医療系のひさびさの好著に遭遇。キャット・アーニー氏著『ヒトはなぜ「がん」になるのか』(河出書房新社、8月の新刊)。

 多くの人は自分が癌になってからこうした本を漁り出すと思うが、この本は、癌になる前に読む価値があるだろう。その種の書籍には飽き飽きだという貴方に、特にお薦めする。
 物事をまじめに考える人に、ある種の「さとり」を与えてしまうぐらいのインパクトがある。
 内容は、俗流オカルト本の対極にあるので、時間の損にはならない。

 次。
 「<Inside N. Korea> Infant deaths rampant due to medical collapse. Colds and diarrhea make them die quickly.」
    10月に入り気温が下がったせいで、北鮮では幼児死亡率が上昇。
 中共からの薬品輸入は昨年から停滞。病院のクスリは払底している。

 1歳から3歳がやられる。百日咳、インフルエンザ、肺結核。
 老人も、風邪や下痢症状から速やかに死んでしまう。

 いまや病院には生理食塩水すらも無い。

 三代目がビビリ屋で、対支交易を続ければ新コロも入ってくると叫び、それで2020-2からほとんど物資輸入が絶えた。その結果である。

 2020-夏には、道都の病院から薬品類がなくなった。それでまず老人の病死率が増えた。

 平壌のロシア大使館は、2021に入ってから、相当の人数を帰国させた。フェイスブックにその理由が投稿されている。北鮮内にいては必要な医薬品すら入手できぬからだと。

 病院にやってきた病人に、医者たちはこう告げるようになった。闇で薬を買って服用しなさい。鍼治療や、民間療法を試しなさい。

 しかし闇市場には中国製の効き目のない偽薬も出回っているのだ。

 北鮮は、中共とロシアがタダでめぐんでくれる薬は受け入れていたが、他の国や機関からの薬のおめぐみは拒んできた。新コロがいっしょについてくる、と三代目が叫んでいたためだ。

 しかし2021-10、ついに、WHOやその他の国連機関が、新コロ対策の医薬品をめぐんでくれるのを受け入れる方針に転じた。

 中共側の税関局の統計は毎月発表されている。それによれば、北鮮は2021-9月に、タバコを210万5253ドルも輸入している。薬にカネを使わず、煙草なんぞを買っていやがるのだ。

 ちなみに「薬品」の名目では48万5128ドルを輸入代に支払っている。

 ※もし平壌市内の特権階層が三代目に不満を抱けば、王朝は打倒されてしまうので、特権階級の嗜好品の輸入だけはぜったいに止められないのである。高級車や高級衣料品の輸入も同様。



ヒトはなぜ「がん」になるのか; 進化が生んだ怪物