バルト海には冬でもダイバーが潜っている。

 Melissa Smith and Alexandra Gillespie 記者による2021-1-5記事「Divers Find Nazi WWII Enigma Machine in Baltic Sea」。
    ドイツ人のダイバー・チームが、フレンズブルグ(デンマークとの国境の町。バルト海側)沖のゲルティング湾内にて、WWII中のエニグマ暗号機を偶然に発見した。遺棄された魚網の下にあった。

 このチームは水中生物を調査していた。さいしょはタイプライターだと思ったという。

 揚収された機械の「塩抜き」工程には1年かかるであろう。

 ドイツが降伏するとき、この湾内では50隻のUボートが自沈した。そのさいに暗号機だけは別に投棄されたのだろう。

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 2021-5-5記事「Synthetic Chains Made with Dyneema Help Ensure Diver Safety」。
    水中工事用に用いられている鉄製チェーンを85%も軽量化した、新素材の合成繊維製の水中チェーンが完成。

 関連ニュース。
 「JW FISHERS PULSE 8X DETECTOR」は、水深60mまで使える、トレジャーハントを趣味とするダイバー用の金属探知機である。非鉄のミネラルには反応しない。また、酸化鉄まじりの黒砂にも反応しない。

 コインや宝石には、反応する。錨、大砲にも反応する。塩水でも淡水でも同じである。

 ※ちなみにノルドストリームのような海底ガスパイプラインは、浮力を抑えるためにコンクリートで包んである。これを爆破するためには、爆薬は密着させる必要がある。水中工作隊員は、水中視程ゼロの、したがってコバート工作にはうってつけの環境中でも的確な水底の「風景」が得られるように、センサーが探知した金属のある方向を、ダイバー用ゴーグルの内側に表示するシステムを持たされることが望ましい。

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 Anne Pinto-Rodrigues 記者による2022-1-25記事「Scientists uncover the secret to fishing cats’ hunting success」。
   インドの東海岸の汽水性の干潟には、漁業だけで生計を立てている野生猫「フィッシング・キャット」がいるのだが、場所が場所だけに、どうやって魚をすなどっているのが、これまでロクに観察できたためしがなかった。
 無人カメラの設置により、その秘密があきらかになった。
 ネコの胴体が沈むくらいのところでひたすらチャンスを待ち、それから獲物に飛び掛り、潜る。

 この方法により、余計なエネルギーを消耗しないのだ。

 なお、ブラジルのジャガーもサカナを獲る姿が目撃されている。
 また、東南アジアの「平頭ネコ」も、漁業家適応した例だ。

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 The Maritime Executive の2022-2-7記事「Armed Robbers Dressed as Cops Hit Greek Ferry Company」。
   ギリシャの船会社が運航するフェリーに、警察官の服装をした重武装集団が乗り込んできて、クルーを縛り上げ、金庫を奪って逃げ去ったという。日曜日の夜のできごと。

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 ロイターの2022-2-8記事「U.S. think tank identifies North Korea base likely intended for ICBMs」。
   シンクタンクのCSISは1月21日に、北鮮の慈江道の、中共国境から25km、平壌からは北西280kmのところにある基地を撮影した衛星写真を公表した。
 1個連隊規模の兵舎があり、どうやらここからICBMを発射する気らしい。

 中共国境に近いところに基地を置くことにより、米軍から先に核攻撃されるリスクは、ゼロにできる。

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 Brett Tingley 記者による2022-2-7記事「’Particulate Warheads’ Full Of Dust Could Help Defeat Hypersonic Weapons」。
    ハイパーソニック弾を迎撃するためのニューアイディアが今週、提出された。
 高射砲弾の破片の代わりとなる微粒子を、敵ハイパーソニック弾がやってくる前路に広く散開させることによって、それは可能になるという。自称していわく、「21世紀の高射砲(フラック)」だと。

 この案を公表したのはDCのシンクタンクであるCSIS(戦略および国際問題研究センター)。
 主筆は、トム・カラコとマサオ・ダルグレン。

 この防御戦法のヒントは、降雨の中をマッハ10で飛翔させたら飛翔体の表面はどうなるのかというテストの写真であるようだ。

 人為的に大きさや重さを最適化した金属粒子のようなものを、ハイパーソニック弾が通過するであろう前路にぶちまける。それは数十分間、その空間に漂うくらいの軽さとする。

 対HGVの場合、この《対空雲塊》《塵の壁》を展開する空間は、敵HGVの滑翔コースの後ろ寄りであるよりも、前寄りであればあるほど、衝突相対速度が大となるので、効き目が大きいはずだという。

 CSISリポートは、《シールド雲》の次に有望な阻止手段は、レーザーではなく、HPM=ハイパワー超短波であるという。
 ハイパーソニック弾は最初から耐熱設計なので、メガワット級のレーザーでもそれを破壊するには十分ではないという。
 ※この論者は、レーザーをパルスとして運用することを想像していないように疑われる。パルス状レーザーは熱破壊力ではなく、衝撃破壊力を及ぼせるものなのに。

 マイクロ波の照準はレーザーよりも略式でよい。しかも、中間空域の天象条件に、レーザーほど攪乱されることがない。よって好都合。

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 Carina Storrs 記者による2015-5-26記事「What is flakka (aka gravel) and why is it more dangerous than cocaine?」。
   流行中のヤバいクスリ。金魚鉢の底に敷く白い砂利のように見えるので「グラヴェル」という異名もある。

 効能はコカイン類似だが、完全合成麻薬である。2012年に違法薬物指定がなされている。そしてコカインよりも濫用者を危険に曝す。というのも、ハイになる摂取量と、致死量とが、近いのだ。ちょっと量を間違えたら、死ぬ。

 フラッカは、喫煙によっても、注射によっても、鼻から吸い込んでも、効く。

 興奮、狂乱。体温は40度以上になる。妄想。コミックの「ハルク」のように怒って暴れたくなる。
 2015年時点では、フロリダに蔓延が見られる。ある病院には、平日でも3~4人、週末にはもっと、この濫用者が担ぎこまれてくる。
 アラバマ州、ミシシッピ州、ニュージャージー州へも、拡散中。

 フラッカの語源は、スペイン語の「いい女」である。

 ドーパミンとセトロニンを脳神経に溢れさせてしまう。しかも、コカインやメタンフェタミンより、その効き目が持続する(5時間以上)。

 副作用として、筋肉が分解され、腎臓が壊れる。糖尿病患者と同じことになって、それは、治らない。

 2015時点で、このクスリは中共から密輸されて来ている。インターネットで、ガソリンスタンドで、それは買えてしまう。値段がコカインより安い。

 フラッカの登場により、類似麻薬の「入浴剤(バスソルト)」=MDVPは、闇市場から駆逐されつつある。

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 2022-2-5記事「Stalin the intellectual: the dictator cast in a new light」。
    スターリンの死後、彼の蔵書が点検された(別荘に置かれていたものも含めて)。
 スターリンは少なくも2万5000冊を読んでいたと分かった。

 その中には、政治史、軍事史、経済学、伝記、ロシアの古典文学が含まれていた。マルクス主義関連だけでなく。

 スターリンは本を読み進めながら、ページの余白に批判を書き込みまくっていた。公式文書にサインするのと同じ、青いクレヨンで。

 若い頃(グルジア時代)は詩も書いていた。
 それで、パステルナクを反共の容疑で投獄しますかというお伺い立てには、「この仙人のことは放っておけ」と返答を与えている。