一気に冬の気配の朝。

 ストラテジーペイジの2021-10-5記事。
   インドは8月に、イスラエル製のロイタリングミュニションである「スカイストライカー」を120機、発注した。ただし、製造はインド国内の工場で行なわれる。イスラエルが技術移転に応じた。

 ※武器輸出商売の辛いところは、永久に楽に稼がせてくれる外国の客などないということ。日本のようなおめでたいユーザーだと別格だが、たいていは技術移転=客先国内製造 を強いられてしまう。同じようなスペックの製品の売り手が、数年もするうちに、すぐに増えてくるので、「相見積もり」をとられれば、譲歩するしかない。

 スカイストライカーは重さ35kgのプロペラ駆動の巡航ミサイルである。2時間、飛び続けて戦場をうろつく。

 車載のカタパルトから発射される。
 弾頭炸薬は5kgもしくは10kgを選べる。
 標的がみつからなかったときは、自動で帰投してパラシュートで回収される。

 はやくも2019年前半に、スカイストライカーがシリア政府軍のロシア製の「パンツィール」防空戦車を破壊する映像が公表されている。スカイストライカーよりも前の世代の「ハロプ」もやはり「パンツィール」を破壊している映像証拠がある。

 ハロプは2006年からIAIが売り出しており、インドは昔から上客だ。2018前半にインドはハロプを58機、追加注文した。その時点でインドは110機もハロプを買っており、その実戦成績に満足していたのである。

 スカイストライカーはエルビット社製である。2017年に売り出された。
 エルビット社はIAIとはライバル関係にある企業である。

 パンツィールは初めて実戦投入された戦場がシリア。そこでいきなり、イスラエル製のロイタリングミュニションに対して手も足も出ないことを証明した。

 パンツィールは、レーダー、30ミリ双聯機関砲、12発のツングスカSAMを1両の装軌車両にまとめたものである。総重量20トンだからほとんど装甲は無い。3人乗り。

 ツングスカは1発が重さ90kgあり、水平レンジは12km、射高8400m。
 レーダー覆域は半径30kmである。
 機関砲弾は3200m届く。

 ハロプは滞空6時間、弾頭重量23kgと、かなり強力なものだ。実戦デビューは2016年だった。
 1機の全重が135kgもある。

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 Julianne Geiger 記者による2021-9-30記事「“At All Costs”: China Pulls Out All Stops To Prevent Winter Energy Crisis」。
   中共中央は国営のエネルギー企業に対して、この冬、ブラックアウトを起こすなよと厳命した。

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 Evelyn Cheng 記者による2021-9-30記事「Why China’s power crunch is such a big deal」。
   中共国内では過去1年で発電所用の石炭の価格が4割値上がりして、今、トンあたり119ドル53セントである。

 北京はこれから5年で非化石燃料エネルギーの比率を今の15%から20%にするという方針を打ち出したのだが、折悪しく、雲南省で干照りが続き、水力発電所の稼働率が下がっている。

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 Carl Elliott 記者による2021-10-4記事「On a day to celebrate the Nobel in medicine, a stain still mars the institute that awards it」。
  ノーベル医学薬学賞を選んでいる機関であるスウェーデンのカロリンスカ研究所のスキャンダル。

 動物実験の段階も経ていない「人工気管」の移植手術を、咽喉癌でもなく、それがどうしても必要とはいえない患者に対してあたかも人体実験のように実施し、ことごとく失敗した名物医師を、同機関が擁護している――という内部告発を憎み、その内部告発者たちにさまざまな厭がらせをしている、というもの。