舷側から投げ落とすと、ワイヤーによって水線下に懸吊され、スイッチが入り、ただちに海水との化学反応で大量のガスを発生するような「ぼんでん」。

 これを開発した方が話が早いかも。つまり「ぼんでん」から全方位にスラストが発生するが、舷側が岸壁に近ければ、その間の水圧力が反対舷よりも高くなるから、船は衝突座礁を回避しやすくなる。

 次。
 Michael Safi 記者による2021-3-27記事「Salvager raises hopes of clearing Suez canal by early next week」。
  『エヴァーギヴン』号の離礁作業が難航している。
 クレーン台船を使ってコンテナを降ろし、それによって吃水を変えるしかないかもしれない。コンテナは2万個前後も載っており、それを1個ずつ降ろすしかないのだが。

 ※岸にパイル(H型鋼の棒杭)を2個打ち込んで、それを踏ん張り点にして、2本の起重機を横向きに寝かせて、起重機で「∧」形を作り、船尾か船首を斜めに押してやるという方法ではダメなのか?

 エジプトの監督役人いわく。金曜日の午後10時半時点、コンテナ船のスクリューは海底に触れずに回る状態。ただし、全速では回せないという。
 その後、潮位が変わって、また情況が悪くなった。

 船首下の土壌をドレッヂしているが、土質の関係〔粘土質or砂?〕で、効率が悪いという。

 馬力のあるタグボートが呼び寄せられている。それは週明けに現場に到着する。
 潮位は、土曜日には〔金曜日よりも〕50cm高くなるだろう。

 日曜までに離礁できなかった場合、いよいよ、船の前半分に積まれているコンテナをひとつずつ降ろして船体前半部を軽くするという作業をやるしかない。

 クレーン・バージはすでに現場に向かいつつあり。
 エジプトの役人いわく。強風などの天候が事故原因ではない。人のエラーだ。

 ロイズの統計によると、スエズ運河を通る貨物は、平常ならば、1日に96億ドルである。
 またエジプト役人によれば、スエズ運河が通航止めになってしまうことにより、エジプト政府は、1日に1200万ドルから1400万ドルの収益(通航税)の逸失を蒙るという。

 中共とUAEが、このサルベージ作業に協力を申し出ている。
 ※これは興味深い。中共のプロダクツが欧州に輸送できなくなったために中共がダメージを蒙っているのだ。喜望峰回りにすればその余計な運賃が中共製品価格に上乗せされて、競争力が悪化する。UAEの場合は、欧米へ原油やLNGを輸出できなくなっていることがピンチか。これも、喜望峰回りにしたら、北米産シェールやロシア産に、価格で対抗できなくなるのかもしれない。

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