中共は今年、世界最大のLNG輸入国に昇格。それまで最大輸入国は日本だった。

 ストラテジーペイジの2021-10-15記事。
   エルドアンは10-7にインタビュアーに語った。F-35のために支払った14億ドルは返してもらいたいものだと。トルコは100機、買う予定でいた。

 10-6報。トルコは40機のF-16を新規に買いたい。また80機のF-16を近代化改修させたい。

 10-5報。中共はロシア産LNGを買い増している。そのおかげでLNGの国際価格が上がり、トルコが困っている。ロシア産LNGの最大の買い手はドイツである。しかし間もなく中共がそれを抜くであろう。

 LNGの輸出契約というものは、毎年の、最低輸出量だけを、前もって決めておくのである。欧州諸国から、急に、「もっとくれ」と言われても、事前契約で定められた最低保証量を超えて輸出できない場合は、とうぜんにある。それで、ロシアが文句を言われる筋合いはないのである。欲しければ、時価でスポット買いすればいいだけ。それが市場経済というものだ。

 10月3日時点で、トルコ国内には、登録されたアフガニスタン移民が18万2000人いる。加えて、登録していないアフガン人が12万5000人いる。加えて、シリア難民が370万人いる。

 米軍は、イスラエルをこれまでセントコムに含めてきたが、これからはユーロコムに含めることにした。

 次。
 Maciej Szopa 記者による2021-9-3記事「Russian Air Force. Last Moments Before a Grand Regression [OPINION]」。
    ロシア空軍は米空軍に次ぐ規模だが、ソ連時代の機体が続々と退役を迫られている一方、それを新型機で更新する予算はない。だから、時間とともに、弱くなる一方である。

 2021-1時点で露空軍には、重戦闘機スホイ27が380機、ミグ29系列が267機、迎撃機ミグ31が131機、スホイ24が274機、爆撃機スホイ34が125機、CAS機であるスホイ25が193機あった。トータル1370機。、

 これに、重爆撃機のツポレフ160が16機、ツポレフ95が42機、バックファイアーのツポレフ22Mが66機。
 海軍航空隊のミグ29K系が22機、スホイ27/33が43機、スホイ24が22機、スホイ25が4機である。

 露軍全体で1585機。これはシナ空軍より多い。しかし米軍にはかなわない。

 ※さいきん目が悪くてテキストを二度確かめるのが億劫なので、上掲の数字等について特に興味のある人は必ず原文を照合して欲しい。

 上掲機数のうち、200機以上は、いかなる飛行もできなくなっている。機体が古いので延命改修しなくてはいけないのだが、その予算がないのだ。ポーランド空軍はソ連時代にミグ29を買って保持しているので、延命改修ができないことの意味を正確に把握している。

 露軍には新鋭のミグ35がある。ただし、6機だけだ。それは、航空ショーにて海外の潜在顧客にアピールする宣伝を展開するためだけに発注されたのである。

 使いでのよい軽量戦闘機の後継機が無い。単発エンジンのスホイ75「チェックメイト」に期待をかけたいと考えているが、量産は2030年より先になるという見通ししか、立っていない。

 米国のF-15に対抗してつくったスホイ34は、127機つくられた。
 古いスホイ24「フェンサー」は296機あり、まだ飛べる。しかしその最終生産機は1993年、早いものは1967年製造である。

 これを更新させようというのがスホイ34なのだが、量産計画はいまのところ30機。それで296機の代わりになるとは思えない。

 ロシアの航空産業界のポテンシャルがいかほどなのか、2010年代の半ばに判明している。最大で年に18機しか、造れない。それがピークの成績であった。政府が生産設備に巨額投資してくれない限り、これを上回ることはありえない。ということは、露軍の航空戦力は、1年また1年と、減っていく一方だ。

 ここ数年は、1年に、たったの数機ずつしか、新造のジェット軍用機はロシアの工場から出てきていないのである。

 スホイ30は134機製造されている。これでスホイ24の仕事をひきつがせたい。

  ※このスホイ30はなぜここで突然出てくるのだ? 134機は少ない数じゃないだろう?

 過去10年に、134機のスホイ30と、98機のスホイ35(ただし調達予算は128機分ついている)が、製造されている。

 これに、近代化改修を済ませた22機のスホイ27が、実戦に使って不安のない戦闘攻撃機である。

 露軍は、380機のスホイ27機を飛ばせる状態である。

 理想的には旧式機の引退を、スホイ57によって埋めたいのだろう。だが、その量産機は、これから7年以内には1機も納入されないと考えられる。

 ミグ31は最終生産機が1994年製である。
 海軍航空隊のミグ31Kは、ハイパーソニック戦術ミサイルの「キンジャル」を発射できるようにした艦上機である。しかし機体を製造してから30年以上経っていることには変わりはない。そろそろ寿命が尽きかけているはずだ。

 スホイ25の後継CAS機はどうする機なのか。197機が現役なのだが。
 ひとつの可能性は、113機ある、ヤク130練習攻撃機を CAS任務に充てるというもの。
 だがたぶんは、「S-70 オホトニク」無人機に ひきつがせるだろう。2018初飛行の新型機体。

 1997に製造が終わっているバックファイアの後継にはPAK-DAが考えられているが、初飛行が早くても2023年。量産はいつになるかわからない。

 ソ連時代の設計であるブラックジャックは、製造が再開され、1、2機が納品された。

 支援機になるともっと悲惨。
 露軍は15機のAEW機を運用している。ところが過去10年で、たった1機しか、それが納品されていない。

 空中給油機のイリューシン78は、ぜんぶで19機ある。そのうち、直近10年に納品されたものは6機である。

 輸送機のイリューシン76は、114機ある。そのうち、直近10年に製造されたものは6機である。
 アントノフ124の製造を再開させるという話は、立ち消えた。

 ロシア軍のパイロットの訓練飛行時間は、中共軍にも劣後するようになった。
 これが、増加しつつある軍用機墜落事故の背景の事情である。

 2010年よりこのかた、ロシア軍は46機を事故で喪失している。スホイ24×11機、ミグ29×10機(うち2機はリビアのゲリラに撃ち落とされた)、スホイ27×7機、スホイ25×6機、ツポレフ22×3機、スホイ30×3機、スホイ34×3機、スホイ35S×1機、スホイ57×1機。
 すなわち新鋭機も8機、墜ちている。

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 Adam Kehoe 記者による2021-10-14記事「Were You Scanned By A Laser Beam From The Sky In California Recently? Here’s What Did It」。
   緑色の可視光帯のレーザー(複数波長)で海岸の水面部を空からスキャンすると、海底の深浅を測量することができ、3Dの沿岸海底マップができあがる。
 この測量作業を、加州で米陸軍工兵隊が夜間に実施しているのだが、知らない住民が見るとびっくりして騒ぎになる。

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 Alex Wilson 記者による2021-10-15記事「Biggest US naval base in Japan unveils state-of-the-art sub-tracking simulator」。
   第七艦隊は、横須賀基地内に、イージス駆逐艦の乗員12名が揃ってASWを訓練できるシミュレーター・センターを新設した。

 じっさいに外洋にて取得されたばかりの最新の敵潜音源を、出港前の駆逐艦のソナーマンたちが、あらかじめ、聴いて慣れておくことができる。そのさい、先に追跡した艦の乗員から、リアルな「癖」についての助言も受ける。

 工費は35万ドルしたそうだ。

 同類施設はすでに、パールハーバーとサンディエゴにある。今後は、スペインのロタ軍港と、フロリダのメイポート軍港にも設置したい。

 ※『サウスチャイナモーニングポスト』に、台湾の対岸にある三つの中共空軍基地と台湾との距離関係が図示されていて、それを見ると、いま米陸軍がテスト中の、HIMARSから発射ができる500km級射程の地対地ミサイルの意味が、ますますよく分かる。台湾の東海岸から発射しても、それらの航空基地にSSMが届くようになるのだ。これでは、中共軍の台湾侵攻など、ほとんど非現実的になってしまう。格納庫を多少ハードニングしても、滑走路を即時にデブリだらけにされたら、開戦劈頭から攻勢は頓挫するしかない。