Peter Pry 記者による2021-6-21記事「Open Letter to Anti-Nuclear Activists」。
米国は大統領のイニシアチブにより、戦術核兵器を1万5000発から180発に減らした。
しかしロシアはチート行為により、米軍の10倍の戦術核弾頭を有している。
ロシアはINF全廃条約も密かに破って米国の持たない中距離核兵器を勝手に充実させていた。
米国は一方的に、ICBMを単弾頭化した。他方ロシアと中共にはその気がぜんぜんない。ロシアの最新の重ICBMは、なんと、1基のICBMに40発のRVを搭載できる。中共の「東風41」は、各10発MIRVである。
米国には「物理学者」などの肩書きを強調する反核広宣活動家の組織が複数あって、飽くことなくマスコミ上に米政府の核戦力整備努力を非難攻撃する論陣を張り続ける。彼らは決してロシアの条約破りのチート行為を非難攻撃することはないし、中共や北鮮が核弾頭を増やし続けていることが第三次世界大戦を起こりやすくするとも考えないらしい。
記者いわく。米本土に400基あるICBMサイロは、廃止してはならない。これは有益なのだ。
もしこれを全廃してしまうと、敵は、2箇所のSLBM運用原潜用軍港と、3箇所の戦略核爆撃機基地に、5発の核弾頭を配分するだけでよくなってしまう。そうなれば北朝鮮やイランすら、米国との核戦争などたやすいと思いやすくなってしまうのである。
ICBM全廃論者は、米軍のSSBNは無敵じゃないかという。思い出して欲しい。「マジノ線」も、誰も突破できないと吹聴されていたのだ。
コリン・グレイはこう言っていた。1946年以降の戦争はすべて核戦争である。なぜなら、核保有国とその同盟国、その潜在敵国たちが、すでに核兵器というものが世界に存在することを前提として、すべての戦争行為をプランニングし、実行し、終結させているからだ。
1947とと1958のベルリン危機は、米国が核大国であったがゆえに、第三次大戦にならずに済んだ。
朝鮮戦争は、アイゼンハワーが核の脅しを使ったから、終わった。
1962年のキューバ危機は、米国がソ連に対して5倍のICBMを持っていたので、ソ連が引っ込んで戦争にはならずに終わった。
ベトナム戦争に米国が勝てなかった理由は、ジョンソンとニクソンが、もし北ベトナムに地上侵攻すれば中共との核戦争になるのではないかと恐れたためである。
冷戦期に膨大な地上軍を整備したソ連軍が遂に西欧を侵略することができなかったのは、米国が大量の戦術核兵器を西欧内に持ち込んでいたからである。
北鮮は、核兵器を持っていなかったら只の乞食で、誰も相手にしないだろう。
次。
Thomas Newdick 記者による2021-6-21記事「Russia Practices Destroying Enemy Carriers In Pacific Drills Sending U.S. Alarm Bells Ringing」。
NATO首脳会議や米露首脳会談に照準を合わせて、ロシア太平洋艦隊の旗艦『ワリヤーグ』と他の数艦がハワイ沖までやってきて、同時に多数の巡航ミサイルを発射して、300海里離れた「擬装米空母艦隊」を攻撃するという演習をやった模様。
数隻のロシア艦は6月19日にホノルルの南35海里まで接近したという話もある。
※16日がバイデンとプーチンがジュネーブで初会談していた日である。ただし時差は大きい。
ツポレフ長距離哨戒機も1機、飛来したので、ヒッカム空軍基地からはF-22がつごう2回、飛び出した。
ツポレフ142型哨戒機(ターボプロップ4発)は、カムチャツカ半島のイェリゾヴォ基地から飛んで来た。
ツポレフ哨戒機に空中給油するため、イリューシン78も飛んだ。ツポレフ機は14時間で6200海里飛行した。
ロシア国防省によると、今回の演習は千島列島の2500海里沖で実施された。
ハワイからは300~500海里であった。
※プーチンや中共首脳が、米国首脳とものものしく会談するさいには、かならず、相手の精神を動揺させるような奇襲イベントを直前に仕掛けてくる。今回はハワイ沖でそれをやっていたらしいことが報道から分かるのだが、他方面でも、報道されざる「小芝居」を秘密開演していたことはほぼ間違いあるまい。しかし相手が健忘症気味のバイデンじいさんでは、そうした涙ぐましい努力もほとんど効き目など無かったのでは?