昨日Upしました《続・読書余論》は、池田純久・著『陸軍葬儀委員長』(昭和28年)です。

 池田純久の他の著作がどこかの古書店にないもんですかね?
 ご存知の方はお知らせくださるとうれしいです。

 次。
 APの2021-12-13記事「EU slaps sanctions on Russian mercenaries, Wagner Group」。
    EU外相会議がロシアの「ワグナー・グループ」(覆面露軍)の関係者複数に対する名指し制裁を発動。理由は、中東、アフリカ、ウクライナでこやつらが人権侵害に関与しているから。

 この制裁は、資産凍結および旅行制限である。グループ創始者のドミトリー・ウトゥキンや、シリアにかかわる3つのエネルギー企業が含まれる。

 仏独は特に、ワグナーの傭兵たちがサヘル地域のマリで暗躍していることを指摘した。
 ロシアのラヴロフ外相は、彼らはマリから呼ばれて出掛けていて合法であり、しかもロシア政府は何も関係していない、と弁解している。

 次。
 Joby Warrick and Souad Mekhennet 記者による2021-12-13記事「Israeli airstrikes in Syria targeted chemical weapons facilities, officials say」。
    6月8日にイスラエル空軍がシリアの3箇所をミサイル空襲した。
 西側の分析者たちは、これはいつもと違うと理解している。それまではイランの手先部隊のSSM倉庫などが空爆対象であった。が、この日のは、シリア政府の化学兵器製造工場ではないかと疑われる施設を、イスラエルが破壊したのだ。

 それから数週間して、外野の分析者は、シリアが神経ガス成分(前駆物質)の製造を再開したために、イスラエルが空襲に踏み切ったと推定した。

 イスラエルはその1年前にも同様の空襲をしかけている。やはりシリアによる神経ガス生産の動きに関係があったと見られている。

 2年前、シリアは、サリンの原料となる物質の輸入に、堂々と成功した。
 その頃から、神経ガス量産の企図はあきらかであった。

 化学兵器工場に対する初爆撃は2020-3-5。場所はダマスカスから100マイル北にあるホムス市内にあった。
 同市はずっと以前より、シリア政府のケミカル兵器生産拠点になっていた。

 シリアが輸入に成功した物資とは「燐酸三カルシウム(tricalcium phosphate)」である。
 別名TCP。食品添加物にも使われている。※というか、肥料だろ?

 この物質は「三塩化燐(phosphorous trichloride)」に変えることが可能である。その三塩化リンの輸入を、シリアは厳しく規制されているのだ。
 というのは、それがサリンなど神経ガスの前駆物質なのだ。※それ自体、殺虫剤や除草剤。

 大量にTCPを輸入したのは、シリアの「支局450」という軍の研究所だろう。ここで毒ガスが研究されている。

 シリアは1980年代から毒ガスを製造してきた。2014に米露が、シリアの毒ガス製造プラントを解体することで合意したのだったが、また復活していたのだ。

 2020-3の空爆のあと、イスラエルは、シリアにはまだ別の工場が複数あることを発見した。

 6-8の空襲は、アン・ナシリヤーというダマスカスに近い砂漠の村の地下施設1箇所と、ホムス近郊の2箇所がターゲットだった。


(管理人Uより)

 私は『読書余論』は兵頭ファンの中でも好き嫌いの分かれるコンテンツだと思ってます。
 だけど今回の”《続・読書余論》池田純久著『陸軍葬儀委員長』昭和28年刊”は、かなり間口が広いのでは。和平工作、溥儀と関東軍、東京裁判に対する兵頭先生のコメントも面白い。何せ100えん!

 SINOさんというイラストレーターの方も『おもろい。高位当事者による大東亜戦争通史じゃないか。』とtweetされている(私がこの方のTwitterアカウントを頻繁に見ている理由は、その絵が素敵だと思うからです)。

 新コンテンツ『続・読書余論』。私はもちろん、全て買ってます。