いまのうちに先島群島を「ブッシュプレーン特区」にしておかないと、有事のエバキュエーションはとうてい間に合わないということがよくわかっただろう。

 もし沖縄本島に戦火が飛び火した場合は、戦中の作戦とは逆に、住民は、本島北部のジャングル地帯に退避させるのが合理的なのではないか。そのジャングル内に、C-130が臨時に使える直線道路区を、あちこち、設けておいたらいいだろう。

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 Alex Wilson 記者による2021-8-20記事「Navy breaks ground on $111 million munitions wharf near Yokosuka Naval Base in Japan」。
   米海軍と、陸軍工兵隊は、日本政府が負担する費用1億1100万ドルをかけて、横須賀軍港に「弾薬積み込みドック」を建設する。その鍬入れ式が挙行された。

 ウラゴ〔ママ〕貯蔵区に、この弾薬搭載埠頭が竣成すると、荒れ模様の天候下でも、駆逐艦と巡洋艦に最速で弾薬搭載できるようになる。

 ウラゴ埠頭は、旧帝国海軍時代から、弾薬の保管区として供されてきている。

 従来はちょっと沖に軍艦を泊めて、そこへ艀で弾薬を運んでいたために、1年のうち40%も、その作業ができない時節があった。強風や波浪のせいで。しかし、この工事完了後は、岸壁に横付けしていつでも急速搭載できるようになるのである。

 水兵も拘束時間が減るので大よろこびだ。

 工事は三期がかり。まず2023年までに第一期工事をおわらせる。それは長さ340フィートのアクセス橋梁。

 第二期でドックをこしらえる。長さ740フィート。2025年に完工する。
 ちなみにタイコンデロガ級巡洋艦は567フィート、アーレイバーク級駆逐艦は505フィート。

 第三期では、アクセス道路を改修する。2028年に完了予定。

 海自もこの設備を使うことで合意されている。

 ※2030の米支アルマゲドン前に間に合わせようという計画だ。敵が核ミサイルを発射しようという兆候があるときに、軍港内でモタモタやっているわけにはいかない。しかし、この埠頭じたいが、対艦弾道弾のターゲットにされることは、とうぜんである。そこを考えると、むしろ、バージや補給艦によって「瀬取り」させる方法の方が、敵に固定座標を与えないという点では、冗長性があって良いわけだ。

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 Tate Ryan-Mosley & Charlotte Jee & Eileen Guo 記者による2021-8-20記事「Afghanistan had a plan to free itself from cash. Now it risks running out.」
    アフガニスタン全土で銀行が閉鎖され、預金していた人は大困りだ。

 アセフ・ハデミ君は過去3年半、国際的なデジタル通過普及活動に手を貸してきた。2011年、世界銀行のファンドによってAPS(アフガニスタン支払いシステム)が立ち上げられることになり、2年前に、アフガン中央銀行の一翼としてそれが構築されたのだが……。

 アフガン経済は基本的にキャッシュ経済。銀行口座をもっている国民は15%もいない。
 ちなみにアフガン市民は携帯料金を、たとえば「WasalPay」というオンラインシステム経由で支払っている。

 ※まともなビジネス感覚のあるアフガン人がこのような国にとどまろうとするわけがない。ちょっと落ち着いたら、大脱出ブームが来るだろう。そのまともな人々に連れ、おびただしい数の、何のスキルもない都市貧民も、他国で仕事を探そうとするだろう。つまりは第二のシリア化か。

 アフガンでは物流が止まっているので、諸物価は天井知らずに上昇し続けている。
 銀行システムが再開されなければ、マネー・サプライは涸渇し、状況はもっと悪くなる。
 アフガン外部からアフガン内部にマネーを供給する方法が、デジタル通貨を含めて、途絶えてしまった。

 ※このアフガンのニュースが中共国内に知れ渡れば、デジタル通貨など乱世には誰も使えなくなるというあたりまえの常識が共通知見化するので、それはよいことだ。他方で中共政府としては、人民元の旧札を大量にアフガンに流し込んでやることで、「人民元圏」の拡大を図るというのが、狙いどころだろう。

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 Ezzatullah Mehrdad and Sudarsan Raghavan 記者による記事「Anti-Taliban fighters claim victories as first stirrings of armed resistance emerge」。
    金曜日、カブールから北方100マイルのバグラン州では、反タリバンのゲリラが、タリバン30人を殺し、20人を捕虜にして、タリバンを追い出した。

 このゲリラには、元政府軍将兵も加わっている。

 ※はじまったね。シルベスター・スタローンが『怒る気ないが帰ってきたぜ ランボーじいさん』シリーズのクランクインのアップを始めているだろう。それにしてもアル・ゴアは、あんなに肥え太ってしまっているのにどうしてインドに出かけて「石炭火力をやめろ」なんて説教できたんだろう? 豊かで楽な生活を通じ、お前の腹の肉が増量されるあいだ、どれだけ二酸化炭素が排出されているんだよ。説得力ゼロだろう。

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 昨年も指摘したが、今年もまた指摘しなくてはならない。年中行事か?
 『防衛ハンドブック2021』(令和3年3月刊)を数日前に頂戴したのでたしかめてみたところ、前号や前々号と変わらず、依然として「K1A1」の主砲は125mm滑腔砲だと記されている。657ページ(ノンブルだけは変わった)。
 これだったら冊子にこだわっている意味なくね?