先の大戦中の「夜襲斬り込み」でも、軍刀を使った斬撃はほぼ無効で、「突き」だけが有効だったと分かっているのだ。

 Chad Garland 記者による2021-9-30記事「Special ops troops ‘hunkered down’ in California airport hangar after nighttime ninja attack」。
    モハヴェ砂漠にある「Inyokern」飛行場に、9月18日午前1時、ニンジャの格好でキメた男が1人侵入して刀を振り回し、1人の曹長(空軍の特殊作戦用ヘリ部隊所属らしい)の手足に創傷を負わせた。
 切られた兵は縫合手術されたが部隊復帰したようだ。

 他に大尉が1人、窓から男が投げ込んだアスファルト塊に当たって負傷。

 ニンジャが警察に逮捕されるまでのあいだ、訓練のため飛行場に宿泊していた空軍兵たちは、地下壕に退避させられる騒ぎとなった。

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 Reginald Lin and Eli Huang 記者による2021-10-1記事「China military watch」。
     2016に習近平が軍の改革を始めてから、習は39人の軍人を将官に昇進させた。うち20人は陸軍、10人は空軍。海軍はたったの4人であった。※のこり5人は?

 人事の公開こそされていないが、PAP=人民武警 の高級司令官は陸軍将校の転出のはずなので、そっちで「出世」している者もいるはずだ。
 またPLASSF=戦略支援軍 の将官たちは、空軍将校出身者のはずである。

 五大地域軍のうち、西方地域軍から栄進した将校/政治将校が、司令官/司令部政治委員に いちばん出世する傾向がある。習近平体制の下では。

 7月と9月に中将から大将に昇進した9人のうち、7人は1962年以降の生まれ。つまり2022年の全人代時点でまだ60歳になってない。

 西方軍重視の背景は何かというと、中共軍というのはそもそも海岸防衛のための軍隊ではなくて、内陸地帯の内乱鎮圧がメインの任務なのである。対インドとか対露とかよりも、対遊牧民の軍隊。それは、いまでもそうなのである。だから陸軍の主流はそこから輩出する。治安に長けた者が中央で引き立てられるのである。それはまた武警の機能と親近であり、じっさい融合しているのだ。

 毛沢東は言った。「政権」(政治の権力)は、「槍槓」(ライフル銃)が「子出」(分娩)するのだと。
 そして続けて、(中共)「党」が「槍」(軍隊)を「指揮」するのだと定義した。
 これが中共体制のシビリアンコントロールの核心である。

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 ストラテジーペイジの2021-10-1記事。
    北鮮で兵隊がもし「熱発」症状を示せば、北鮮には、新コロかどうかを調べられる検査設備が皆無であるため、いっさい診断せずに、速攻で「特別隔離施設」送りとなる。

 そこは軍病院内の一画なのだが、他の病兵たちといっしょに監禁されて、治療資源もないので、事実上、放置。とうぜん、何割かは死んでいる。

 そして、そこで死んだ兵隊は「新コロ死者」としてはカウントされない。
 だが、新コロ流行前の軍隊の死亡統計とつきあわせれば、実態は浮かび上がるはずだというので、外国の情報機関は今、そこをつついているところ。

 軍の食料品を横流ししていた汚職の咎で元帥から副元帥に降等されていた参謀総長パクジョンチョンが、こっそりと、もっと高位の、文官の地位へ返り咲いていた。

 パクは砲兵将校出身。二代目と三代目に引き立てられて急速昇進した。砲兵学校の教官時代に、弾道弾の仕組みについて二代目に説明するのが上手く、それがとても気に入られた。当時は三代目は大学生であったが、覚えていた。

 パクは新しい地対地ミサイルを成功させたことで、副元帥にされた。
 先日、試射したと宣伝された巡航ミサイルも、パクの助言にもとづくプロジェクトであろう。

 三代目は、太っているときは140kgあったが、その後、減らしているという噂がある。身長は172cmだという。
 三代目が中共の外科医による心臓手術を受けたという話は2020に広まった。この中国の医師たちが、ダイエットしないなら早死には確実ですよ、と助言したという。

 ※肥満者は武漢肺炎に耐えられないという統計がいちばん三代目をビビらせたのだろう。ところで仮定の話だが、三代目がすでに病死しかかっているとすると、その替え玉探しと訓練は大変である。その替え玉がマスコミデビューしたときに、人々が疑わぬようにするためには、事前に、ホンモノとは似ても似つかない、質の劣る替え玉を、何人かテレビで見せておくことが有効であろう。それよりも幾分、ホンモノに似た替え玉を出せば、世間は、こんどこそホンモノが復活した、との印象を受けるに違いないのだ。

 パキスタンがインドに勝っている分野がある。武装UAVだ。
 インドが購入しているイスラエル製のヘロンと米国製のリーパーはどちらも非武装にすぎない。

 パキはイタリアのファルコUAV社と提携して、腕を磨いてきた。
 2009にさいしょの25機をファルコ社から買い、ついで国内でも25機をライセンス生産したのである。

 ここで学習してから、ひとまわり大型で自重1トンある「バラク」武装UAVを独自にこしらえた。12機が納入され、2015からパキ北西部の分離独立主義者に対するミサイル空爆に使われている。

 2018年には中共の「GJ-2」武装UAV×50機を国内でライセンス生産する交渉をまとめた。ただしこれは1機も実現していない。

 それで2021年にパキスタンは、トルコの「アンカ」UAVを50機以上、製造することに決めた。

 これとは別にパキは、4機のシナ製「CH-4」武装ドローンを買い付けている。最初の1機は2021-1に納品された。2021-8にはそれをアフガニスタン東部で飛ばし、タリバンに対してミサイル攻撃を加えている。

 ※つまりこれを運用しているパキスタン軍はISI(軍の情報部)の支配下にはないということ。ISIは反イスラマバードなのだが、政府はパージできないのである。

 インド軍は、ロイタリングミュニションである「ハーピィ」と「スカイストライカー」を合計270機、イスラエルから輸入して、なんとか対抗できるようにしつつある。

 ※別な報道で、英海軍は空母からジェットエンジン搭載の無人機を運用する気満々で、まずターゲットドローンを使って慣熟して行くつもりだと。

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 Mandy Mayfield 記者による2021-10-1記事「Purdue to Host New Hypersonics Test Facility」。
    インディアナ州にあるパーデュー大学が、ハイパーソニックの地上試験設備を構内に建設することになった。
 同大学の副学長は Mung Chiang 氏。1977年まれのシナ系米人(工博)である。
 米国内で「マッハ8」の風洞を最初に建設することになる。ノースロップグラマン社もこの建設資金を出す。

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 Matthew G. Homeier 海軍中尉による『プロシーディングズ』2021-10月号記事「Navigate by the Stars?From Beneath the Waves」。
   潜水艦は、リングレーザージャイロをINSとして有し(冗長性確保のため2セット)、また音響測深儀によって海底マップと自己位置を照合することができ、時々ペリスコープを海面に出せばGPS座標も確認ができる。

 だが今日の敵は特定海面でGPS信号を狂わせてしまう手段を有しているので、潜水艦側では必ずしもGPSを信用することが安全ではない。

 たとえば2017年にロシアは黒海でGPSをスプーフィングし、この偽信号を受けとった20隻以上の商船のモニター画面上には、本船がロシア領土の海岸から25マイル内側の陸上に所在するかのように表示されたのである。

 そこで米海軍が頼りにしようとしているのが、潜望鏡で「天測」することだ。潜望鏡を六分儀として使えばいいのである。

 従来の天測はだいたい次の3回だ。
 未明に星を天測。
 ローカルアパレントヌーン(地方真正午)、すなわちその海面における午前12時に、太陽を天測。
 日没後に星を天測。
 いずれも高度角を測って、手持ちのチャートと照合すると緯度が分かる。

 1回の天測では誤差があるので、どの時間帯にやるにせよ、最低3回、天測を繰り返して、その平均値を出す。

 星を使う場合、候補の星は58個決まっている。そこから、見えている3つの星を選ぶのだが、そのさい、理想的には、方位角で120度の違いがあり、仰角が15度から60度違っている3つの星のセットを選ぶことができれば、いっそう正確を期せるのである。

 太陽を使う場合は「ランニングフィックス」、すなわち一定船速で走りながら3回測って、方位角がどう変わったかを算定する。

 米海軍の中でも六分儀を使って天測ができる者は稀少だ。記者は『SSN-722 キーウェスト』の艦長であったが、当時、艦内には六分儀が3つあっただけ。その操作方法を知っていたのも艦長以外では2人だけだった。うち1人は兵曹長で、航海系の電子機器担当だった。記者はわざわざ国立の商船大学校に国内留学して、天測術を修めたのである。

 ありがたいことにペリスコープによる天測は、すっかりコンピュータ化されているので、その操作は誰でもできる。マシンが、緯度も経度も、計算してくれるのである。

 潜水艦のセイルの中の梯子を急いで上り下りするのは大変。そのうえ、精密な六分儀は、物にぶつけるわけにはいかないのである。したがって、セイル上で六分儀を操作しなくてもよくなったことは、潜水艦乗りにとっては、大朗報なのだ。