摂氏50度のトンガ海岸で豪州海軍の揚陸用ヘリ空母『アデレード』が動力故障し立ち往生。水兵グロッギー。

 おまけに艦内で新コロに70人以上罹患していて参っているそうだ。

 ※この点、シナ海軍はちゃんと考えていた。「病院船」という名目で、実質、「海外派兵軍人のための休憩船」を用意した。これなら、病気が蔓延する外国の土地に寄港/上陸しなくとも、クーラーの効いた船内で、将兵がリラックス&リフレッシュできるわけである。わが国が「病院船」を造る合理性は無い。しかし、海外派兵自衛官のための洋上休息施設となるプラットフォーム船は、あっていい。それはいざというときは「隔離施設」にも供用できるし、普段は物資貯蔵船にしておける。平時の人件費は最小で、緊急非常時の融通性はMax。こういうモノを考えられるようでなくば、日本の造船会社の衰退もいたしかたないだろう。

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 Florian CAZERES 記者による2022-1-31記事「Ukraine tensions jumble up Germany’s energy puzzle」。
   今、ドイツが輸入する天然ガスの、55%は、ロシア産である。これは2012年と比べると40%も増えている。異常な政策が採用されてきたのだ。※ちなみにメルケルは2005末~2021末の期間、ドイツ連邦首相。

 ドイツが消費する全エネルギーに閉める天然ガスの割合は、げんざい、26.7%だ。
 またドイツの2世帯に1世帯は、暖房が天然ガスストーブだ。

 という次第で、ドイツがロシアに経済制裁を加えると、ドイツの方が痛いという愚かしいことになっている。
 今のドイツ外相は、「ノルドストリーム2」も制裁アイテムに含まれていると明言した。
 このパイプラインには100億ユーロ=120億ドルが突っ込まれている。メルケルはこれによって、リニューアブルエネルギーがドイツの総需要を満たせないときにも安心だと考えたのだ。

 ただし現実には、ノルトストリーム2が運開すればドイツのロシアへのエネルギー依存は2倍になってしまう。ロシアに地政学的な兵器を与えてやるようなものである。欧州の政治評論家たちは、メルケルの政策は危険すぎると警告してきた。その通りになってしまった。

 ドイツ政府は、国土の2%に風力発電タワーを建設することや、あらゆる建物の屋根にソーラー発電パネルを設置させる大計画を推進中である。

 ある経済研究所の試算。原発を2022末にフェイズアウトさせ、2030には石炭火発もゼロにすると、ドイツはこれから8年間、必要なエネルギーの三分の一を天然ガスに頼るしかない、と。

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 The Maritime Executive の2022-1-31記事「Los Angeles and Shanghai Plan World’s First Green Shipping Corridor」。
  上海市とロサンゼルス市は、長期的に、カーボンを排出しないコンテナ船の海上回廊を構築することになった。

 ※「上海~LA」航路が巨大コンテナ船にとってはドル箱路線なので、途中の日本の港にわざわざ大隈海峡から北上して立ち寄っている時間などは惜しい、という現象が既に発生している。そこで、中型~小型のスペシャルなコンテナ船が、日本のメーカーと商社専用に、必要になる次第だ。それはいったいどんな船内設備を持っていなければならないか、過去のブログを見て欲しい。

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 最新の《note》 https://note.com/187326mg/  は、ケンペル著『江戸参府旅行日記』です。今、ロシアや中国は「鎖国」を目指している。メルケルは、ドイツの鎖国は不可能だと考えた。ところがプーチンはそう思ってないわけです。しからば、日本にとっては、鎖国がよかったのか、開国がよかったのか? 江戸時代を覗いた外国人の記事くらい、その参考になる資料はないでしょう。


★《続・読書余論》エンゲルベルト・ケンペル著『江戸参府旅行日記』1977年訳刊・他