米本土内の複数の基地で5万人分の仮設住宅が造られつつあり。アフガン人を収容するため。

 Elisabeth Braw 記者による2021-9-3記事「Italy’s Carabinieri Were the Perfect Force for the Kabul Evacuation」。
    こんかいカブール空港からのエバキュエーション作戦では、米軍が3万1000人を、イタリア軍が5000人弱を、ドイツ軍が4100人強を、フランス軍が2600人を運んでやった。

 なぜイタリアがそんなにすごいパフォーマンスを示せたかというと、これは「カラビニエリ」(機動憲兵隊)という特殊任務部隊が即応体制で用意されているおかげなのである。
 こういう、在外大使館の自衛や、在外同胞を救出しなければならないといった任務にさいしては、ものすごくよく機能する部隊なのだ。

 だから他国政府は、イタリアの「カラビニエリ」についてもっと学習しておくがよい。

 カブール空港に派遣されたカラビニエリは、第二機動旅団に所属する第一空挺連隊から分遣された。この連隊の駐屯地はツカニアである。

 カラビニエリはアビーゲイトの外側まで出て、要救出者たちをピックアップして空港内までエスコートした。
 その方法だが、ワッツアップでテキスト交信を維持し、グーグルマップで「ここに来い」と知らせる。そのさい、群衆の中であっても、遠くから一目で「あいつだ」とわかるように、特別な服の着方をしてくるように指示したという。

 カラビニエリじたいも、普通の軍服より目立つ軍服なので、識別容易である。

 カビニエリはふだんから「群衆コントロール」の訓練を積んでいる。その点でも、任せられる。安心度が高い。

 フランスは「ジャンダルメリー」(憲兵軍)を持っている。スペインも同様。これらはイタリアの「カラビニエリ」の御同役部隊だといえる。
 英米文化圏には無い軍種だ。

 いつも「カラビニエリ」を出している第二機動旅団は、北イタリアのリヴォルノ市に駐屯地がある。

 第二機動旅団に来た新兵の3割がカラビニエリの訓練を受けることを許される。課程は9ヶ月である。
 まずいきなり警察捜査について学ばされる。同時に外国の警察との協働についても。

 人質事件が起きたときの救出訓練。テロ事件発生直後の初動。
 戦争ではないものの、治安が非常に不安定化した場所に行き、その騒乱をとりしずめ安定化させる仕事が、彼らの主務である。

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 ELLEN KNICKMEYER 記者による2021-9-4記事「US: Kosovo will host Afghan evacuees who need more screening」。
     アフガンから脱出させたものの、初期のスクリーニングテストをパスしなかった素性の知れぬ者たちは、とりあえずコソヴォの米軍基地に収容することになった。
 とりあえず1年間はそこが使える。コソヴォ政府と合意した。

 コソヴォはイスラム圏なので、アフガン難民にあまり抵抗はない。しかも米国とは同盟関係にある。1999に米国がセルビアの侵略から救ってくれたという恩義もある。

 基地の名は「ボンドステール」といい、首都の近くにある。

 ドイツとイタリアは、米軍が連れ出したアフガニスタン人たちの自国内滞留は、2週間を越えては認めない、という立場である。

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 Casey Crownhart 記者による2021-9-3記事「How Ida dodged NYC’s flood defenses」。
    9月1日夜にNY州、NJ州、ペンシルベニア州をハリケーン「アイダ」が通過し、24人以上が死んだ。
 先週はルイジアナ、ミシシッピ、アラバマで大被害があったがそっちは13人死亡。つまり南部よりも東部の災害が大きくなっちまった。停電戸数では南部の勝ちだが。

 セントラルパークでは1時間に3インチという降雨量を記録した。もちろん新記録。

 2012年に「ハリケーン・サンデイ」にやられた教訓で数十億ドルの耐水害事業費が計上されてきたのに、本年、けっきょく、地下鉄やアパートの地下階への浸水被害は防げなかった。

 NYCの地下室で溺死した8名のうち数人は、不法にそこに住み着いていた者たちであった。
 今後、この対策をどうするのか?

  ※これにくらべると東京都は立派だよ。江東区の方がポンプがあるだけ上流よりも水害に強いんだから。それとマンハッタン島はぜんたいが花崗岩の岩盤だから、地下排水空間を掘るのだって容易じゃないはず。短期的には調整池と排水ポンプ。中期的には核シェルター兼用の地下貯水空間。長期的には過密人口を梳かせるしかないのでは。