フランス軍はサヘル地域のプレゼンスを減らす。マリのティンブクトゥーから撤退。

 indomilitary の2021-12-13記事「Iran’s Revolutionary Guards Receive 110 High Speed ??Boats, Among them Can Launch Anti-Ship Missiles
   バンダルアッバス海軍基地のIRGC(イラン革命防衛隊)は、110隻の小型高速艇をいちどに動かすスウォーム戦術を誇示。

 スウォームは110隻を3個グループに分ける。

 第一グループの高速ボートは、「ヌール」という対艦ミサイルを左右両舷に装備している。
 「ヌール」の正体はシナ製「C-802」のコピーだろう。
 全重750kg、長さ6.5m、径36センチ。

 第二グループの高速ボートは、1本の魚雷発射管、または「アシュラ」ロケットランチャーを装備する。
 また、無人艇のグループもあるという。※だったら4~5個グループだろう。

 イラン製の高速ボートは、かつては最高速力55ノットだったが、いまは90ノット=時速166kmに達しているとIRGCの提督はフカしている。近い将来には110ノット=203km/時に向上するだろうという。

 使っているエンジンだが、72ノット出す高速艇には、1000馬力の「キャタピラーC18」か、「アーンソン ASD12」が搭載されている。

 ※こんなフカシ話にも、われわれにとり有益なヒントがある。開戦前、半没の小型ボートとして、軽石の如く広く海面に分散浮遊していて、攻撃命令を受令するとまず滑走艇となり、さらに飛行艇となって「離水」し、超低空を時速200km以上で敵水上艦にアプローチして、適宜の距離から兵装(対艦ミサイルまたは魚雷)をリリース。みずからは囮となってそのまま特攻自爆。ただし乗員は、それより前の某段階で脱出してしまい、生還する。このような海上スウォーム攻撃システムが考えられる筈。

 次。
 Traver Wright, Melinda Sheffield-Moore, and Randall Davis 記者による2021-12-13記事「Sea Otters Demonstrate that There Is More to Muscle than Just Movement?It Can Also Bring the Heat」。
    爬虫類や両生類と違い、哺乳類は脂肪を燃やして自己体内から熱を産生できる。
 自己発熱により、寒冷環境下や夜間でも筋肉や脳をよく働かせることが可能だ。

 北太平洋のラッコのような小型の海棲哺乳類にとっては、脂肪燃焼メカニズムはとくに生死にかかわる機能である。

 空冷より水冷の方が冷却はすみやかに進む。だから一般に寒い海の海獣は、巨体と皮下脂肪層と密な毛皮で断熱しなければならぬ。ところがラッコは海棲の哺乳類としては最小で、体重あたりの表面積が大だから、熱管理的にはとても不利だ。

 そこでラッコは、分厚い脂肪ではなく、哺乳類最密の毛皮によって防寒する。その毛根は1平方インチあたり100万もある。

 これだけの毛を、ラッコは自分で常に手入れしないとサバイバルできない。ゆえに、1日の活動時間のうち10%は、毛皮内に空気泡を封じ込めるグルーミング作業に充てている。

 ラッコのメタボリック率(代謝率)は、同サイズの他の大概の哺乳類の3倍もある。
 これには苦労も伴う。

 エネルギー源を得るために、毎日、自己体重の20%の餌を、摂食する必要があるのだ。

 ちなみに人間だとこれは2%というところ(体重70kgの人なら1日に1.3kgを口に入れれば生きられる)。

 食物が消化されてできた脂肪や糖が、血管を通じて細胞のミトコンドリアまで届けられると、そこでATPというエネルギー形態に変換される。ところがラッコの筋肉細胞ではこのミトコンドリアが、水漏れする発電ダムのようになっており、ATPだけではなく、直接に熱も作り出している。

 どういうことかというと、ラッコは、筋肉を収縮させることなく、筋肉から発熱することが可能なのだ。何かを食べているだけでいいのだ。その栄養が、直接に熱に転換されて消費される仕組みだったのである。

 ラッコは成獣だけでなく、幼獣からしてすでに、筋肉細胞が発熱細胞となっていることも確認された。

 この仕組みをもしも人に応用できたなら、運動しなくても食べたものがことごとく熱になってくれるので、氷河期がやってきたときに、人類をサバイバルさせてくれるかもしれない。


《続・読書余論》池田純久著『陸軍葬儀委員長』昭和28年刊