Minnie Chan 記者による2021-10-16記事「US nuclear submarine accident sparks safety fears in South China Sea」。
米SSN『コネチカット』は核エンジンには損傷がなかったと発表されているが、もし放射能が南シナ海に漏れていたらどうなっていたのだろうか。
この事故は発生から6日後に世界に公表された。それまで、沿岸国住民、通航する商船、操業する漁船は、何も知らずにいたわけである。
『コネチカット』は全長107m。水中排水量は9000トン以上もある。いくら機敏に操舵できるとは言っても限度はあるだろう。
中共の一軍事研究者は指摘する。件の米潜の内部で機関周りの配管が壊れて乗員が放射能汚染された可能性は、ふつうにあり得るだろう。だから事故の続報をいまだにいっさい公表できないでいるのだ、と。
また、匿名の中共の一専門家氏いわく。中共は新造の原潜1隻に100億元=15億ドルの予算をつけているが、同時に、原潜1隻を廃艦にするときにも、まったく同額の予算を計上していると。
つまり原潜は、それをスクラップにするときに、異常なコストがかかるのである。
※ゆえに、ライフサイクルトータルコストをよく考えろという話。
中共でも米海軍と同じように、リアクターを船殻から取り出して、放射性の部材は最終的にはセメントに封じ込めたうえで、どこかに永久に貯蔵させておくことになる。廃艦後のゴミ管理にもコストがかかり続けるわけ。
ちなみに米海軍は原潜の原子炉を、最後にはハワイ沖の海底に捨てている。
中共では、新疆の無人の砂漠に、それを埋めている。
ロシアは、北極海のノヴァヤゼムリャ島の港のすぐ外側に、シンプルに、潜水艦まるごと投棄している。
たとえばソ連の『K-27』潜は、乗員9人が放射能漏れで死ぬ事故を起こしたあと、ノバヤゼムリャ島の北東海岸(カラ海)に1981年に投棄された。そこの水深は、たったの30mである。
捨てるのも面倒なため、ずっと埠頭に繋留したままにされている退役原潜もある。これはすべての原潜保有国で行なわれている。
近年、南シナ海では、知られていなかった海底火山がいくつも発見されている。その活動のため、海底地形が刻々と変化している。
2013年7月、台湾の調査チームは、南シナ海の半径10km内に8つの未知の海底火山を発見した。
※つまりこの記事は、『コネチカット』が未知の海底地形に激突した可能性を強く示唆している。だとするなら、相手側潜水艦の情報がいまだにひとつも漏れてこない理由が合理的に説明される。
次。
『星条旗新聞』の記事。
2020年に訓練中に水陸両用装軌車が沈没して、乗っていた海兵隊員と水兵が溺死した事件。
事故の原因が指摘された。あまりに車体各部の手入れが雑であった。
航空機に比べて、米海兵隊のAAV7の整備基準が、甘すぎたのだ。
たとえばブレーキの壊れた航空機は飛行することは許されないだろう。ところが車両の場合、ブレーキが壊れていたって、とりあえずは走れるし、使えてしまう。この文化が、水陸両用車にも及んでいたのが、致命的であったと。
げんざい海兵隊は水陸両用車の検査基準や運用基準を改訂している。AAV7の場合、たとえば、ビルジポンプが4つついているが、そのすべてが機能するかどうかを、水に入る前に必ず確認しなければならない。非常脱出時に点灯するライトについても、同様。
次。
Rachel Wait 記者による2021-10-12記事「Charging An Electric Car: Your Questions Answered」。
電動自動車=BEVと、プラグインハイブリッド車=PHEVを合計すると、その新車販売に占めたシェアは、2021-9月において、21.6%となった。昨年とくらべて10.5%増えたことになる。
※この記事は英国の話であるので、注意せよ!
EVを充電するときは、自宅で充電するのが、いちばんコストが低くなる。
そのさい、家庭用コンセントをそのまま使うことは推奨されない。やたら時間がかかるし、回路に負荷もかかるのである。
ウォール・チャージャー(ウォール・チャージング・ユニット/ウォール・ボックス)という、すべての市販電気自動車に対応した、小箱状の充電器端末が市販されているので、これを自宅ガレージの壁にとりつける。そこから充電するようにすれば、電気自動車に最短時間で充電ができるのである。
ウォールチャージャーには、3キロワット規格、7キロワット規格、22キロワット規格がある。22キロワットのものがいちばん速く充電が完了する。
一般的なのは7キロワット規格だ。しかし、いちばん安価なウォールチャージャーをお望みなら、3キロワット規格でよい。一晩かけて充電すればよいと割り切れば、3キロワット規格でも十分なのだ。
22キロワット規格のチャージャーには「三相」のケーブルが前提である。これはすべての市販EVが対応しているとは限らないので、事前に確かめる必要がある。7キロワット規格なら「単相」でいいので、どの家庭でも、どの車両でも、まずだいじょうぶだ。
EV車の充電用コネクターには「1型」と「2型」がある。あなたのEV車はそのどっちなのか、知っていなくてはならない。
「1型」コネクターは、北米でよく見られる。欧州の古い電気自動車も「1型」だ。5ピンである。
「2型」コネクターは今日の欧州に多い。7ピンである。そして多くの公共充電所が、「2型」対応である。
自宅用のウォールボックスの値段は、300ポンドから800ポンドの間だ。
英国政府は、その費用の75%を補助してくれる(ただし上限として350ポンドまで)。
ウォールボックスは、ユーザーがじぶんで工事することは許されない。許可された業者が、とりつけてくれる。
自宅ガレージでウォールボックスを使って充電すれば、満充電の電気代は5ポンドだ。
自宅充電しかしない人の場合、EV車にかかる1年間の電気代は、450ポンドから730ポンドであろう。
3キロワットのウォールボックスでは、満充電には8時間から14時間かかる(車両のバッテリー容量によって必要時間が変わる)。
7キロワットのウォールボックスでは、3時間から5時間。
22キロワットのウォールボックスなら、2時間で満充電できてしまう。
電気自動車のカーナビには、最寄りの公共充電所を自動で探してくれる機能がついている。
また、スマホで「Zap-Map」というウェブサイトを開いても、公共充電所の位置はわかる。対応コネクターの型や、あなたのクルマがそこで満充電するのにかかる時間まで、それは教えてくれる。
高速道路などにある公共の充電ステーションで、「ウルトラ・ラピッド」という最速給電モードを選択すれば、45分にして、あなたのEV車のバッテリー容量の80%まで、充電される。80%を超えると、安全保護機能が働き、以後の充電速度は遅くなる。これは、仕様である。
「ラピッド」モードは、50キロワット。「ウルトラ・ラピッド」は150キロワットから350キロワット。
「ラピッド」の場合の料金は7ポンドから10ポンドである。
今日、英国では、EV車が満充電で走り出すと、100マイルから300マイル、走れる。
ほとんどのEV車は、バッテリー切れになる前に、ドライバーに、最寄りの充電拠点を教示してくれる。
それでも電池切れになってしまったら、誰かのクルマで最寄の充電所まで牽引してもらうことになる。
英国版のJAFのような機関としてRAC(ロードサイド・アシスタンス&総合保険)社がある。RACは給電車を揃えて待機しているので、電話すれば、その救助車がやってきて、あなたのクルマに、10マイル走れる分だけ、充電してくれる。
複数の保険会社が、車両保険の一環として、たとえば、路上でバッテリー切れになったときにかけつけて30分の給電(だいたいそれで10マイル走れる)をしてくれるサービスをつけている。
豪雨の中で給電作業をしても安全か? 安全である。
ただし、猛暑や極寒の環境では、バッテリーの性能は低くなる。これは、覚えておかなくてはならない。
※英国のうらやましいところは、辺鄙な田舎で立ち往生したとしても、平地が多いから、危険の高が知れていることだ。わが国の場合、もし豪雪の山間僻地でバッテリー切れになったら、凍死の危険がある。したがって、電池だけに頼ったら命が危ない。これは私見であるが、北国では、ガソリンで駆動する小型発動発電機を、必ず装備するべきだと思う。大型旅客機の尾部にある「APU」の機能を、期待するのだ。なぜガソリンかというと、通りすがりのオートバイからも燃料を分けてもらえるから。灯油や軽油も使える多燃料式にできれば、理想的なのだが……(ロータリーエンジンにすればそれも可能?)。そういうポータブルな車両用APUを、「発発」のメーカーで開発して、カーショップで売り、誰でもEV車のトランクに常備しておけるようにすべきだ。その側面には「三角表示板」が最初からペイントされていると、もっと気が利くことになるだろう。