繋維機雷を敵ソナーに対してステルス化する「形状」の研究が、遅れているのではないか。

 Loren Thompson 記者による2021-6-22記事「How China Will Try To Unmask U.S. Submarines In The Western Pacific」。
   この6月、MIT内で、セキュリティクリアランスのある者だけを対象にした講義があった。
 米軍艦艇はいかにして中共潜水艦に対してシグネチュア特性を秘匿しているか、という内容。

 米海軍はヴァジニア級の新鋭SSNの能力だけでも中共海軍をまったく圧倒している。

 たとえば中共海軍が台湾をぐるりと包囲しようとしても、ヴァジニア級原潜だけでもそれを不可能にしてしまえる。

 中共が開戦する初期の段階で、中共軍側はヴァジニア級原潜の所在も動静もまったく掴むことはできない。

 ※中共側ができることは、深深度繋維式の「偽機雷」を平時からあちこちに点々と、ただし決して堰は構成しない、孤立した単体として撒いておき、開戦前には、水上艦艇を使って、あたかも沈底式機雷をこっそり敷設しているかのような陽動行動をあちこちの海面で一斉にさせることだろう。平時の偽機雷は米SSNの近距離用ソナーには探知され、とうぜん避けられるが、米潜の艦長に対しては最大のストレスを与えることができる。無通告である点について、米国務省からハーグ条約違反を問い詰められれば、それは海中環境センサーだと言い抜けられる。

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 ストラテジーペイジの2021-6-23記事。
   先の「十日間戦争」で最も激しくハマスのロケット弾にさらされた町は、海岸にあるアシュケロンであった。
 住民は12万人しかいないのだが、その沖合い24kmのところに天然ガスの採掘リグがあるのだ。パイプラインでつながっている。

 過去5年間、ハマスはこのリグとパイプラインを破壊しようとしてきたが成功していない。
 さいきんでは、GPSを頼りに自航する無人の半没艇に爆薬を満載して衝突させんと研究中の模様である。

 イスラエルは、もしロケット弾が天然ガスの採掘リグに命中した場合は、すみやかに採掘と送気を停めるとともに、配管内からガスを抜いてしまい、それによって火災延焼を防止するという体制を、整えている。

 アシュケロンのガス田は2008年に発見され、2013年から採掘が始まった。政府は2022年には国内ガス需要の100%を自給できると期待する。
 現在、イスラエルの電力の7割以上も、天然ガス発電所がつくりだしている。ゆくゆくはこれによって、石炭火力や石油火力発電所をリプレイスしたい。

 いくつかのリグは、ガザやレバノンからロケット弾がとどく位置にある。そこで、これらのリグには、アイアンドームの海上版である「C-Dome」を据えるスペースが、最初から設けられている。

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 Bryan Clark and Dan Patt 記者による2021-6-22記事「CHIPs funding should feed the future, not the corporate trough」。
    米国が必要とするマイクロチップが足りていない。米国内製が無い。台湾のTSMC製や韓国のサムスン製に頼るようではいざというとき困る。
 そこで連邦議会は「チップ法」を成立させ、連邦政府が半導体工場に公的資金を投資できるようにした。

 しかし、政府のカネは、チップ量産工場の新しいプラントの建設などに使われるべきではない。

 既存の国内メーカーが、台湾メーカーや韓国メーカーよりも税金やインセンティヴに関して不利にさせられている、「経営コスト」の不公平なギャップを埋めるために、政府の資金を投ずるべきである。まず既存工場の経営を、楽にしてやれ。

 そのあと、どんな工場を建設し、どんな製造機械を据えるかは、各私企業が決めればいいのだ。

 ※自動車用とゲーム用(これは巨大サーバー拠点用でもある)のチップに限れば、生産力の「弾撥性」がキーワードなのである。ある時点の需要以上の製造能力をメーカーが寝かせておくとそれに税金がかかる、そのような制度ではダメなのである。マイクロチップや医療製品の大量生産能力の有事弾撥性を担保している「休止プラント」に関してはかんぜんに免税されるという優遇措置が必要なのだ。スマホ用の最先端チップに関しては、必要なのは工場ではなく、国の予算で運営される基礎研究所だろう。軍用チップもそこでしか開発できないはずだ。