水圧を受けている海底ガスパイプラインは、小孔が開くだけでも「要停止」「修理待ち」状態に陥る。小型UUVによるコバートサボタージュは容易である。

 Amberin Zaman 記者による2022-2-3記事「As Russia menaces Ukraine, Crimea’s Tatars turn to Turkey」。
   2017-10-25のこと。クリミアのタタール部族活動家が2名、ロシア官憲によって釈放されてアンカラに送られ、トルコのほうでは、2名のロシア人工作員を刑務所から釈放した。
 このロシア人工作員は、トルコ国内に隠れていたチェチェン人7人を殺害するためにトルコに送り込まれ、トルコ警察にとっつかまっていたのである。
 いわば、捕虜交換だった。
 エルドアンには、こういうことができるのだ。現代のサルタンである。

 クリミアのもともとの主人は、トルコ系タタール族であった。エルドアンがウクライナを重視するのは、この点からも自然なのだ。

 因縁はそれだけではない。今はウクライナ領になっているオデッサ港は、もともとは、オスマントルコの港「ハシベイ」だったのだ。それが、1787~91の露土戦争の結果、ロシア帝国に奪われたのである。
 クリミアをロシア帝国が征服したのはもっと早く、1783年のことであった。

 2017時点で、シリアは穀物を自国船でロシアから輸入しており、その船はクリミアを出たあとトルコに途中寄港する場合がある。トルコはロシアから屑鉄を輸入し、ロシアへは建設資材などを輸出している。シリア船がそれを運ぶこともある。エルドアンは、黙認していた。

 1944年、スターリンは、クリミア半島からタタール族を全員、転出移住させてしまった。しかし1991以降、25万人のクリミアタタール族が、故地に戻ってきている。

 ドンバス地方には、ムスリムは40万人住んでいるようだ。

 次。
 2022-2-3記事「Bristol scientists develop insect-sized flying robots with flapping wings」。
   英国ブリストル大学の研究チームが、虫サイズの羽ばたきロボットをつくった。
 電力を使うが、モーターもギアもなく、液体を媒介とする。※おそらく動力源はピエゾなのだろうがそれについての記述無し。

 シンプルなので非常に効率がよく、壊れないという。

 次。
 英文ウィキペディアの「Hawkins grenade」の項。

   「ホーキンス手投げ爆薬」は英国が1942年から製造した、「投げることもできる対戦車地雷」だ。
 炸薬は450グラムのアンモナル(TNTより廉価な代用爆薬で、硝安+アルミ粉)。それが扁平ウィスキー瓶型の鉄製ケースに詰められていて、総重量は1.02kg。この重さだと、短距離の投擲が可能だ。

 最大横幅は75ミリ。※だとすると3インチ以上の口径の大砲の砲身中へ押し込んでやることもできることになるが、別資料では75ミリは厚さだとする。

 長さは15センチ。※デモリッション兵器では長さはどうでもよくて、むしろ幅と形状(ころがりにくいこと)が重要。

 正式には「擲弾、手投げ、対戦車、ナンバー75」といった。

 1940-6のダンケルク総撤退後、次はいよいよ英本土内でドイツ軍戦車と戦わねばならないと考えられ、大至急に量産されたものである。

 信管は、触発機雷と同じもので、踏圧などによって内臓のガラスアンプルが割れると、そこに封入されていた薬液が洩れてケミカル反応を起こし、轟爆する。したがって、これを遠くから銃撃しても、轟爆する。

 英国では1955年までこの爆薬の在庫があった。また米国でも「M7 軽量対戦車地雷」と名づけて、これを製造している。

 ケミカル・イグナイター(ガラス製アンプル)は、使用の直前に、挿入する。
 したがって輸送中はまったく爆発の危険はない。

 ※これこそ、対ウクライナ援助に最適の弾薬ではないか! スチール缶の変わりに軽量防湿素材を使えば炸薬はもっと増やせるだろう。

 アンプルの代わりに、工業用雷管や、導爆線をつなげてもよかった。その場合は、仕掛け型の爆破薬となるのである。

 扁平なので結束爆薬にしやすい。その場合、中戦車でも破壊できた。

 ※別なウェブサイトの「Hawkins No 75 Mark II British Anti-Tank Hand Grenade/Anti-Tank Mine」で、以上のデータを補う。

 試験後の初期発注量が、いきなり250万個であった。

 縦178ミリ×横95ミリ×厚さ70ミリ。
 全重1.36kg。
 充填炸薬910グラム。
 アンプル装置後、4.54kgの圧力が懸かれば、起爆する。

 家屋の壁に穴を開けるのにも用いられた。