政府に「法律武装」のできる人材が乏しいため、IOCやロックマートやボーイングに、契約によっていいようにカネを毟られてしまう。破棄条件やペナルティについて織り込まないという間抜けさ。

 そうなっている元凶をたずねれば、戦後の憲法解釈人たちの「国防の義務」無視にまで行き着くだろう。

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 Arie Egozi 記者による2021-4-27記事「Russian Fleet Protects Iranian Ships Smuggling Arms, Israelis Say」。
     イランがシリア(やレバノンのヒズボラ)に武器を供給するためのタンカー。地中海を航行中は、ロシアの軍艦が護衛についているという。イスラエルからの攻撃があり得るので。

 さしものイスラエル特殊部隊も、地中海で露軍(フリゲート、コルベット、潜水艦)に護衛されているタンカーを攻撃することはできないという。

 タンカーが武器を運ぶというのは変な話に聞こえるが、まさにそこにこそ偽装の妙味がある。航海からスエズを抜けて地中海に出るタンカーはゴマンとある。それらに紛れることができる。

 またイスラエル軍コマンドーとしても、タンカー攻撃には、貨物船攻撃よりも気を遣わねばならぬことが多くなる。それは他の貨物船とちがって大火災になるかもしれないので世界の関心を大きく惹く上、もし原油流出があれば、その責任を問われてしまう。

 イランが傭ったタンカーに備え付けの書類には、積荷として原油しか記載されていない。しかし、帳簿外の荷物があるのである。それが、武器・弾薬。

 ロシアのニュースが4-17に報じたところでは、ロシアとイランとシリアは、露軍がイランのシリア向けタンカーだけでなく、小麦運搬船等についても、地中海で護衛してやることに合意したという。

 げんざい、「デイル・アゾル」の油田を米軍が占領しているために、シリアは深刻な石油飢饉に陥っているという。また、シリアからイラクへの石油の密輸出も米軍が阻止しているので、シリアはカネにも困っているという。

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 JENNIFER SVAN 記者による2021-4-30記事「Coronavirus infections fall in US military communities in Europe as pace of vaccinations ramps up」。
    げんざい、イタリア人は22%がワクチン接種を済ませた。ドイツでは人口の四分の一が済ませた。

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 Jon Henley 記者による2021-4-30記事「Is Russia’s Covid vaccine anything more than a political weapon?」。
    ロシア製の新コロワクチン「スプートニクV」はまだEU内で承認されていないが、はやくも、EU諸国間を分断する役目を立派に果たしつつある。

 ロシアメーカーいわく、すでに61ヵ国が承認し、40ヵ国へ輸出されているぞ、と。
 ところが、人口が1億4400万人あるロシア国内で、このワクチンはまだ1900万射しかされていない。おかしくね? ――というのが、EU主要国の指導者が抱いている当然の疑惑。

 ハンガリーとスロヴァキアが輸入に先走っている。オーストリーは100万射買いたいと言っている。ドイツは3000万射の買い付け交渉を始めた。

 仏政府は、こんなのはプロパガンダであり攻撃的外交だとして一蹴。

 スプートニクVは最新式のmRNAワクチンではない。アストラゼネカやジョンソン&ジョンソンと同系列の、前からあるタイプのワクチンである。しかもそれらより悪いことに、データが公表されていない。

 EUの調査によれば、西側製のワクチンには副作用があって死人が出るが、おれたち製のワクチンはOKだという政治宣伝を、ロシアだけでなく、中共までもが、EU圏に対して大々的に展開中だという。

 なんのデータも見せずに、97.6%有効だとか92%有効だとか細かい数字を挙げてくるところが、庶民騙しに長けた連中の手垢の付いた宣伝芸である。

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 Jen Judson 記者による記事「Watchdog expresses concern over using US Navy interceptor for homeland missile defense」。
  米国会計検査院GAOが懸念表明。「SM-3 Block IIA」は進歩したICBMを阻止できるものでなく、そんなものに大金を投ずるのは無駄だと。

 ペンタゴン=ミサイル防衛庁は、ミッドコース迎撃のGMDだけでは北鮮とイランのICBMを阻止できないかもしれないので、ターミナルフェイズ迎撃用に「SM-3 Block IIA」を使おうと考えている。
 これから予算を突っ込んで行こうという段階だが、その機先をGAOが制した。

 もうひとつの進行中の事業にTHAADを対ICBMのターミナルフェーズ用に改造しようというものがある。FY2021~23に3億5000万ドルの予算があてられる。これについてもGAOは懐疑的。カネばかりかかって役に立たないだろうと。
 この予算、サウジアラビアからFMSの枠組みで巨額のカネをひきだして、それによって可能になっているそうだ。
 ※おそらく執拗に日本政府に対しても派生企画の売り込みが図られているはず。第二の地ージスレーダー、第二のグロホ案件だよ。いいかげんにしろよ商店御用周旋人ども。



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