため、グーグル社が禁止をしても、ひきつづき、他の販売場から、ユーザーは「パーラー」をダウンロードすることができるだろう。

 また、PCユーザーたちは、ウェブのブラウザーから「パーラー」をダウンロードできる。
 現状では「パーラー」をダウンロードする人の8割強が米国在住者である。

 保守層ユーザーにあたらしいSNSを買ってもらおうと考えた企業家は多いが、じっさいにそれで成功したのは「パーラー」である。「パーラー」はいまや右翼の「一強」SNSとなった。

 じつは、トランプに多額の選挙資金を寄附しているレベカー・マーサー(「ブレイトバート」の投資家)が、自称リバータリアンのマッツ氏に出資して、「パーラー」を立ち上げたのだった。この事実は11月に本人によって明らかにされている。ということは、今後も「パーラー」が資金に困ることは、まったく考えられない。

 トランプはツイッターから追放された直後、大統領公式アカウントに、われわれ自身のSNSプラットフォームを近い将来に構築したい、と投稿している。

 次。
 Jillian C. York 記者による2021-1-9記事「Users, not tech executives, should decide what constitutes free speech online」。
    フェイスブックは過去に、ミャンマー軍の将軍たちがヘイトを煽るというので利用を禁じている。ヒズボラも追放した。ヒズボラはレバノン議会に正式の議席をもっている政治団体だが、米政府がテロ組織指定をしたので、フェイスブックとして発言の自由を認めないことに決めた。またフェイスブックは、米国が制裁を加えている他国の指導者にも、そこを利用させていない。
 インドのモディ首相が属するBJP党は、SNSを通じて国内不和を喚起している政治家集団であるが、米国内の大手SNSはそれらを不問に附している。

 じつにいいかげんなものである。
 一私企業が、政府の公人を思想検閲できるのか? これが大問題でないわけがない。

 プラットフォームは、米政府が制裁を加えている対象と名前がかぶるものを何でもBanしてしまうので悪評高い。たとえば、手作り人形のリストに「ペルシアン」という語が入っていたためにその販売取扱いをできなくされた例あり。

 プラットフォームは中立である必要はない。けれども、公平である必要はある。公平の担保は、決定過程の透明性にあるだろう。

 次。
 Liu Zhen 記者による2021-1-9記事「China’s military gives glimpse of updated long-range rocket system」。
  トランプ政権が台湾に「HIMARS」を売ると許可したものだから、焦った中共は、対抗宣伝の必要を感じて、以下の装備を、わざとらしく訓練画像の背景に写した。

 まず中共の長距離多連装ロケット。径37センチ。射程350km。8連装。トラック車載。
 径75センチのは、500km届く弾道ミサイルである。

 これはどういう意味かというと、台湾海峡の巾は180~280kmなのだ。
 だから台湾が米国から射程300kmのHIMARSを貰っても中共にはそれほど脅威ではない。
 それに対して中共の方からは倍返しできるぞといいたいのだ。



近代未満の軍人たち―兵頭二十八軍学塾

(管理人Uより)

 地政学講話のFacebookページ等の情報はこちらに記載しております。


急告。16日の地政学講話は

都合によりお休みとなりました。

 雪まつり中止に合わせたわけではないですが……。

 急ですみません。

1月の日程は追ってこの場でお知らせいたします。



兵頭二十八 地政学入門カフェ(地政学講話)の場所の情報と写真(管理人U)

 お世話になっております。兵頭ファンサイト管理人です。
 次回の兵頭二十八 地政学入門カフェ(地政学講話)は2020年12月16日の予定なんですね。私は大阪に住んでいる事もあって、まだ参加できてません。悲しいです。

 前回(11月18日)はネット配信されませんでしたね。残念です。
 私は主催者の方とは一面識もありませんが、何か私でお役に立てる事があれば、どうぞお声がけくださいませ。

 会場はこういう所だそうです。兵頭先生から写真をいただきました。
 参加される方が道に迷わないよう掲載します。


地政学講話の会場の蔵

電車通りに面しています。左が函館どつく方面。

入り口に近づくとこんな感じです。

兵頭二十八 地政学入門カフェのFacebookページ

会場『spAce ICHIGoICHIe』のFacebookページ
〒040-0051 北海道函館市弁天町16-2


 意外とオシャレな場所でやってるんですね。公民館みたいな所とは違う。こんな素敵な場所で、わずか1000円で、『兵頭地政学』を聴講できる。この上なく贅沢な時間だと思いませんか?

 私も早く聴きたいです。

(管理人U)


「地政学」は殺傷力のある武器である。〈新装版〉 ニュー・クラシック・ライブラリー


日本史の謎は地政学で解ける (祥伝社黄金文庫)


来月の地政学講話は12月16日を予定します。

 ネット中継は今回、都合によりできなかった模様。
 来月も、どうなるかはわかりませぬ。

 次。
 Abhishek De 記者による2020-11-18記事「Explained: India has dismissed as ‘fake’ a report about China’s use of ‘microwave weapons’. What are they?」
   英国の日刊紙『ザ・タイムズ』が中共の教授の主張を引用し、中共軍がラダク東部でマイクロウェーヴ・ウェポンを使ってインド兵を追い立てたとする記事について、インド陸軍は、《根拠のないフェイク》である、とツイッター上にて斥けた。

 ロンドンにある『The Times』が「China turns Ladakh battleground with India into a microwave oven」という題の記事を、ウェブ版で公表したのが、11-17であった。引用されている中国人民大学(北京)の教授は Jin Canrong 〔ウィキペティアによれば1962生まれ。金【火へんに山】【栄のツがくさかんむり】。米支関係の専門家で米留学もしている。〕

 金によれば電波攻撃は8月後半に実施されて成功したという。

 同じ記事を豪州の日刊紙の『The Australian』も掲載した。その記事タイトルは「China’s microwave pulse weapon defeats Indian troops at Himalayan border」。

 『ザ・タイムズ』も『ズィ・オーストラリアン』も、どちらも、ルパート・マードックの「ニューズ・コープ」が株式を支配している。

 8月29日にインド兵たちはパンゴンツォ南岸の瞰制高地を確保している。

 金は大学の教室で、学生相手にこうフカシた。中共軍はインド軍が占領するふたつの緊要地形の丘をマイクロ波で攻撃し、インド兵を追い払ったと。通常の銃火は1発も飛び交わなかったと。電波兵器が配置について15分にしてインド兵たちは全員嘔吐しはじめ、立っていられなくなり、逃げたと。中共もインドもこの事実を敢えて報道していないのである、と。

 『デイリー・メール』紙によれば、中共は2014年の航空兵器ショーで「Poly WB-1」なる4輪トラック車載のショボそうな《電波兵器》を展示したことがある。 ※米国の「アクティヴ・ディナイヤル・システム」のパクリをめざしたものだろうが、一見してパラボラの面積が小さすぎる。

 過去に米軍はアクティヴディナイヤルシステムをアフガンに持ち込んだことがあるが、人に向かって使う前に、上層の判断で撤去させられた。 ※反米勢力の宣伝に利用されるだけだからである。

 2017年後半、ハヴァナ市にある米国大使館が、謎の音響兵器によってイヤガラセ攻撃を受けているという報道があった。同じ症状が、2018年、広州の米国領事館員の身に起きた。

 これら領事館の関係者、合計30人以上が、ホテルや住宅の内部で「マイクロ波兵器」による攻撃を受けた疑いが持たれた。
 耳障りな音、突然の室内気圧の変化や微動なども体感されているという。

 結果として眩暈、頭痛、睡眠障害、聴覚障害が生じた。一括して「ハヴァナ症候群」と名づけられている。ただし国務省もFBIも、その原因が「マイクロ波兵器」だとは指摘していない。

 国防総省は「アクティヴディナイヤルシステム」について、これには発癌性はないし、人を不妊にさせる作用もない、とFAQで説明に努めている。

 次。
 Didi Tang 記者による2020-11-17記事「China’s microwave pulse weapon defeats Indian troops at Himalayan border」。
   ※これが『ザ・タイムズ』と『ズィ・オーストラリアン』に最初に載った記事だと思われる。これを誰がそのまんま拡散しているかを調べれば、中共のマスコミ工作網も、浮かび上がるだろう。

 金教授によると、中共軍は丘の麓に電子レンジ兵器を据えて、丘の頂上を電子レンジ化したのであると。

 ※アクティヴディナイヤルシステムのミリ波(周波数95ギガヘルツ)はもちろん、電子レンジのマイクロ波(2.45ギガヘルツ=波長12センチ)ですら、直進しかしない波長なので、低地から高所に向けて照射した場合、地形そのものが大障壁となる。稜線陣地内の監視兵は、単に姿勢を低くするだけでもその電波が上半身に当たらないようにできる。まして胸壁裏や反対斜面に位置していれば何の影響もありはしないのだから、命令によって守備についている緊要地形を放棄する理由がない。その前に、米軍のアクティヴディナイヤルシステムですら威力はせいぜい1kmまでしか及ぼせられないのに、どうしてインド軍の警備兵はその中共軍車両の至近距離までの肉薄と15分もの「攻撃」に対して銃弾を応射しないことがあろうか? ヒマラヤで1km以内といったらほとんど指呼の間にすぎぬ。そもそもミリ波とマイクロ波とを混同し、95GHz波は触覚神経を強く刺激するものの人肉を沸騰させる作用は無視できるレベルであることを知らぬことに加えて、この《国際関係論教授》に軍隊の素養がないことは明らかである。フェイク宣伝要員として、上層から命じられるままにマスコミ工作に挺身しているのだろう。

 金教授いわく、丘の上のインド兵たちは15分のうちに全員、嘔吐し始めたと。
 マイクロ波兵器は8月29日に使われたそうである。
 金教授の話が本当なら、これは軍事史上初めて、敵部隊に対して実際に使われた殺傷性の電波兵器ということになる。

 金教授が学生相手に語ったところでは、2つの丘を占領したのはチベット人傭兵であったという。
 これに対して中央軍事委員会が怒り、丘を奪い返すことと、そのさいに1発も銃弾を発射してはならないことを命じたという。

 現地の海抜は5600mである。
 ※高地順応していない兵隊がそんなところに行かされたら、頭痛や吐き気はすぐに起きます。この点、インド兵の方が低地から昇らされているので不利。フェイクの背景には、そういう事情がある。ひとつまみの「真実」が針小棒大に膨らまされる。

 広州の音波兵器攻撃は2018のこと。
 キューバでの音波兵器攻撃は2016で、カナダの外交官もやられた。

 ※ついでなので、国産のあきれたミスリーディング見出しがあったのでご紹介しよう。「三菱重工、1000キロ先のドローン操作 防衛技術を転用」というものだ。どこが載せている記事かは各自でチェックできるだろう。
 このタイトルを見ると、UAVに興味のある者ならギョッとする。無人機を、たとい高度2万mで飛ばしたとしても、水平距離200kmを超えて地上とのマイクロ波の双方向無線データ通信がつながるとは信じられないからだ。地球は丸いのだ。それが1000km? まさか軍用の短波利用の「リンク16」でも民需機に使ったのか? ……と一瞬、想像してしまう。だが2019年の関連記事を見ると謎は氷解する。この1000kmというのは有線回線の話なのだ。ふざけるなよ!



日韓戦争を自衛隊はどう戦うか


日本有事―憲法(マックKEMPOH)を棄て、核武装せよ! (PHP Paperbacks)


本夕の地政学講話(#3)では「飛行機の地政学」をお話しします。

 David B. Larter 記者による記事「The US Navy is moving to put more ship-killer missiles on submarines」。
   対艦型のトマホーク(潜水艦発射用)はレンジが1000海里である。新型の対艦バージョンは2023に配備が始まる。
 しかしこの射程になると、中間での最新目標情報受領が欠かせない。到達するまでに敵艦は大きな距離を移動してしまうので。この中間誘導は、別な航空機や衛星からするしかない。

 次の国防長官に就任するであろうミシェル・フローノイは、2020-6月号の『フォーリン・アフェアーズ』に寄稿して、対支開戦後72時間にして、南シナ海に所在する中共のすべての軍艦、潜水艦、商船を撃沈できるように米軍の能力は整備されるべし、と揚言している。頼もしい。

 ※ペンタゴンは2025年までに、シナ軍艦艇の数の5倍の対艦ミサイルを保有したいと考えている。フローノイは全面賛成だろう。

 次。
 H I Sutton 記者による2020-11-16記事「Rare Electric Narco Submarine Seized in Colombia」。
        コロムビア政府が11-5にツイッターで公表したところによると、同国のククルピ川沿いの麻薬組織の秘密造船所を奇襲捜索し、新型の密輸用潜航艇を押収した。

 建造コストは1隻150万ドルと見積もられる。
 運べるコカインは6トン強。米国での末端価格は1億2000万ドルとなるので、建造費は安いものなのだ。
 近年、途中で米コーストガードに邀撃された場合のリスクを分散するため、1隻あたりの積載荷物量を1.6トンくらいにして小型化するのがトレンドだった。しかしこの艦はトレンドに逆行している。

 大型化した判断の根拠は、北米海岸に接近したところで完全潜没航行すれば、探知されないという自信を持ったからだろう。
 近年の小型密輸艇は、全没性能がなく、正確には、乾舷高ゼロの半没艇だった。
 しかし米コーストガードの探知センサーが充実して、これでは被発見を免れなくなった。

 全没艇はディーゼルだけで航走することはできず、電池とモーターが不可欠である。
 そして新発見の大型潜航艇は、内燃機関をもっておらず、10トンの電池と2個のモーターだけが動力であった。

 10トンのバッテリーを搭載すれば、3ノットで12時間、潜航できる。それでおよそ32海里を前進できる。
 ※「3×12」は36じゃないのかよ?

 コロムビアから北米海岸までの距離はもちろん32海里どころじゃない。じつはこの潜水艦、出発してからほとんどの行程は、水上船に曳航してもらうようになっているのだ。
 そのために、船首先端に小さな曳航用のリングがある。

 深度調節は、船体の前方と後方に1組ずつついている、水平潜舵翼による。

 このタイプの潜航艇は2017-7に初登場した。そして米沿岸警備隊はいままでこのタイプを洋上では一度も、捕獲できていない。だから敵は成功を確信して大型化したのだ。

 次。
 Rupert Darwall 記者による2020-11-16記事「Joe Biden’s Net-Zero Isn’t Normal」。
     バイデン&ハリスは、ウェブサイトで、2050までにネットゼロエミッション経済を実現するとブチあげている。
 これはアメリカの敵どもをよろこばす政策である。
 というのは風力タービン、太陽光発電パネルなどの製造のためには中共やコンゴ共和国やロシアからレアメタルを大量輸入し続ける必要があるからだ。

 2017年の一試算によれば、同じ電力を生み出すために必要な労働者の数は、石炭発電なら1人で済んでしまうが、天然ガスなら2人必要であり、ソーラーだとしたら79人必要である。
 つまりエネルギーをソーラー化することで、失業者に職を与えることができるだろうというもくろみがバイデン政権にはある。

 ソーラーと風力が生み出す、「1メガワット×1h」の価値は、しかし、火力発電より低い。というのも電力は蓄積することができず、電力消費者たちの需要の増減に応じて供給を加減しなければならないのに、ソーラーや風力にはその加減は不可能だからだ。質が悪いのである。

 げんざい米国人は1人あたり年に16.56メトリックトンの二酸化炭素を排出している。先進国では、豪州がこの数値を上回っているが、とにかく先進国中では突出しているといえる。

 ボリス・ジョンソンとエマニュエル・マクロンは「ネットゼロ」を高唱するのが政治的に利巧である。というのは英国人は1人あたり年に5.65メトリックトンの二酸化炭素しか出しておらず、仏人は5.20トンだからだ。これはEU平均の7.53メトリック・トンより少ない。米豪とは無論比較にもならない。だからこの2国は、「ネットゼロ」とフカシていさえすれば、他のどの先進国よりも威張れるわけだ。

 次。
 Liu Zhen 記者による2020-11-17記事「China now has the nuclear strength to hit back at a first strike, former PLA colonel says」。
    王湘穂のフカシの第二弾が明らかになった。
 莫干山で、こんなことをしゃべった、と報道されている。

 中共のICBMは「地下の長城」と呼ばれるトンネル網内を車両機動するので、米国からの第一撃に対して無傷で生き残ることができ、すぐに射ち返して米本土を焦土化させられる、と。

 王は典拠を示さなかったが、複数の米国の見積もりが、米中核戦争になった場合には、中共国内には、北米に射ち返せる核弾頭は1個ぐらいしか残らないとしているという。
 王はそれに反論したのだ。

 ※トライデントSSBN×1隻でも中共の戦略核能力を先制的に一掃することができる。これは誇張ではない。ただし議会で予算を取らねばならぬ都合上、そういう見積もりは公表はされないのである。バイデンとハリスには、これからブリーフィングされるはずだ。ブリーフィングを受ければ新大統領は中共に対して強気になってしまう。そうなる前に宣伝工作を打って、中国の怖さをバイデン=ハリスの深層心理に刷り込んでやろう――というのが、『超限戦』の著者の作戦だ。トランプは政権移行作業を邪魔し続けることによって、敵の宣伝工作がつけいる時間を提供しつつある。



「地政学」は殺傷力のある武器である。〈新装版〉 ニュー・クラシック・ライブラリー


日本史の謎は地政学で解ける (祥伝社黄金文庫)


ロシアが再び、原子力エンジンの巡航ミサイル(放射能撒き散らし型)の試射をする模様。

 Natalie Wolchover 記者による2020-10-20「Quantum Tunnels Show How Particles Can Break the Speed of Light」。
     量子には「壁抜け」ができる。トンネリングと呼ぶ。理論によれば、壁があることにより、量子の移動速度は却って増す。ということは、何もない空間を飛んでいく光のスピードを、量子は、なんらかの壁を抜けることによって、超えられるかもしれない。

 ※偉い学者・研究者たちは、皆、最先端の学問・研究で、忙しい。政治的運動を組織しているヒマなど無いのがとうぜんである。その隙に、○○党など反日機関の意を体した、ちっとも偉くない《先生》は、つけこめる。これが日本学術会議等の膿構造なのだろう。(参照) ttps://ferreira.exblog.jp/30246113/ 

 次。
Eileen Guo 記者による2020-10-20記事「The DOJ says Google monopolizes search. Here’s how.」。
    米司法省はグーグルらの独禁法違反を16ヶ月捜査していたが、トランプ選挙が近づいたため、見切りでの早期起訴を迫られたようだ。

 グーグルの検索エンジンは、米国内では8割の人が使用している。この検索画面に相乗りさせる広告からの収益は、1年で数百億ドルにもなっているそうだ。
 ウェブブラウザーの上でグーグルがデフォルトの検索エンジンにされているのがそもそもいけないと司法省は言う。

 世界中でオンライン・サーチに乗せられている広告の料金は総額500億ドル。そのうち400億ドルがグーグルの懐に入っているのだという。
 2010年以降、欧州ではグーグルは3回、訴訟を起こされており、これまでに90億ドルの罰金を支払っている。

 今回の司法省の起訴だが、結審するまでに数年かかるだろう。1970年代にIBMが起こされた訴訟は、結審までに13年がかりだった。また1997年にマイクロソフト社が起訴された一件は、片付くのに5年を要している。どちらのケースでも、企業は、強制分割は免れた。

 次。
 ストラテジーペイジの2020-10-21記事。
   韓国製の装甲兵員輸送車「K152」がナイジェリアで対ボコハラムの鎮定作戦に使われている。最近、売れたのだ。
 その前に5.7トンで「K151韓国製軽戦術車」という4×4があった。その拡張型だという。

 4人乗り。その車体後部の天板を嵩上げし、視察窓と銃撃ポートを設けた。それにより、車内から立姿で車外を銃撃することもできるようにした。

 ナイジェリア軍は100両以上のMRAPを装備している。重さはK151の3倍近い。重いということは、運用コストがそれだけかかる。だがナイジェリアではIEDの脅威がイラクやアフガンほどには深刻ではないと分ってきたので、そこに韓国人が軽装甲機動車を売り込むチャンスがあった。

 ちなみに韓国軍は、1.5トンのジープ型のK131から、HMMWVもどきの国産版を経ることなく、いきなり軽装甲機動車へ世代交代させている。
 K131はHMMWV登場より12年あとの1997年導入なので、これは確信あっての方針だった。

 ※車両の防護力を欲張ると車重は無限に重くなる。それを一定サイズ内に抑えんとするならば、エンジンは内燃機関でなくてはどうにもならない。つまり「電気化された陸軍」というのは、将来もありえないのである。軍隊はぜったいに排出ガスゼロなど約束するはできない。これは何を意味するかというと、小型軽量のガソリンエンジンやディーゼルエンジンの技術に自信やこだわりがある民間用乗用車メーカー社内の有為の技術者は、将来の生計の基盤として、軍用車両市場を考えるしかないということなのだ。ホンダがF1から撤退すると決めたのは遅すぎる。軽量車体で高速を競うモーターレースの世界では、これからの動力源は電池になるに決まっているからだ。だが重量級・高負荷のモーターレースというものがあるのなら――たとえるなら競馬の輓曳やクロスカントリーのヒルクライムのようなもの――そこに研究資源の一部を注入し続けることは、大メーカーにとっては長期的に賢明なはずだ。装甲車のF1を開催するといい。それでみんな理解するよ。

 次。
 おしらせです。
 次回の地政学講和は11月18日水曜日を予定。ひょっとしたら次回から「ズーム」を使うかもしれません。また変更等ありましたら逐次にお知らせをいたします。



ニッポン核武装再論


なぜ私は核武装論をやめたか (Voice S)


アパッチの部品の規格検査に不正があったと発覚し、米軍はメーカーからの調達をまたしても一時停止中か。

 Eli Kravinsky 記者による2020-10-19記事「Below Threshold Options for China against the U.S.」。
   国務省のカネで中共に語学留学してきたハーバードの院生が7月に書いたリポートのさわり。

 中共の大方針は、対米本格開戦に至らぬレベルの諸作戦によって歩一歩と南シナ海を征服することにある。
 それには新たなオプションもあり得る。

 艦船を米海軍の軍艦にわざとぶつけてくるオプション。FONOPをやめさせるためのイヤガラセだ。
 場所はシナ沿岸が選ばれる。この海域では米側が応援を呼ぶのに半日以上かかる。だからシナ側は物証を米側に押収される心配がない。

 逆にシナ側は救助救難に名をかりて米国人を本土に拉致し人質にすることもできる。

 米国内で暴動を扇動するオプション。国内で騒乱があれば、元首は外交に集中できなくなる。それは中共のメリットである。

 台湾を海上封鎖するオプションは、海上保険料が爆上がりするので、自傷行為だろう。

 ※ユーラシア大陸内の覇権勢力が支配地を拡張して行く手口は常に、隣接した敵陣営の内部に「内通者」「寝返り」「奔敵者」「裏切り者」を獲得することによっている。ところが地理的な条件のため、西欧や島嶼に対しては、この手口が効きにくいのである――という機序については拙著『地政学は殺傷力のある武器である』で論述したところだ。

 ※明日21日の弁天町の「フォトスペース 一期一画」には駐車場がないのですが、路面電車道のすぐ向かい側に「弁天町会館」というところがありまして、その会館が面している道路(姿見坂の一部)は、夜間ほとんど人通りがなく、しかも、駐禁の道標がないところがありますので、20時までなら停められるんじゃないでしょうか。



「地政学」は殺傷力のある武器である。〈新装版〉 ニュー・クラシック・ライブラリー


日本史の謎は地政学で解ける (祥伝社黄金文庫)


地政学懇話は月例化します。

 ローカル企画ですので、宣伝はいたしません。
 こんかいと同様にやります。
 来月は、10月21日(水曜日)を予定します。
 予定に変更なき限り、前日・当日まで、特に告知もしません。

 前後の宴会等はありません。8時キッカリ解散です。

 なお、飛び入り参加者は、ごじぶん用の軽食(サンドウィッチとコーヒーのようなもの)をご持参くださるとよいでしょう。そのゴミは、お持ち帰りいただきます。

 次。
 Will Douglas Heaven 記者による2020-9-23記事「We’re not ready for AI, says the winner of a new $1m AI prize」。
    レジナ・バージレイは、このたび「Squirrel AI Award」の最初の受賞者に撰ばれた。
 もともと自然言語の生成の研究をしていたが、2014年に乳癌手術を受けた後に、研究方向を変更。
 癌を発見したり新薬を開発するアルゴリズムをマシンラーニングさせる仕事に没入している。

 スクィレルAI社はシナ企業である。そこが100万ドルの賞金を設定した。数学界のチューリング賞とおなじぐらいの額にしないと、ノーベル賞なみの権威は生じないというので。

 電気が普及しはじめた初期、人々は、どうしても、蒸気エンジンのそのままの代替物として、あたらしい電力エネルギーを捉えようとした。これと似たパターンを、もっかの現代人は、AIについて、繰り返しているさなかだと言えます。

 AIは、回答をまちがえた場合の損害がおおごとになるような分野で、伸長しています。
 たとえば、ネットの自動翻訳レベルの世界だったらば、ひとつの誤回答が提示されても、ユーザーは、次の別の回答を探しに行くだけ。
 ですが、このユーザーがもし、患者のための診断や療法を調べている医師であったなら?

 こんなに多くの乳癌患者が米国には居るというのに、研究者がその巨大データ〔主にマモグラム写真の山〕にアクセスできるようには、全くなっていなかった。2014年時点では。

 健康診断で撮像された「乳房X線写真(マモグラム)」をドクターが肉眼で見ても、《あと2年後にこの人は乳癌になる》とは判断はできなかった。ところが、画像のビッグデータをAIにマシンラーニングさせれば、乳癌になる人にその2年前から、正確な警告ができるように、なるのである。《このままいくとあなたは乳癌になる》と。
 わずかな画像のパターン変化から、AIが危険な兆候を見破ってくれるのだ。

 医師は、マモグラム中に認められる白いスポットが、はたして癌なのかどうか、眺めているだけでは知ることができない。それは「生体組織検査」をしてみないと確認はできない。しかしもし、実際にはなんでもなかった患者に生検をすれば、それは患者に余計な傷をつけただけということになってしまう。リスクとメリットを考えなくてはならぬ。AIは、医師のこんな悩みを軽減してくれる手助けをしてくれるわけ。

 今の課題。AIは、鼻の良い犬のようなものだ。犬の鼻は、人間には感知できない匂いを、ことこまかに嗅ぎ分けている。だが、それを言葉によって人間に対して、わかりよく説明することが、できない。

 こんどの新コロ流行に際して、AIには何ができたのだろうか?
 限定的なものだが、こういうことはできたはずだ。
 ある都市の中には、毎年、乳癌予防検診でマモグラムの撮影をしている人が、多く居る。ところが、こんどの新コロで、定期健診のようなノンエッセンシャルな医療サービスは、どの病院でも縮小するしかなかった。それでも、《あなたはどうしても今年もマモグラム撮影をしとかないとだめだぜ。なぜなら気になる兆候が去年、見えていたんだから》というアドバイスを、AIならば、出せたでしょう。

 新コロ対策にAIが役立つかどうかは、データをどのくらい集められるかにかかっている。マモグラムのデータですら、まだ、まったく数が足りていない。全米的な協力は、得られていないのだ。
 技術のネックではなく、データのネックがある。これが、AI診断の普及の前に立ちはだかっている、現実の壁である。

 次。
 Loren Thompson 記者による2020-9-22記事「Raytheon Presses Case For Replacing Lockheed Martin Radar In Missile Defense Of Japan」。
    いま、世界の中のレーダー・メーカーの中で、おそろしく遠い距離にある弾道弾などを存在探知して識別把握して追跡し予想する機能において、レイセオンRTXと、ロッキードマーティンLMTは、双璧である。
 他の、いかなる企業も、この2社がもっているような高水準なレーダーのハードおよびソフトウェアのノウハウは、有していない。

 だから、日本政府は、地ージスのレーダーを、この2社のうちのどっちかに、発注するしかない。
 どっちの性能が優れているかというと、これは微妙なので、バイヤーの選択は、コストで決まるだろう。
 しかし いろいろ人に話を聞くと、どうやらレイセオン社が優勢になっているようだ。

 レイセオン社は艦載のイージス用の新型レーダーの開発を米政府から2013に受注している。これは強みだ。
 「SPY-6」とよばれる最新モジュール。2平方フィートのレーダー素子集合板だが、これを、搭載する軍艦のスペースや目的にあせわて、たくさん集積させたり、少数だけ貼り付けたり、いくらでも融通を利かせることができる。

 たとえば、次の世代のアーレイバーク級駆逐艦(フライト3)には、このモジュールを37枚貼り付ける。それで全周警戒と追尾と誘導ができる。感度/分解能は今のイージスの80倍だという。
 また、既存の旧式イージス艦のアップデート改修には、この最新モジュール24枚を貼る。
 さらに、イージス艦ではないが、空母や強襲揚陸艦にも、この「SPY-6」モジュールを9枚、貼り付ける予定。新型フリゲート〔LCS後継〕にも9枚。

 メンテナンスのためのモジュールの交換は、1枚につき、工具2個あれば、数分でできてしまう。したがって維持費が、旧来のイージス・システムより安くなる――とメーカーは主張している。

 これに対してロックマートのは、完成してもいない。まだ開発中なのだ。「スパイ7」と呼ばれ、予定では、アラスカとハワイの、米本土防空用のGBIミサイル(それは艦対空のスタンダードミサイルとはまったく別種の地対空ABM)のために仕上がるはずのもの。なんとこれを日本政府は2017に、買う、と言ってしまったのだ。

 かつて日本ではこんな説明もされていた。イージス艦の起電力と冷却能力には限度がある。その制約がABM機能も制約してしまうのだと。

 「スパイ7」を艦載してはどうかという話も出てきた。だが「スパイ7」は、そもそも、シナ大陸から日本に発射されるIRBMの探知用ではない。ロシアから米本土に飛来するICBMの高速RVを探知するための専門レーダーなのだ。とうぜん、IRBMのRVよりもさらに低速の対航空機、対巡航ミサイルの探知用途などは考えてはいない。だから、もし「スパイ7」を艦載するとすれば、ソフトを一から書き直す必要がある。現実的なわけがない。

 ※「スパイ7」と「スタンダード」ミサイルのマッチングのソフトも存在しなかったわけで、地ージスがあのまま進められていたなら、そのソフトを一から書くコストを防衛省が負担させられていた。それだけでも防衛省は会計破綻したであろう。

 「スパイ6」のソフトのために米海軍が投入した国費をしらべれば、「スパイ7」に対航空機ミッションをあらたに付与するためのコストも、容易に想像はできるだろう。

 レイセオン社いわく。だからこそ、『タイコンデロガ』級イージス巡洋艦の古いレーダーを「スパイ7」に換装すればどうかという話だって、さいしょから可能性としては排除されているわけですよ。

 ※ロックマートの法務部門はおそらく世界最強だ。「スパイ7」を択んではいけなかったということも理解ができなかった防衛省の内局連中に、とうてい、民事法廷で対抗ができるとは思えないのだが……。



「地政学」は殺傷力のある武器である。〈新装版〉 ニュー・クラシック・ライブラリー


日本史の謎は地政学で解ける (祥伝社黄金文庫)


アルバイトしていただけませんか? 『兵頭二十八 地政学入門カフェ(2020年9月23日 18時半~)』に参加される方へ(管理人U)

 お世話になっております。兵頭ファンサイト管理人です。

 当サイトをご覧の方でしたらご存知かとは思いますが、2020年9月23日に『兵頭二十八 地政学入門カフェ』が開催されます。
 『地政学』の基礎と最先端を、入門級の人たち向けにお話しするミニ講演です。
 
 私は残念ながら仕事のため参加する事ができません。悲しいです。
 参加される方で、アルバイトをして頂ける方はいらっしゃいませんでしょうか?

 アルバイトの内容は『ミニ講演の撮影・録音』です。
(後述しますが『公開を前提とした撮影・録音』ではありません)

 アルバイト代は、あまり多くは出せませんが、私がお支払いします。
(さすがに『沖縄から行きますので、15万円必要です』とかいわれても困るので、もともと参加予定の方が嬉しいです)

兵頭二十八 地政学入門カフェの日時

日時:2020年9月23日水曜日 18:30~

場所:spAce ICHIGoICHIe
〒040-0051 北海道函館市弁天町16-2

兵頭二十八 地政学入門カフェのFaceBookページ

募集要項

・『兵頭二十八 地政学入門カフェ』の撮影・録音をしていただける方。
(撮影・録音の許可は得ています)

・アルバイト代は、いくらが妥当かよくわからないので『〇〇円ならやるよ』とメール下さい。(なるべくお安く……)

・ちょっと、細々した事情説明が必要なため、Skype(か、Lineのビデオ通話)で事前にお話できる方。(撮影・録音の許可は得ていますが、顔も知らない方へ私が頼みにくいという理由もあります)

・撮影、録音機材をお持ちの方。
 プロ級のものは全く求めていません。単なる会社員の私が、参加される方へいくばくかの謝礼をお支払いしてお願いしたいだけなのです。
 三脚にスマホを固定しての動画撮影とかそんなんで結構です。動画が不可能なら音声だけでも仕方ないと考えております。ただし、音声だけは可能な限りクリアに録っていただきたいです。撮り方、録り方などはSkypeでお話する際お伝えします。

 私はどうしてもこのミニ講演を聴きたいのです。だから音声はできる限りクリアが良いです。ですが、画質は大して求めていません。

 TV番組はとても高画質ですが、興味がないので私は殆どTVを観ません。しかし、兵頭講演会の映像であれば、私にとってはそれがどれほど低画質でも、宝物になると確信しているからです。

『公開を前提としない録音・撮影』である事について

 私はイベントの邪魔をするつもりは一切ありません。もし『公開を前提とした』撮影・録音であるならば、参加者が減る可能性があります。それは全く私の求めるものではありません。

 もちろん私は、私と同じような、ミニ講演を聴きたいけれど参加できない方のためにも、無料公開の交渉をします。
 ですが『地政学入門カフェ』終了1週間後に無料公開、なんて事を私は希望しません。

 参加者の方が『これだけの日数が経過したのならまあいいか』と思うような(これは私の主観でしか無いですが)日数が経過した後の無料公開を目的としております。

 公開する場合でも、参加者の方のプライバシーに配慮する必要があります。動画なのか録音なのか、テキストに起こしたものを公開するのかも全く現時点では未定です。

 つまり現時点では、単なる兵頭ファンの会社員である管理人が、公開を前提としない撮影、録音をしていただける方を探しているだけ、です。

 繰り返しますが、プロの画質、音質なんて求めてはいません。撮影や録音も、単に三脚やテーブルに機材を固定して、あとはミニ講演を普通に楽しんでいただければ良いと思っています。
 
 どなたかお引き受けくださいませんでしょうか。(なるべく安価で……)

 応募の際は『持ってる機材(ビデオカメラ・スマホ・ボイスレコーダー、とか)』『希望アルバイト料』を明記くださると大変助かります。

 ご連絡をお待ちしております。

(2020年9月14日追記)

 応募がなかったらどう対策しましょうかね……。

 全く話は変わりますが、年末までには、今までとは全く毛色の違うシロモノを公開できるかもしれません。(皆様がお気に召すかどうかはわかりませんが)

 (管理人U)