海自の中古の潜水艦を1~2隻、豪州にショート・タームでリースすることができるのではないか?

 indomilitary 記者による2021-6-5記事「Lease Period Expires, India Returns “INS Chakra” Nuclear Submarine To Russia」。
   インドは、ロシアからリースしていた原潜『チャクラ』を、返す。10年のレンタル契約期間がもうじき満了なので。

 インドのメディア「livemint」の2021-6-4報によれば、同時点でロシアに向かい、航行中である。

 『チャクラ』は『アクラ2』級である。
 インドは1988年にもロシアから原潜を3年リースで借り、『チャクラ』と名づけていた。

 『チャクラ』は2021-6-4にマラッカ海峡を浮上航行しているところを人々に目撃されている。
 たぶん、ウラジオストックを目指しているのだろう。

 『チャクラ』は2012-4-4から20億ドルでレンタルされていた。その満期10年まではまだ早いが、主機の原子力エンジンが調子が悪いので、インドは早く返してしまいたくなったようだ。

 『チャクラ』は原潜クルーの訓練学校である。ここに配属されて原潜に習熟してから、国産のミサイル原潜である『アリハント』や『アリガート』に配乗となる。

 『チャクラ』は、ジブチの軍港に立ち寄るためインド洋を往来している中共の軍艦を見張る仕事もしていた。
 三代目の『チャクラ』は2025年からインドへ貸し出される。やはり10年契約で、リース代金は30億ドル。すでに2019年のうちに契約は済んでいる。

 つまりいまから4年は、インド海軍には1隻のSSNもなくなるわけ。
 インド海軍は、SSN×6隻の調達を希望しているのだが、実現しそうにない。
 『アリハント』級SSBNは、計4隻、造る計画である。

 次。
 ストラテジーペイジの2021-6-6記事。
   中共があたらしい対衛星破壊兵器を軌道上に投入した。
 「Shinjian-17」という。

 他国の衛星に接近し、ロボットアームで捕獲して調べることができる。
 ついでにその他国の衛星を押し戻し、下降させてやって、大気圏に墜落させることも可能。

 地上から衛星のセンサーを攻撃するレーザー高射砲群と併せて「宇宙の真珠湾」を可能にする。

 中共は「SJ-17」のことを「デブリに近づいて破壊する衛星だ」と説明している。

 2009年に、60機あった「イリジウム」携帯電話中継衛星のうちの1機が、ロシアの死んでいる衛星「コスモス2251」と、ロシア中央部上空770kmで衝突した。ロシア衛星は重さ1トンで、原子力発電装置を搭載して1993に打ち上げられたものながら、コース変更不能だった。イリジウムにもスラスターはついていなかった。この衝突でデブリが600個発生している。

 偵察衛星は、高い高度のものでも地上から850kmくらいを回っている。そこで中共は高度850kmで死んでいた自国の気象衛星を実際に破壊してみた。

 2013年に中共は、米国のGPS衛星が周回している高度2万kmの軌道でも「KillSat」を運用できる自信を、ついに得ている。

 ※低軌道を飛んでいる敵衛星にはたとえば1990年代のオービタルATK社の「ペガサス」のような空対宇宙ロケットで対処が容易だが、それよりも軌道が高くなると、いちいち打ち上げる方法では戦争のタイムテーブルに間に合わなくなる。特にGPS衛星を奇襲攻撃するためには、ASATは宇宙常駐型でなくてはならないのだ。もちろん、宇宙条約違反である。