ゴムボートの直後に無炸填の低速魚雷をくっつけ、プッシャー・バージ式に押してもらうようにできるのではないか? この方法なら定置網にもひっかからない。

 ストラテジーペイジの2021-3-24記事。March 24, 2021:
   アゼルバイジャンは昨年12月1日に、ナゴルノカラバフ戦勝記念パレードを催行した。
 そのさい注目されたのが、アルメニア軍から鹵獲した装備の数々。
 トラックを初めとするアルメニア軍の装備の多くはロシア製であった。

 なかに「SAM-8」もあった。ソ連では1988に製造は終わっているが、アップグレードサービスは続いていた。6輪装甲車に積まれた6発の地対空ミサイル。射高は1万2000mに達する。しかし、イスラエル製とトルコ製のUAVの前には無力であると証明された。

 アゼル軍の勝利の最大原因はトルコの傭兵か? 違う。イスラエル製の兵器である。ロシア最新の「パンツィール」を破壊する技法をイスラエル軍は知っており、それがアルメニア軍の雑多なロシア製SAM群をすべて無効化したのだ。

 昨年11月にロシアが仲裁に入って2000名の監視兵を送り込み、停戦している。この停戦合意の結果、トルコは従来、ジョージア領かイラン領を経由しないとアゼルバイジャンに大荷物を搬入できなかったのだが、陸送で直接にアゼルと連絡できることになった。

 アゼルバイジャンの人口は1020万人。ひとりあたりGDPは4800ドル。かたやアルメニアは人口300万人で、ひとりあたりGDPは4500ドル。

 アルメニアは国民の教育レベルで勝り、アゼルバイジャンは資金に余裕がある。アゼルはそのカネを、ハイテク軍事力に簡単に転換する方法を習得した。イスラエル人とトルコ人を雇えばいいのだ。

 ※行動経済学の「プロスペクト理論」を国際関係論に適用すると、いろいろな説明ができてしまう。アルメニアは先に土地を支配していたので油断があった。それ以上の何かをしなくては危ないという危機意識は薄かった。かたやアゼル側には、失地を回復しないでは気持ちがおさまらないというモチベーションが強かった。わが陸自が過去20年、尖閣防衛のために必要なドクトリン改革、装備改革ができなかったのは、アルメニアと同じ病気に罹っているのだ。政府のこころがまえとして重要なのは、シナ軍にアゼル軍のような「モチベーション」を与えないことである。その方法は、「手を出してくれば必ず面子を潰してやる」と平時から何度も思い知らせることだ。「プロスペクト理論」の肝は、「人はガッカリしたくない」の一言に尽きている。そこを常に思い出して欲しい。日本人が儒教圏人どもの面子を尊重してやることぐらい、危険なことはないのだ。敵はそれによって「手を出しても面子は潰れない」=「ガッカリしない」と思ってしまうので。つまり、プロスペクトの強度が上がってしまうからだ。平時からシナ人や韓国人の面子を潰し続ける「ゆるぎなさ」だけが、日本の安全に直結する。

 ※面白くないアニメがすさまじい興行成績を上げてしまう理由を「プロスペクト理論」で説明できないだろうか? 日常、ガッカリすることの多い大衆が、せめてフィクション世界では「ガッカリしたくない」と思って、カネを払って映画館へ行く。そこで観たものを率直に「面白くない」と意識すれば、すべてを損した気分になり、ますます「ガッカリ」することは必定。しかし人はガッカリしたくないことを最優先に行動しているので、じっさいに観たものを「面白かった」と脳内再定義するのじゃなかろうか。そんな集団催眠術を可能にするためには、すくなくとも、主人公を酷い目には決して遭わせず、幾度でも外部からアウトリーチして救ってやる「世界」としておくことが、まず商業的成功の第一ハードルであるのかもしれぬ。

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 Njiraini Muchira 記者による2021-3-24記事「Suez Canal Traffic Snarled After Megamax Boxship Runs Aground」。
   火曜日にコンテナ船がスエズ運河の航路に直角に座礁。
 エヴァーグリーン社が運航する『エヴァー・ギヴン』号。
 すでに北上船+南下船が100隻ほども、この障害船があるために先へ進めなくなっていると。

 3月23日の現地朝7時40分に、紅海から地中海を目指していて、座礁した。砂嵐による「ブラックアウト」状態下で。

 船首を運河の東岸壁にくっつけた状態。船尾は西岸方向を向いている。
 AISで軌跡を確認すると、突風のため急に吹き寄せられてしまったようだ。

 『エヴァ・ギヴン』号は2018年建造。全長400m、巾59m。コンテナ2万個を載せる容積あり。中共の港からロッテルダムを目指していた。ロッテルダムには3-31到着予定であった。

 2017年には日本のコンテナ船が機械故障によってスエズ運河を塞いでしまったことがある。



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