Robert Beckhusen 記者による2018-3-9記事「The Red Army’s Moscow Airborne Operation Turned Into a Debacle」。
1942年2月22日。TB-3を使った空挺作戦が、モスクワ近郊ヴィヤジマ戦線に対して発起された。
投入されたのは第4空挺軍。
この戦線では1ヵ月間、第8空挺旅団が独軍の包囲下に陥っていた。
降下指揮官のレヴァシェフ少佐は、いきなり、乗っていたTB-3が独軍戦闘機の機関銃弾をくらって機上戦死した。
このため降下そのものが中止になった。
包囲している独軍は、すべての村落を拠点として確保してしまい、そこに胸壁を築いてソ連軍の救援反攻に備えた。厳寒期であるから、村落を利用できない野戦軍は、それだけで甚だしく消耗させられる。
築城には雪と氷のブロックも利用された。
この作戦の総指揮は、ゲオルギー・ジューコフ大将が執っていた。
第4空挺軍の総力を投ずる二度目の降下作戦は、当初、うまくいったかに見えた。
7000人が降下。そのうち5000人は地上で集合して、包囲されている仲間(空挺投入された時点で2000人。この時点では不明)を救出するプラン。
しかし夜間の降下は予定のドロップゾーンを外れてしまい、呼応する味方の主力地上部隊との打通連絡は失敗する。
雪のため、追送の補給も滞る。夜間、上空にやってくる輸送機に対して、味方の住民パルチザンが炎を燃やして物料投下の目印とする手筈であったのだが、そこらじゅうで敵味方が暖房のために火を焚いていたために、どれがどれやら判別がつきかねた。
この空挺降下に呼応して地上からはソ連の第50軍が東から西へ前進した。だが進むにつれて独軍の大きな抵抗に遭い、速度が鈍った。
砲兵を伴わない空挺部隊は、独軍の砲兵に苦しめられた。
4月から5月に変わるころにはソ連空挺隊員は寒さと戦傷のため悲惨な情況に陥り、雪解けに乗じて逃亡する者が増加した。一度、ソ連兵の格好をしたドイツ軍がソ連軍部隊を攻撃してきたことがある〔すなわち寝返り部隊か?〕。補給はまったく、空中投下頼みだった。
6月前半、生き残りの4000人の空挺部隊は、東へ潰走。投入されたのは1万4000人だから、1万人が消えたことになる。
退却の途中でも、独軍の機関銃と迫撃砲から叩かれまくった。
ドイツ側の事後評価。ソ連軍によるこの空挺作戦は、戦略的には効果が無かった。
ソ連側の反省。地上から呼応する部隊の戦車が厳寒のため動きが悪かった。総じて無線機が足りなかった。空中補給も不振であった。
次。
Minnie Chan 記者による2021-3-15記事「 China’s arms sales drop as ‘other nations buy American’」。
SIPRIによると、2016年から2020年までの4年を通産すれば、米国製兵器は世界の武器市場の37%のシェア。これに対して中共製は5.2%であった。
中共の武器セールスはここのところ苦戦している。
米支の対立がハッキリしたので、中間諸国は、シナ製ではなく米国製を買っておいた方が安全だと思うようになった。
もちろん、武漢肺炎のおかげで世界の総貿易が縮小していることも、武器ビジネスに反映した。
ロシア製兵器も2011~2015の期間と、2016~2020の期間を比べると、シェアは22%低下した。
いまのところ、世界の武器市場の20%のシェアをおさえてはいるが。
同じ期間の比較で、中共製武器のシェアも7.8%低下した。
世界第三の武器輸出国はフランス。第四はドイツ。中共は第五である。中共の今のシェアは5.2%である。
武器輸出をコンスタントに伸ばしているのは米国だけである。これはトランプのおかげだろう。
武器輸入ではどうか。日本は過去5年で武器輸入を124%も増やした。
インドの2020年の武器輸入は2016年と比べて33%減少した。しかし次の5年では増加するだろう。
尖閣諸島を自衛隊はどう防衛するか 他国軍の教訓に学ぶ兵器と戦法